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      風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No294

       
        夢ひろばに降る雪
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                      里に雪降る                                      2020.12
                  

                       急に里に雪が降った。
                       紅葉を終えてもまだ比較的暖かい冬日の続く富士見高原ではあったのだが、冬の気圧
                      配置と言われる大陸に停滞していた気団が日本海沿岸にやってきたようだ。
                       寒さも例年並みに加わってビシッと冬が来たことを思わせる。
                       11月中に南天寮の冬支度を終えて東京に引き上げたが、年越し前の点検を、と国立
                      を発ってきた。富士見高原一帯は大体関東型の天気なのだが――、

                       朝の中央線の車窓から眺める景色は、まさに関東と信越山間部の冬型気圧配置の違い
                      を如実に映し出していた。
                       一旦相模川沿いの山間部に入っても天気は晴れ模様であり、笹子のトンネルを抜けて
                      見渡せる甲府盆地の先には、南アルプスの山々が雪の峰を奇麗に輝かせている好天気で
                      あった。
                       山梨から信州との県境に向かって登る鉄道沿線は、南アルプス駒ケ岳を背に、八ヶ岳
                      の南麓、西麓と近づきつつ眺めて行く楽しみなところなのであるが。しかし、その日は、
                      盆地側の晴天に反して、八ヶ岳はすっぽりと雲に覆われその姿は見えない。
                       案の定、小淵沢手前のトンネルを出たあたりから天気は様変わりで暑い雲に覆われた
                      空になったのである。そのまま富士見駅へ向かう3つのトンネルを潜ると、雪に変わっ
                      ていった。
                       予想外。――今日の天気の境目はここだったのか――

                       富士見駅のホームは白一面であった。
                       雪景色は毎年のことであるが、雪の降る街は久しぶりである。晴れた山麓の街と、雪
                      を戴いた八ヶ岳を想定していたのではあったが、こんな自然の中にひたるのも偶然の恩
                      恵かもしれない。
                       陸橋をまたいで行ける富士見駅の北側には町民広場があり、それを囲むように体育館
                      や図書館などのある町民センターである。そちらへ渡るのは、必要に応じて図書館に通
                      う程度なのだが、機会を得たのに引かれて、広場のあちこちにしばしたたずんでみた。
                       小粒のあられ交じりの雪が降りてくる中は、いかにも静かだ、見渡す周囲には誰もい
                      ない。

                       そのあと、私は街へ戻り南天寮に向かった。雪は、寂し気な街並みにやや斜めの線を
                      描いて降り注いでいた。街も静まりかえっていた。

                                                                    風次郎
                       


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