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風次郎の世界旅
 イタリア2007
(15)

music by KASEDA MUSIC LABO

   
   車窓から見るムニチーピオ広場

イタリア2007春(15)
フィレンツエ―ナポリ―ポンペイ

            イタリアへ来て5日目、4月6日金曜日の朝である。朝の散歩はホテルの前の通りを北へ向かって歩いてみた。人と行き交うこと
           はほとんどなかった。
            手をズボンのポケットに突っ込んで歩いた。まだ素手では少し手に冷たさを覚える感じがした。
            駅のある中心街に近くなるにしたがって店舗やオフィスビルも多くなっていった。広い通りが突き当たったところを左に折れて、川
           を渡ったところまで行った。橋の袂はP. C関連のショウウィンドウがある店だった。川の辺に小さな公園があったので一休みして、
           橋を越して行き交う朝の車の往来を眺めていた。何処の世界の朝も変わらぬ車社会ではあったが見知らぬ型、メーカーの車が多
           かった。時々日本車が現れ、何となく日本の進出感を得られて嬉しくなった。

            7時に朝食、8時にバスは駅に向かった。
            8時57分発のユーロスターに乗ってローマ経由ナポリへ向かう。
            何かと立ち廻る事の多かった中央駅前に到着。LIZZA社の前でバスを降りて駅に入る。
            ヨーロッパの鉄道では、ターミナル駅は引込み線方式でホームが縦に並び、先端に駅舎のある形が多い。日本の上野駅の遠距
           離列車ホームを思い浮かべる。日本ではターミナル駅でも線路を挟むように駅舎とホームが並んでいて、発着は極めて効率的だ
           と思う。しかし最近は駅のありとあらゆる場所に店舗があるのにうんざりする。
            駅舎の中そのものの雰囲気は世界中何処へ行っても同じだ。○○プラザとか何とか名前とつけたりして本業の切符売り場が分
           かりにくい日本のターミナル駅に比べたら、ヨーロッパの駅は切符を売る場所は分かりやすくてよい。
            私たちの乗る8時57分発の列車はまだ新しい綺麗な流線型の車両であった。2等車であるが、中にテーブルを挟んで2人ずつ
           向かい合うボックス席である。
            私たちは新婚旅行中である松戸の弓削さん夫妻と向かい合って座った。先方が新婚さんと言うことで少しどぎまぎしたが、これ
           までの道中でも一緒に食事をする機会があったり、どなたも親しさが増して仲良くなっていた。
            弓削さん夫妻はともにJR常磐線に勤務する職場で結ばれた由、ご主人は電車の運転手、奥様は上野駅のインフォメーション勤
           務とのことである。鉄道オタクを自称するご主人は分厚いユーロスターの時刻表を買い込んできてマニア振りを発揮、私たちにも
           途中駅の状況を解説してくれ楽しさは倍加した。
            ローマ(テルミニ)で1回停車したのみでナポリまでの3時間、通路を挟んで座った安江さんや金沢の城山さんたちともお互いい
           ろいろな話の交流ができて楽しかった。
            車窓にはトスカーナそのものを現す緑の丘が続き、列車は晴れた平原を突き抜けるように走った。時々林のような山地を通り抜
           けることもあったが、小さな街の風景が多かった。
            私は街に差し掛かると窓に目を凝らしていたが、街のほうはありきたりのイタリアが続いただけのように思った。ローマの街なか
           で都会風景を見た以外は広々としたイタリアの田園風景だった。
            ナポリには12時を少過ぎて着いた。ここからはナポリ市内を車窓から眺めてポンペイへ向かうことになっていた。

            ナポリは以前の旅行で、リゾート地区、ヨーロッパ人の憬れるサンタルチア港からメルジェリーナ港への海岸線はの観光をした
           ことがある。駅前は今回が初めてだったので関心があった。何と言っても「輝く太陽、紺碧の海」と謳われ、「ナポリを見て死ね」と
           定説がある世界的観光都市の玄関口なのである。
            しかし、快適な列車の旅を終えて、太陽だけはサンサンと輝いている駅前ではあったが、喧騒で雑然として所狭しと車が駅前広
           場に溢れ、国際リゾート都市のイメージはすっ飛んでしまった。やはり几帳面さを表に出さないイタリア的ということだろうか。
            そしてまた、バスに乗ったガイドの話では、カンツオーネや美しい海岸線で名を馳せ、世界屈指の観光地である反面、ここも犯
           罪の多い街だそうである。
            待っていた夕焼けのナポリ海岸をボディー一杯に描いてあるバスに乗って、駅前から大通りを走り始めると、アーケードのある
           ショッピング街の様子が見えた。
            さすがに舗道は国際色豊かに行き交う人に溢れ盛況を見せていた。

            中央駅前のガルバルディ広場からウンベルト通をニコラ、アモーレ広場、ボヴィオ広場とそれぞれロータリーのある交差点広場
           を過ぎて市庁舎の前に広がるムニチーピオ広場に出た。古いイタリア、ローマ帝国によって造られた街は、都市計画がきちんと
           していて交差点ごとに大きな広場が造られている。そんなところを通るときは、市民はそこに集うことによって為政者の考えうを
           知り得、時に自分を表現したのであろうその時代のことを思ってしまう。
            市役所の前に広がる現世のその広場は、綺麗に手入れされ芝生の緑が鮮やかだった。
            ルネッサンス様式の傑作ヌーボー城、王宮、その隣のサン、カルロ劇場などサンタ、ルチア港の岸壁に近い一角を一通り車窓
           から眺めて港を貫く海岸通りからポンペイへ向かった。
            バスが港地区を離れて海岸段丘を走るようになると、広々とした青海原の地中海を見渡す景色に変わった。雑踏の街中を逃れ
           て走る気分は爽快であった。

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