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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No289
6月の八ヶ岳
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八ヶ岳山麓夏(1) 2020・06・25
5月の連休の後、やっと開錠した南天寮の、野っ原のようになった庭や畑の緑は、
シュリンクした世情とは反対に今年の良好な気候の自然条件のなかで大繁茂してい
た。
風次郎は医師から痛い腰には最もよくないと言われていた畑の草取りに精を出さ
ざるを得なかった。とはいっても50㎡ほどの菜園である、――腰にはよくないが、
農家の仕事、特に地面に近いところの空気に触れて過ごすことは、動物の仲間であ
る人間にも、もっとも良い環境を得ることであり、土から産れた?人間には願って
もない仕事が畑仕事だ、との説を長く信奉してきた故、新緑の中での畑仕事に精を
出すことをむしろ「喜び」として取り組んでいるのだが――。
案の定、草取りは言うに及ばず、庭や土手、林の草刈も勢い良く伸びた青草の量
も多く草刈も大仕事になって、3回も通ってやっとどうにか「らしく」なったというとこ
ろだ。が、自宅に帰っては、医者通いが続いている。
ホトトギスを聞きながら卯の花の可愛い白をゆっくり眺める季節は、その時を忘れ
るほどの殺伐さで通り過ぎて行ってしまった。
それでも7月、8月は親しい友人たちが来寮を楽しみにしていると言ってきてくれる
のを嬉しく受け止めて、寮整備に勤しみ、このところやっと平年並みに整ってきた。
畑はネギとジャガイモ、カボチャだけにして何とか体裁を保っているが、庭の芝
生は荒れて、サツキや椿を植え込んだ脇に立つ白いビーナスの像も、縁側から眺め
た感じではどことなく寂しそうである。そろそろ梅雨が明ければ、百合や桔梗が周囲
に色を添えるからしばらくの辛抱だろう。
梅雨時の山はいつも雲が行ったり来たり、沸いたり途切れたりだ。八ヶ岳の湧き雲
が、そこに起き上るように見えるようになれば高気圧の来たしるし、真夏の到来であ
る。
まだ、今日の八ヶ岳は大きなレンズのような雲の下にあった。
風次郎
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