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風次郎の世界旅
 西欧の春の旅
(1)

music by TAM Music Factory

          
          ブリュッセルのEU本部                 ベルギー国会議事堂
     

      

                                ヨーロッパの街を歩いていると幸せな気分になれる。時の流れを経た美しい建物が多い
                              し、それを包む街全体の雰囲気が好い。必要に迫られてのことか自然との調和は、落ち着
                              きが漂う。何処となく余裕と言うか、お洒落と言うか、地味な生活観の中に、気高さをも
                              感ずるのである。
                               古くから積み重ねてきた文化の香りと言えば格好が良いが、歴史上の葛藤が作り上げて
                              きた生活への執着が、平和なときの身の委ね方に、時には華美を伴う豊かさを保ったもの
                              として残されているのであろうか。
                               まだ行ったことのない国も多いが、EUの本部があるブリュッセルはぜひ訪れたいとか
                              ねがね思っていた。一方でパートナーであるはなはオランダのチュウリップ祭りを見に行
                              きたいということで春を待っていたのである。
                               この地域は、特に民族の争いに揉まれた地域であるとともに、世界への跳飛に先駆けた
                              ところでもあった。
                               実は、一年前に参加する予定だったツアーだったが、日程がちょうど東北震災の直後に
                              なったのでキャンセルした経緯がある。
                               アムステルダムの花パレードは年にたった一日の行事であり、参加予約が少し難しいよ
                              うだ。幸いベルギーとセットされたHIS社のツアーに参加することができて大変嬉しか
                              った。

             1)成田出発・ブリュッセル着(出発の日)

                               都内を経由して7時の京成スカイライナーに日暮里から乗る。早い時間なのに席はほぼ
                              満席、月曜日なので利用者が多いのかもしれない。
                               これに乗るとやっと海外への旅に出るといった気分が訪れる。快適な車内、次第にスピ
                              ードアップして窓を過ぎ去る日本の風景を確かめるように眺めて成田に向かう。
                               KLMオランダ航空は第一ターミナルからの出発である。順調に8時にはカウンターの
                              受付を済ませてチェックインすることができた。添乗員の田村さんにスケクジュールの概
                              略や留意点の説明、メンバーの紹介を受けて出国に向かった。

                               そして機は順調に飛び立った。
                               滑走路に沿って空港の外柵に並んだ満開の桜が機の窓から眺められ、とても印象的であ
                              った。桜の国日本からの羽ばたきであった。
                               この旅は本来オランダからベルギーへと廻るプログラムになっているのだが、アムステ
                              ルダムの花祭りの日程に合わせて逆廻りに、ベルギーの街巡りが先になった。アムステル
                              ダムに到着したら先ずブリュッセルまで足をのばすのである。
                               10時40分に発って、到着は同じ日の15時05分の予定であった。 既に彼の地は
                              サマータイムで時差7時間、飛行時間は約12時間である。
                               丁度太陽と一緒の旅、窓側の席をもらったから時々眼下を眺めて見ると、外は終始明る
                              い。北極圏シベリアの白一面の雪原ばかりが続いていた。成田は雨だったが、シベリアは
                              晴れていた。
                               到着の3時間前くらいになると雲が広がったところ飛んだが、南に進路が変わる頃には
                              処々で雲の割れ目からスカンジナビアの海岸線が見えるようになった。
                               客室のモニターではほぼ直線に半島を南下する映像を写していた。
                               このコースを通るのは私は初めてだったので額を窓につけて眺めていると、まだ高度が
                              相当あるということか、地図そのものの半島の形が良くわかった。

                               アムステルダム・スキポール空港には20分も早く着いた。入国も極めてスムーズで3
                              時過ぎには、ブリュッセルへ向かうバスの中の人となった。
                               少し気温は低いものの幸い晴天で、夜の9時ごろまでは明るいというこの季節のヨーロ
                              ッパの陽は高かった。走り出したバスの窓外では、楡の木やポプラのきの新緑が風に揺れ
                              ていた。
                               私は路上から主な都市の様子を確かめながら4時間のツアーを過そうと、最初に立ち寄
                              ったドライブインでロードマップを手に入れて路線を追いかけていった。ユトレヒト、ブ
                              レダを過ぎるとベルギーに入り、アントワープはほぼ市街地の真ん中を抜けていった。ア
                              ントワープでは夕方のラッシュと重なって渋滞があったが、メッヘレンの街を過ぎるとも
                              うブリュッセルと一体化した街の雰囲気が漂い、1958年万博会場の跡だと添乗員が指
                              差す王族の居住区(ラーケン王宮周辺)を通って市内に入っていった。

                               まだ陽のあるうちに私たちは北駅の近くロジェ広場に面したHILTON BRUSS
                              ELS CITYに到着した。まだ6時30分だった。
                               私たちの与えられた3階の部屋からは、ホテルに到着するときにバスが下ってきた坂道
                              が見えた。その坂道の脇にあった植物園が窓から見渡せ、気持ちの好い風景が広がってい
                              た。
                               日没の予想される9時ごろまで食事を兼ねてグループの大半の人が街の中心部へ出かけ
                              るとのことだったが、はなが部屋で休養を取りたいとのことだったので、私は一人になっ
                              て念願のEU本部を訪ねることにした。
                               幸い私にとっては歩いて行けそうな距離にあり、道筋も分かり易そうだった。

                                                         ○

                               EU本部は市街地の東の丘、独立50周年を記念して1880年に開催された博覧会の
                              会場として造られたサンカントネール公園の近くに在る。
                               ホテルを出るとすぐに左折してブリッジのように植物園眺められる広い道Boulevord du
                              Jordin Botaniqueを登って行った。地図を良く見ると市街をぐるりと5角形で囲むこの周
                              回路は歴史的貢献のあった人物の名を区分ごとに冠しているのだった。
                               400m程で南北に通るPOYAL RUEと交差している。右折して500mも進む
                              と左折すれば、サンカントネール公園、さらに宮殿へと通ずるRue de la Loiであるが、
                              その角が「国会議事堂」であった。
                               その位置は東にサンカントネール公園の凱旋門を、南にブリュッセル公園を経て王宮を
                              望み、又西側に市民の町並みを見渡す丘の上であった。道路に接し警察署と並んでいるも
                              のの決して威厳のあるともいえない建物だったのに少し拍子抜けする程であった。
                               Rue de la Loiに入ると、ずっと彼方の凱旋門を見て進めば良かった。そのあたりから
                              道路の両側にはあちこちに規模の大きな工事現場が見られた。聞いてみると殆どがEU関
                              係の施設増強らしい。ヨーロッパはやはりEUによる結集をダイナミックに進めているの
                              であろう。
                               地下鉄の駅入り口を3つ過ぎて左手にやっとEU本部の容姿を認めた。
                               正面に廻ると、低くなった西陽を浴びてガラスが光る建物の前に林立したポールに掲げ
                              られたEUの旗が風に揺れていた。
                               私は何となくホッとして歩を緩めフロントに近づいて行った。幸せな気分と言うのでは
                              ないが、何故かひとつの役割を終えたような不思議な気持ちになった。

                                                         ○

                               ホテルへ戻る頃には、陽が落ちて、光で輝き始めた市街地を丘を下る道のあちこちから
                              眺めることが出来た。もう10時に近かった。

    
アムステルダムに着いたKLM機とスキポール空港

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