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風次郎のColumn『東京楽歩』 (No624T-154)
一橋大学の梅(2020.02.20)
東京楽歩(No154)一橋大学キャンパス
2月も半ばを過ぎた。地球温暖化の影響と言われているが、暖かい冬である。外に出
て散策すれば、国立の街では蝋梅が既に花を終え、いたる所に梅の花を観ることが出来
るようになった。
関東では1月の後半に少しの寒波がやってきたが、このところは陽気が良く、少々の
雨は程良いといったところで冬晴れの日が続いている。
そんな午後は、家近くの坂道を降りて街中を横切り一橋大学のキャンパスへ向かう。
国立大学であるから管理はきちんとしているが、普通の身なりでいたずらをしなければ、
門の通過は大概大目に見てくれる。10年ほど前までは、私は走友会のメンバーと毎朝
陸上競技場を走るのを許可してもらっていた。
キャンパスは、国立駅から学園通りと呼ぶ谷保に向かう真っ直ぐな広い道を挟んで、
左側の東校舎と西側の本校舎の構内に分かれている。
本校舎側の正門を入ると、右手に講堂左手に管理棟と本校舎の教室、正面が図書館で
あり、中央は植え込みが日時計のある噴水池を取り囲む広場になっている。構内は全域
が鬱蒼たる森の中だから、この広場は余計明るい場所に感じられる。
その植え込みにある梅が見事であった。
梅の木は講堂と図書館の近くにあるものを含めて4本あって、どれも見事な白梅であ
るが、池のほとりにある大株が一番先に咲く。私は1月の半ばから時々立ち寄って見る
のであるが、暖かい冬というのに満開になったのはつい最近であった。他の地の様子を
聞いてみると、ちらほら咲き始めたのは例年より早かったようだが、梅の満開は例年通
りのようである。
梅の周辺は、学生や学校関係者だけでなく、近所の家族ずれも訪れて、愛で賑わって
いた。
学校は既に期末の休みに入り、研究所や図書館に来たり、クラブ活動などでやってく
る人に限られるから構内はとても静かな雰囲気である。
梅を眺めてから、私は図書館の脇を抜けて陸上競技場へ向かった。
天気が良かったから案の定、おそらく陸上部であろうか10人ほどの若者がトラック
を走っていた。中央の芝生では応援部の男女らしい集団が、大声で発声練習に励んでい
る。さらに奥にある野球場では声を掛け合いながら、打撃の練習をするカーン、カーン
という響きと共に、気合いめいた鋭い声援も聞こえてくる。
学校らしい元気な若者達の活動が春とともに始まっている風景を目の当たりにできて
良かった。
陸上競技場は走路8コースの2種に認定されているということだが、観客スタンドは
無い。ゴール地点のそばに水場と部員が使うハウスがあるが、鉄棒のほかはホームスト
レートのすぐ脇に20人ほどが座れる観客スタンドが置かれたという殺風景な施設であ
る。
だがフィールドトラック全体が木々の緑に包まれているので、ここを走る時の気分は
この上なく気持ちの良いものであった。
陸上部の練習を眺めていたが、グランドの外周塀沿いにトレーニングに使えるクロス
カントリーのコースのような林間の細道があったのを思い出して、辿ってみた。
構内には桜の木が無数にあるから、春のジョギングはこたえられないところである。
ホームストレートの外側の繁みには大きな松と桜の木の下の雑木の間に、けものみち
のような走路が出来ていた。これはトラックのスタート地点の先からさらに、少しうね
った地形になって右カーブして、陸上競技場を離れ藪の中に入り込んで行く。
そのまま高木と雑木林の中を、野球場のネット裏が見えるあたりから大きく廻って、
今度は空手道場の前で右手に進み、砂利道から凸凹とした土手道を西門に続く林の方へ
向かうのである。
その近くにある西門は、留学生の寮や、職員の寮からの出入り口のように使われるこ
とが多く、広くは開けられていない山の中にある。その内側、正門に向かうあたりは、
背の高い杉や欅、楢さらにモミの大木などがあり、なお鬱蒼としているところだ。
ここを通りぬけて瓢箪池をやり過ごし陸上競技場へ戻ると約1㎞となるのである。
これから暖かくなると、ここを又走りたくもなるだろう。
厚手のジャンバーを着込んで速足で歩いただけでも少し汗ばんできた。
風次郎
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