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      風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No299

            
        ムクドリ(1)
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                      むくどり                                       2021.5
                  

                        このところ、南天寮の土手や林の下草刈りをしていると、やけに鳥が集まってき
                       て、刈り取って散らかった草に群がってくる。
                        最初はスズメかと思っていたのだが、よくみるとスズメよりは少し大きい鳥で、
                       鳴き声も少し違う。5~6羽が一緒に動いているようだ。
                        昨年までは気にならなかったが、と言うより気が付かなかったのだろう。
                        知り合いに聞いてみると、「それはムクドリだろう」と教えてくれた。
                        刈り取った若い草が食べやすいからとか、そこにすでに実がついていたり、同時
                       に地上の小虫を見つけやすいので寄ってくるのではないかと思う。
                        鳥が近くに、しかも草刈り機のエンジン音にもかかわらず寄ってくるなど、殺風
                       景な庭先では、何となく親し気で可愛い気がした。一人でエンジン音のみを相手に
                       黙々と作業している処へ遊びに?来てくれるお客と思えば、ついついこちらが邪魔
                       をしないように気遣う気持ちにもなって、横目で眺めながら作業の寛ぎにもなった。

                        図鑑を開いてみると、ムクドリに相違ないようだ。雄は胸や腹・背が黒っぽく、
                       雌は褐色に近い、という。スズメ目ムクドリ科の鳥類の由、尾も含んだ全長は24
                       cmほどで、およそスズメとハトの中間ぐらいの大きさ、というのもほぼその通りだ。
                       頸から頭部にかけてと腰に白い部分が混じり、足および嘴は黄色いとの解説にも合
                       っている。
                        休憩後も相変わらず寄ってきて、ときどき「ギャー」と声をあげるが、「ミチミ
                       チ」と聞けば聞こえる可愛い合唱を耳にしながら、戯れるように作業を続けた。

                        鳥についてそう関心を高めたことは無いが、ムクドリ(椋鳥)は日本以外、東ア
                       ジア(中国、モンゴル、ロシア東南部、朝鮮半島)に分布するようである。
                        日本国内ではほぼ全域に分布し、低地の平野や低山地にかけて広く生息し、都市
                       部などの人家付近や田畑などでもよく見られる鳥のようである。留鳥(年間を通し
                       て同じ場所に生息し、季節による移動をしない鳥)とされるが、北部のものは冬に
                       は南部に移動するようである。
                        雑食性で、植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べることから、ここでも
                       地面に降りて歩いて虫などを探しているのであろう。
                        木の枝に留まってカキなどの熟した実をついばむ様子も観察されるというから、
                       南天寮の柿も今まで食べられていたのは奴らの仕業かも知れない。柿に限らず幅広
                       く収穫物を食べる種族のようだ。逞しい。
                        春から夏が繁殖期で、番いで分散し、木の洞や人家の軒先などの穴に巣を作ると
                       いう。そう言えば、寮の廊下脇の書棚の上あたりの天井に、鳥が外壁に穴をあけて
                       巣をつくり、子育てをしていた年があった。その年は追い立てるのは可哀そうだか
                       らと、ヒナが巣立つのを待って残骸と壁の穴を始末したのであったが。

                        しかし、繁殖期が過ぎてヒナが巣立つと集まって群れを形成するようになり、夜は
                       一か所に集まってねぐらを形成するらしい。そのねぐらには 10km 以上の範囲か
                       ら集まり、冬は数万羽の大群となることもあるのだとのこと。
                        かつての彼等ねぐらであった河原の広葉樹や人家の竹藪といった環境が、開発で
                       減少したため、都市部の街路樹などにねぐらをとる例も増えているとのことである。
                        なるほど、東京の自宅に戻ると、時々送電線に真っ黒にになるほどの鳥の群れが
                       集まって騒いでいるのを見ることがある。
                        ――あれは「むくどり」か――。都市部などでも群れを成して生活し、大量の糞
                       による汚染被害や鳴き声による騒音被害が社会問題化しているという。

                        人間と自然界との調和は難しい。
                        草刈りを終えて、しばし思案の時を過ごしたら、あながち、可愛いなどと言って
                       られない気分になってしまった次第である。
                 
                                                                   風次郎

                                    
                                                ムクドリ(2)

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