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風次郎のColumn『東京楽歩』
No132(T-023)
トラピスチヌ修道院の紅葉と函館夜景
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2009年12月20日
0910紅葉の北海道
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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1.トラピスチヌ修道院・函館山
北海道の紅葉が始まったとの報道がされた頃である。
妻はなが、夕刊を見て「あっ、これなら安い!!」と、叫んだ。
――デラックス北海道3日間、32800円――「金、土、日で行けるわ!」
我が家には決まった勤務がある訳ではないからウイークデーでも良いのだが、長い間の習慣からなかなか抜け切れなくて、
土日の方がリラックスできる気分をいまだに引きずっているのである。すぐさま参加権を得た。
はなは前々から函館の夜景を見たいと言っていた。
このツアーでは、「函館夜景」はオプションで2000円をプラスするが、往々にして格安ツアーは、現地で追加費用を払う企
画が多いことを承知しているから、あらかじめ腹を括っても、3日で5万円を切るのは確かに安い。
賛同して10月23日、羽田を発った。これも当然なのだろう、午前の最終便だ。帰りは午後の最終になると言う。それでも
得をした感じが残り、なんとも悪くない旅だった。
10月も下旬となれば、道南と言え冬入りし、紅葉は無理かなと思っていたが、幸いにも神の恵みがあったようだ。暖かくて、
秋を呼び戻してくれたかのように晴れて、たけなわの秋を楽しむことが出来た。
函館空港に到着したのは2時半。
「日が暮れる前に、トラピスチヌ修道院を観ましょう。」 現地ガイドが曇り空を見ながらリードする。
トラピスチヌ修道院はすっかり観光用に整備され、バスの駐車場の近くに石畳を敷いたサークルが造られ、中央に植えら
れたもみじが紅葉していた。
サークルの端には、数本のプラタナスの木の下にベンチが置かれ、そこから白樺林に続いている。プラタナスも白樺も、
散るどころか、まだ黄味がかりはじめたところである。
前の週に見た、八ヶ岳山麓富士見と変わらぬ季節の感じだ。
以外だった。今年は、本州では冬が早く来る様子である。そう言えば10月も半ばを過ぎたのにまだ北海道の雪の便りを
聞いていないのだった。
もみじの赤、白樺の黄は秋の只中と言った感じである。
中央の門からスロープを歩いて、礼拝堂が見える奥の高台までが観光コースになっている。
綺麗に調整されたドウダンやさつきの紅葉はまだ始まったばかりであった。高台から眺める函館の街も、半島の先に広
がる中心街はともかく、間近のあたりは、常緑の木の間に秋を彩る赤、オレンジ、黄色と季節を現した森や林の景色が広が
っていた。
トラピスチヌでは正規の礼拝堂へは入るわけにはいかない。外来の者は、塀を越えた修道院には1歩たりとも入ることは
出来ない。また、その内側に生活をする修道女たちも、私たちのように只、概観を見て心に幾ばくかの安らぎを求めるとい
った緩やかな生活の時は赦されてはいないだろう。
下の町に出てお使いができる年季を得るには数十年の修行が必要と聞かされた。
構内には大理石のマリア像が幾つも立っていた。
正面入り口の中にあって、良く写真に載る白いマリア様の立像から右側に行くと、博物館があって、修道女たちの日常生
活を紹介している。壁をひとつ隔てたところには別世界があり四季の自然をそのまま受け入れたまま、自ら農業に勤しん
でいるという。
彼女らにとっても、秋の収穫期を終えて、少しは心のゆとりを得られる季節であればと余計な願いを思う。
白樺林が美しいロータリーへ足を向けながら、しかし、考えてみれば、修道女たちは、年間を通して自然と共に生きれば
こそ、その恩恵と共に美しさも味わっていることだろう、などと思いを巡らす。まして彼女らが身を委ねる林野の今は、私た
ちの見て喜ぶ、手入れをし、整備された庭園よりも美しいものであることを感知しているに違いない。
夕暮れにホテルに入った。
「啄木亭」という和式を取り入れた大きな立派なホテルだった。
はなにとっては肝心の、オプション「函館山で夜景」のバスは、夕食後にホテルを出たのだが、――生憎夕食の頃から
雨が激しく降り、小止みになったとは言うものの、彼女は落胆しているようだった。
私は、何回か夜景を見に登ったことがある函館山であるが、その感想を前もって言うのは期待に反することもあろうと
黙っていた。
「本当は大したこと無いんだよ!」とは慰められなかった。
コンダクターも、毎回山に登るのに道路が混むことを牽制して、「道は渋滞します。雨で夜景は不十分です。」と前もっ
ての案内に余念が無く、元気も無い。車内は暗いが表情が読 み取れるようだ。一行はいきおい沈んだ雰囲気になる。
ところが、である。
何と、アニハカランヤ!!逆作用が起こった。
一時的な強い雨で、出足が減って渋滞が無かった。そればかりか、山へ登ると雨はすっかり上がり、星空とまではい
かないものの、雨上がりの澄んだ空気が夜景を絶景に仕立て上げていた。街は輝いている。
私は、はなに、「あまり、期待するほどではないよ。」とは言ったが、自分の過去の感想は、「言われるほどのものでは
ない」との印象が本音だった。
「函館夜景の豪華さ」と言うものを今回初めて納得した。
はなには、「言われるほどのものではない」と、余計なことを言わなくて良かった。
雨上がりに、濡れた街は光を大きく反射しているようで、クッキリとライトが描く函館独特のJ形の街並みを光の海の中
に確かめることが出来た。
はなにとっては、大成功と言って良かっただろう。
(風次郎)
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