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      風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No295
       
        午後には雲が出始めた富士見高原からの冬八つ(0106)
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                      山麓の新春                                      2021.01
                  

                       五日小寒までの正月を東京で過ごし、八ヶ岳山麓へやってきた。
                       折しも東京は全国の3分の一を占める新型コロナ感染率を記録して、そこに住む一
                      人としては沈鬱な気分でもあり、逃れるように南天寮へ出向くのも気が引けるのであ
                      ったが、新春の山を眺めつつ清浄な空気に触れて過ごしたい魂を慰めたい気持ちは、
                      抑えることができなかった。
                       明けた国立の空は雲が広がり、日本海側は暮れからの豪雪が収まらないという天気
                      予報だったから、厚いジャンバーを着込み、雪があってもいいように登山靴を履いて
                      家を出た。山麓の里を雪を踏みつつ歩くのも悪くない。寧ろ冬に相応しい散策ができ
                      るだろうと。

                       豈、はからんや!
                       中央線が相模川を登り、笹子トンネルへ向かうまでは雲の多い空の下であったのだ
                      が、トンネルを出た勝沼駅から眺め渡す甲府盆地は青空の下にあった。
                       勝沼の駅は盆地から笹子峠に向かう中段の斜面にあり、新春の朝の陽のなかに、右
                      手、この地の特産品葡萄を掲げるぶどうの丘から、彼方に甲斐の里を南アルプス山麓
                      に至るまで、遥かに望むことができる甲斐展望の絶好の場である。
                       富士の峰こそ見えなかったが、真っ白く雪をいただいた南アルプスの峰々の新春の
                      輝きを見て気を良くしながら、もしかして北杜から諏訪への峠の先も晴れているかも
                      知れないとの期待に、胸を膨らす思いの車窓が楽しかった。

                       甲府から、すこしのもどかしい時間が過ぎて、列車は車窓に八ヶ岳の姿を映し出す。
                      雲はない。
                       山は峰からすっかり雪に覆われ、冬らしい凛々しい姿で、青空に浮かぶように立ち
                      上がっているのだった。
                       長坂からは駅ごとにトンネルを越える。
                       さて、釜無川に掛かる高い鉄橋を渡って、5つ目のトンネルを越えた中央線の最高
                      峠駅、富士見からも好天のもとに八ヶ岳を見上げることができた。

                       予想外、雪もない。
                       駅から南天寮に歩く10分もない間にも厚いジャンバーが過ぎるほどポカポカと汗
                      ばむほどの天気。雪は全く見当たらない。あとで聞くと暮に積もった雪はその後の好
                      天でみな溶けてしまったとのことであった。登山靴が重いといった感じである。
 
                       南天寮の掃除をし、清々しい中で一休みして、山周りの散策にしばしの時を楽しむ
                      新春である。風こそ冷たいが山の風はそれこそが冬の風情であろう。
                       残念ながら富士の方面にだけ低く漂う雲が湧き、その姿を見ることはできなかった。
                       だが、八ヶ岳は北に続く蓼科山まですっきりと冬の峰を連ねて並べ、その先に北ア
                      ルプスの白峰まで望むことができた。
                       南は釜無山を越えた先に、車中で眺めた甲斐駒、鋸山。西の入笠山を中心の赤石の
                      山々を仰いで、里の山沿いに枯れた薄に囲まれた野道をゆっくりと歩いた。
 
                       八ヶ岳に見降ろされながらの冬の風 風次郎のせめてもの新春好日であった。

                                                                     風次郎                       

  
列車から見る南八つと甲斐駒(0106)

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