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風次郎の世界旅
 イタリア2007
(6)

music by KASEDA MUSIC LABO

   
    ミラノ市内

イタリア2007春(6)

ミラノへ―その2

             ミラノへ降り立つのは初めてである。
             ビジネスとファッションの街、そしてマルペンサ空港はヨーロッパ各地への中継基地として名声を耳にする主要ハブであり、
            拡張、改装工事が終わったと聞いていたので、これは目が離せないと思い着陸から眺め回していた。
             確かに広大である。着陸した私たちの機は長い時間をかけてターミナルビルを遠くに見ながら移動した。さらにゲートの入
            り口までは、機に接続していたバスに乗り替えて5分以上もかかって着いた。しかしその場所は予想に反し、国際空港の華
            やいだ雰囲気とはかけ離れた、倉庫の隅に金属製の階段をつけたような入り口であった。
             全くぱっとしない、明るさの無い窮屈な場所であったが、そこに幾重にも折り曲げた行列を作り入国手続きを終えたのである。
             古くからの外国の空港施設は割と殺風景なものが多いようであるが、最近の新しい空港は明るくモダンな感じにどんどん変
            わっている、ましてファッションの都であるからには改装の結果は如何と問いたいところであったが「少し期待しすぎたか!」と、
            拍子抜けした。
             荷物を受け取ってロビーとも思えないほどの場所を通り抜けて外に出た。
             何となく納得のいかない気持ちであったが、振り返ると万国旗のはためくビルの玄関であったから、これが国際ハブたるミラ
            ノの空港なのであろう。ことによったら、私は見るところを間違えたのかもしれない。

             陽が沈みかける頃、バスに乗り込んで、いよいよ1週間のイタリアツアーが始まる。コンダクター新家さんに現地のガイドが
            加わった。イタリアでは必ず現地のガイドをつけることが要求されるとのことである。そして明日ヴェネチアまで行くという女性
            ドライバー、ダニエラさんの運転でバスがスタートした。
             すでに19時を過ぎいた。その日の宿泊はミラノの国内線空港リナーテの近くの「ホリデイイン」、陽が落ちると郊外はどんど
            ん暗さを増し、かわりに街の灯が懐かしそうな輝きを増してくるのであった。 

                                                    ○
 
             翌朝4時に目が覚めた。
             日本に居るときと変わらぬ時間だ。もう少し寝ていたいところだったが一旦起きると再び寝入れそうも無い。時差の影響は
            当然だ。それでも5時間寝たことになる。
             しばらく昨日機内で聴き損ねたCDを聴いた。3枚持ってきたカンツオーネのうち聴き馴れたものを聴いて、イタリア気分へ
            の切り替えのつもりである。
             5時を過ぎてからホテルを出て近くを散歩してみることにした。これは習慣である。
             ホテルの導入路から前の広い通りへ出るのには鉄製の自動式のゲートがあり、どうも外側からは開かないようだ。フロントへ
            戻って「1時間位したら戻るから」と伝えると、「外側にインターフォンがあるから、それでこちらへ連絡しろ」とのことだった。
             空港の近くではあったが、夜は飛行機は飛ばないのか静かな地域であった。
             闇の中を突き抜けるように数台の車が通ったが、ホリデイインの他にはもう1軒のリゾート風ホテルとレストランの灯かりが
            あるだけだった。
             道路は、空港近くの川を使って人口の湖をつくり市民の憩いの場として利用されている広い公園に沿って続いていた。その
            方の灯かりは公園の駐車場のものだった。
             その公園の入り口を少し先に行ったところに空港のゲートがあった。おそらくこれは通用門などに該当するものなのだろう。
             狭い入り口に簡単な守衛所があり、明るい室内に一人の職員らしき人影が見えた。何か話してみたい誘惑に駆られたが、
            イタリア語はだめだし、まだ暗い早朝にうろついている変な異国人とみなされるのはヤバイと考え直し取って返した。
             木々に囲まれたまっすぐな道をホテルの近くまで戻り、少し離れたレストランの整備された庭園を眺めてから部屋へ戻った。
             他愛のないそぞろ歩きではあったが、早朝の散策は私にとって旅の楽しみの一つであり、旅の始まりを意識した。
   

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