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風次郎の世界旅
 イタリア2007
(16)

music by KASEDA MUSIC LABO

   
   ポンペイ遺跡フォロと神殿

イタリア2007春(16)
ポンペイ―ローマ

            1時30分を過ぎた頃ポンペイの遺跡入り口にあるホテルのレストランに到着しで昼食をとった。
            ポンペイでは都市計画に基づいて整然と区画された市街地が、ヴェスビオスの噴火当時のまま綺麗に残されて見られることに
           感銘を受ける。フォロを中心とした行政施設のみならず、舗道や水道の完備されていた様子に驚かされる。また劇場、風俗や芸
           術文化のレベルは時を隔てた今も変わっていないと感じさせられることの多さを見せつけられるのである。
            合わせて認識しなければならないヴェスビオスの大噴火の猛威と悲惨さから逃れる訳にいかないものの、沢山の遺物にはいち
           いち感じ入らずにはいられない。
            今回は大劇場、小劇場の見学から入っていった。そして、やはり街中のあちこちに残された壁画など美術品の類には引きつけ
           られた。ガイドはしきりに外壁に書かれた落書きによる社会事情の推察を取り上げていた。金銭貸借も選挙もすでにその時代
           には現代に似たルールで行われていたようだ。
            発掘や解明は毎年進み、修復も行われて訪れる訪問者にどんどん示されていると言う。前に来た時、ここでナマリ管で施工さ
           れていた水道施設を見て、つくづくと「人智のレベルは永遠に変わらぬもの」「時代はそれを受け継いで、繰り返しているに過ぎ
           ないこと」を思った。そしてここにも観たローマ時代のフォロによる政治の推進こそ民生の典型と思い込んでしまった。 
            紀元期のポンペイの姿はいろいろな形で日本国内にも展示の催しがあり、私はそれ以来、必ずそのイベントに足を運ぶように
           している。今回再び時代の風を感じ取ることのできる現地に、古きよき文化を確認できたことを幸いと思った。

            エルコラーノ門を出て、墓地通りを下ったところから、スペリオーレ通りへ入り少し離れた場所にある「秘儀荘」へは今回はじめ
           て入った。
            女性が信仰を高め、入信の完全性を求めるための儀式がここで行われた由で、その儀式の模様が壁画に示されている部屋
           が圧巻だった。
            ポンペイは一説に快楽の都市と呼ばれて、いわゆる娼館が繁盛していた様子であるが、そんな中で女性に対する神聖がどの
           ように問われ、あるいは扱われたかは誰しも興味深いであろう。女性は弱きものであるが故に現代でもその課題は宗教、風俗
           にはじまり民権に至るまで広く取り上げられる特有にして大きなものである。

            ポンペイの見学を終えて、ローマへはバスで向かった。
            夕方の約3時間、途中街道脇でカメオの彫刻工場に寄ったときは、カメオは買わずに80歳を越えたという職人の手を見ていた。
            グラインダーを廻しながら、「タコ」のできた手指の節を立ててしきりにナイフを使うその人の心に宿るだろう、一筋に生きる人生
           の尊さを見て、そこにも感動を覚えた。
            外に出るとグループの仲間の1人が難を逃れるようにタバコを吹かしていた。私も並んで立って見ると、建物の隣にもうアカシア
           の葉が芽吹き、その向こうにイタリアの空が夕焼けしていた。 

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