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風次郎のColumn『東京楽歩』
No133(T−024)
大沼から駒ケ岳と有珠、昭和新山
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2009年12月27日
0910紅葉の北海道
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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2.五稜郭・大沼・有珠
函館山の澄み切った空気は、一時の嘘ではなかった。
啄木亭の5階の部屋は東に向いており、街並みの向こうから明るい太陽が差し込んでくる気持ちの良い朝を迎えた。
今日は、1日で市内を観光して、五稜郭を歩いたあと大沼と洞爺湖の紅葉も見るスケジュールになっている。出発は
7時30分と早かった。
昨夜函館山に向かった時の車内とは、打って変わった明るい空気で満ちた車内は、メンバーの笑顔が絶えない。天
気こそ天の恵み。人間の力ではどうにもならないことだから有難さが込上げてくる。
函館を私が訪れた最後は、もうかれこれ10年も前のことだから、五稜郭タワーに上るのは初めてである。その頃は五
稜郭タワーは無かった。
昨日、トラピスチヌ修道院の高台から眺めたとき、タワーは彼方に見えていた。市街地の中心部にあたり、五稜郭の南
西側に御陵閣型(五角形)の白い塔で、近寄ると一見空港の管制塔を思わせる。
二階には広々としたアトリウムがあって、ここでは売店やカフェで誰でもが自由に寛げるとのことだ。
タワーの上の展望室へはチケットを買ってエレベーターで案内される。エレベーターは最上階高さ約90m(展望二階)
に着いた。
快晴の函館をグルリト一望する一方、歴史回廊と銘打って展示されているペリー来航から幕末動乱の絵入り解説読ん
で歩く。
五稜郭は16世紀ヨーロッパで各地に造られた城郭都市の構想を元にして武田斐三郎が考案したユニークな星形の城
郭である。江戸末期、函館奉行所が置かれていた。
タワーから見下ろすと、城郭全体が大きな星型で描かれた堀に浮かんでいるようだ。西は遠くに昨日上った函館山、麓
の函館港、市役所から今朝寄ってきたばかりの市場あたりも、日本海も、そして東はトラピスチヌ修道院の丘までぐるりと
見渡す。
五稜郭は全国的に有名な桜の名所である。その秋は葉を赤く染めていたタワーを下りてから、はなと五稜郭を散歩した
が、元奉行所の建物が改修中でビニールシートに囲まれていた。
あたりにいっぱいの赤い葉の桜と、門から中央へ通っていく松並木の所々に柳や楓のオレンジ色の葉が目立っていた。
やはり、ここは何と言っても花の春。土手を賑わす見事な桜の印象を大事にしたいところである。
○
大沼へ向かった。
週末の湖畔は好天に賑わっていた。
青空の下の湖畔。湖の向こうに尖がった独特の峰を見せる駒ケ岳が見えるが、まだ雪が無い。紅葉は盛りである。
自由時間が与えられたので、ボート乗り場の脇から散策路が続いている出島の方に歩いてみた。今日はボートも沢山
繰り出しているようだ。
「公魚橋」と言う妙な名前の橋を渡って行くと、駒ヶ岳を背景に真っ赤に染まった葉をいっぱいに付けたもみじの木が、
散策の人達の歩を止めていた。もみじは雑木林の一本木が多い、秋に目立つ木である。
紅葉は字の如くもみじが最も優れていると思うが、オレンジから黄色に変わる広葉樹の、落葉を促す時期の見事さも
格別である。ここではほとんどブナやコナラが群生しており、一帯が色に染まっている。林に入るとすっぽりその中に浸
った感じになるのだった。
散策路はそんな中を巡っていた。
大沼は入り組んだ島のような岸を存分に散策できるようで、新緑の頃と共にこの季節に味わうのが一番のような気がした。
○
長万部の物産店の中で「カニづくしの昼食」にあやかった。まずまずだった。朝、函館の市場で立派なカニを沢山見てき
たところだから、膳に乗ったものが些か貧弱に見えたが、それはいたし方無い。
ツアーではお決まりのように一日に数箇所の名産店を訪れ、土産品の購入へ誘われるが、これもいたし方の無いこと
と理解し、覚悟している。それがまた、ツアーの楽しいイベントの一つとも言えるのである。
午前中寄った「北海道昆布館」という市場では、昆布茶を飲んだり、提供される沢山の見本品を手にして試食するなど
結構楽しんだ。北海道を訪れていることを味覚で実感するひと時であったようにも思う。
とにかく晴れて暖かな日に恵まれたので、何処へ行っても観光地は満足できる秋の風景ばかりだった。バスツアーは、
国道5号線を北上して田浦湾をぐるりと廻って行った。
遠方まで見渡せる、広い北海道らしい風景が続いていた。
37号線を東に向かう長万部の先からやや内陸に入ると、バスの走る左側には高台が丘のように続いていた。やがて、
今年の夏世界の要人を集めてサミットが開かれたウィンザーホテルも見えてきた。それが見えれば洞爺湖が近いことが
察せられた。
その丘の方へ向かい、背後に羊蹄山もすっきりと浮かび発つ洞爺湖見晴台から、山々に囲まれた洞爺湖の全容を眺
めた。噴火のとき土砂が流れてきて悲鳴を上げた温泉街が今は平和な秋の午後の陽の中にあった。洞爺湖は広く中島
は大きく見えた。
美しい紅葉は洞爺湖の青とのコントラストで引き立てられているように見えた。
ここでは、洞爺湖の静かな水面を見つめ、今日の好天に感謝を捧げたいほどの色濃い秋に感じ入りながら、美しさを
讃えた。眺めていると、思い出されるこの湖や街の数回の悲劇は、ついつい感傷を呼び起こす時をともないつつではあ
ったが。
私たちは丘を下り、湖畔に出て洞爺湖温泉を通り抜け、湖畔を走って行った。行く先は、昭和新山の間近、ロープウェ
イの山麓駅近くであった。
有珠は活火山で有名である。
さらに、「昭和新山」には強烈な印象を与えられた記憶がある。
火山活動で山が盛り上がり、現実に新しい山がした誕生した生々しい写真に感銘を受けたのは、私が少年の時代だ
った。たまたま父の知人が、この近くに住んでいたので家の話題にもなったこともあり、生きている地球を鮮明に識った
事件であったように思う。
今回の旅ではここを訪ねることが、私には注目点で、大いに関心を高めていたのであった。
昭和新山の白い噴煙が幾つか見えてくると、バスは昭和新山火山村に到着。さっそく私たちはグループの人達とロー
プウェイに乗って噴火の全貌が見られる有珠の山頂に向かった。
昭和新山の斜面と相対したゴンドラの窓から見える新山は、数箇所の山膚から、不気味に噴煙を上げている。
片や、眼下のロープウェー周辺一帯は大半が落葉樹。中には20センチほどの太さの幹になったものが林になっている。
少なくも昭和新山が生まれる時には、旧い山林が恐らく壊滅したのであろうに、生物の再生の能力は本当に驚異を感じ
させられる。
所々には常緑の背が高い木も見られるから、これらは度々の噴火もまぬがれて生き残ったのであろうか。秋の色彩も
見事だ。
山頂駅から展望台までを歩いた。15分ほどの舗装された歩きやすい坂道だった。
展望台からは目前の有珠山頂を見る。噴煙の上がる荒々しい噴火活動の南斜面の先には、銀沼大火口湖、その向こ
う外輪山の彼方に海まで伺えるすっきりした光景だった。
有珠にはおおきな爆裂火口がなく、あちこちに潜在ドームが盛り上がって形成されている。だからあちこち広範囲で上が
る白い煙を見つめているだけで、なんとなく不気味さが漂っているような気がした。
歩道の周辺にはススキやイバラが多いのは山の荒地の模様だ。展望台の周囲こそ枯れた草地であるが、ここまで来た
舗道の脇には背の低い若い木々が葉をつけたままその色を染めて立っている。噴煙との対比では健気である。
最早、秋の夕暮れ間近い時間になっていた。
4時15分発のロープウェイが麓へ返る最終便とのこと、山頂の客が一斉に乗り込んだので定員オーバー、結局もう一
便追加で下りることになった。これは大したハプニングでは無いらしい。客を山頂に残すわけにはいかないだろう。
(風次郎)
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