☆☆☆

風次郎の世界旅
 パースの花を観る旅
(5)

music by KASEDA MUSIC LABO

         
          ロッドネスト島の港                 パーカーポイント   

     パースの花を観る旅(5)

                5.ロットネスト島へ

                               平成25年11月3日(日)
                               3日目の朝もきれいに晴れていた。今日は船でロットネスト島へ渡るのだ。 
                               西オーストラリアの州都「パース」の中心部はスワン川辺、いわゆる「パース湖」の北岸に
                              あって、概ね三つの地区に分けられる。
                               ビジネス街は川に近い地域、聖ジョージ通り(セントジョージテラス)とアデレード通り(
                              アデレードテラス)沿いで、歴史的中心部である。ここに会社や総督官邸のビルがある。議会
                              は丘の上にあり、西に聖ジョージ通りから海岸まで見渡せる地域だ。在パース日本国総領事館
                              もここにあった。
                               商店街はヘイ通りとマレー通りのショッピングモールに集中している。モールはアーケード
                              と、歩いて抜けられる店で相互につながっている構成。市外の東部と西部の境には新しいホテ
                              ルが幾つも建設されている。フォレストプレイスと言う広場は、主要路ウェリントン通りとマレー通
                              りをつなぐ人が多く集まる場所で、ここでは政治家の演説や公共の催し物が行われることが多
                              いとのこと。再開発によって、西に連邦銀行と連邦郵便局の建物が隣接して建っていた。
                               鉄道によって市街が区切られた格好となっている北側の地域は、駅に接続して設置されている
                              ウェリントンst.の橋の北側でノースブリッジと呼ばれ、娯楽・文化区域になっている。その駅の近
                              いところに図書館、美術館、博物館があり、西側の区画にはアジア系の食品店やレストランなど
                              が多数あった。休日には買い物客で賑わうという。
                               私たちの泊ったHotelIbis Styles Perthはノースブリッジのほぼ中央、駅を迂回して南北に
                              伸びるウェリントンst.をロビンソンst.に入ったところにあった。

                                                            ○

                               バスはホテルから南へ向かい、パース駅を越えてさらにBARRACKst.を5分ほど下ると、スワ
                              ン川のほとりにある桟橋に着いた。
                               バラック・スクエアと呼ばれる広場があり「ベルタワー」があった。鐘の音を響かせる塔で
                              ある。
                               この国が植民化から200年の記念にイギリスの聖マーティン教会にあった鐘を贈られ、こ
                              の塔が造られて収容されたという。表面は銅、船の帆を形どったエレガントなモニュメント、
                              「スワンベル」が光っていた。

                               この日はここからフェリーでロットネスト島へ渡るのである。
                               出航する船に続く桟橋には大勢の観光客が並んでいたが、乗船が始まると列は吸い込まれる
                              ようにあっという間になくなった。500人は乗れる大型船で、2階までのキャビンと広いデ
                              ッキが客席であった。まだ朝の空気が冷たそうだったので、はなと私は1階の操舵室の後ろの
                              客室に席を取った。席には余裕があり、スキッパーの動作越しに前方が見えた。

                               街の中心を流れるスワン川は内陸からここまで来て大きく川幅を広げる。「パース湖」と呼ばれ
                              るほど、まるで湖のように、海の湾のようで対岸は遠い。対岸に広がるのは、フリーウェイと鉄
                              道で中心街と結ばれている住宅街、整った贅沢な緑地である。そこを結ぶフリーウェイの橋、
                              「NARROWS BRIDGE」が右手西側に見えた。
                               出航して離れていく市街地の背後から初夏の太陽が陽を投げて背の高いビル群を輝かせていた。 
                               白い波飛沫をあげて船は進んで行く。とは言っても水面の波は行き交う他の船から寄せる程
                              度にすぎないもので、船は河口までは揺れることもなく実にスムースであった。
                               ロットネスト島への観光船のほかは小さな輸送船、そして個人の操するモーターボートが走
                              っているだけだった。
                               途中、対岸の港とパースの外港の街フリーマントル(スワン川河口)に寄って客の乗船
                              を加え、外海に出た。
                               河口から先では彼方に大きなロットネスト島の姿が見えた。
                               オーストラリアの周りは荒い海であるために、16世紀頃の世界地図にはTerra Australis
                              Incognita(南方にある未知の大地)と表されていたという話があるが、その朝は全く静か
                              な青海原であった。
                               ロットネスト島とパースとの間はゲージロードと呼ばれる深い海峡だそうで、ここを使って有名な
                              ヨットのアメリカズカップレースが1987年に行われた場所である。たしか日本チームも参加して
                              いた。
                               デッキに立つと初夏の爽やかな朝の光が満ち溢れていた。
                               私たちはパースから50分の船旅で、ロットネスト島のビジターセンターに近い桟橋に降り
                              立った。

                               島はパースの西方32km、に位置する。
                               国の自然保護地区として指定されており、珍しい動物達とエメラルドグリーンの海、珊瑚礁
                              の景観に恵まれて年間50万人以上が訪れるとのことだ。クオッカという可愛らしい有袋類動
                              物が生息していることが有名で、このクオッカ、が実は島の名前の由来でもあるという。つま
                              りその沢山の巣がある処の由である。 
                               ピナクルズと並びパースと言えばロットネスト島と言われるくらい著名な観光地だ。
                               パースの沖にはロットネスト島以外にもいくつか島がある。
                               海軍基地があるガーデン島、カーナック島、シール島、干潮時に岸から島へ歩いて渡ること
                              が出来るペンギン島などである。ロッキンハムのペンギン島はまたその名のごとく野生のペン
                              ギンが生息しているし、隣のシール島(シールとは英語でアシカ、アザラシの意味)付近にも
                              野生のアシカが生息しているなど、これらの島々はその自然を守るため立ち入りが制限されて
                              いる。
                               保護の徹底で、上陸したロットネスト島は自動車入島が禁止、管理に携わる人々以外の居住
                              も制限さらている。観光関係者は通勤だそうである。

                               私たちも指定の「島巡りバス」に乗って観光に出た。
                               出発点である港のレストハウス周辺は、大きな木もある森のような一帯であったが、台地の
                              ようになった島は、殆どサンゴ礁の上の岩砂地で低木がブッシュの如く生えている。色とりど
                              りの花が、その中から覗き出るように咲いていた。
                               バスは指定された道路を進むのであるが、隘路があちこちにあって、レンタサイクルを使っ
                              て巡る若者や家族の姿が多く見受けられた。人力を限度に自然に接することは観光にも良いの
                              かも知れない。
                               しばらく花咲く丘を走った後、バスは入り江の高台パーカーポイントのパーキングに停車し、
                              私たちも下車して眺めた。そのあたりは海辺での遊びも許される海域とのことで、明媚な白砂の
                              海岸が入江の先に続き、外海からやってきたマリンスポーツを楽しむボートも何隻か繋留されて
                              いた。高台からは透明な海底の岩礁まで見下ろすことができた。
                               間近で見るブッシュの中の花はいずれも色がはっきりして美しかった。
                               再びバスが発車して間もなく、運転手が何かを喋ってストップするとドアが開けられた。丁
                              度道端の茂みに「クオッカ」が出てきたとのことで、私たちにも見るチャンスが与えらえた。
                               一見リスのような、カンガルーの小型のような動物であると眼に映った。写真が撮れた。

                               約1時間のバスツアーを終えて、ビジターセンターに戻り売店やロッジの休憩所で休息した。
                               昼食はロッジの中にあったCHACRAというレストランで皆で一緒に席を取った。何処に行って
                              もこの国では羊も含む肉料理が出されたが、何よりも良く晴れた乾燥気味の気候のもとではビ
                              ールで喉を潤すのが美味しいのであった。
                               土産物店などを覗いた後、昼を過ぎたばかりの強い太陽の光を浴びつつ帰路に着いた。
                               次は、島を離れてフリーマントルの港を目指した。
              

                
                  クオッカ                      コモン・エバーラスティング

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