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フィレンツィエへ
ヴェネチアをはなれ1時間は走ったであろうか。大陸側の街を抜け出る高速道路はラッシュの真っ只中で大渋滞に巻き込まれた
ようだ。
向かう先フィレンツエまでは約200Kmの道のりであるうえ、峠を越えていかねばならない。ヴェネチアから一眠りして目が覚めて
からもスムーズな走行とは行かず、窓外の景色には灯りの数が次第に増えてきた。後から聞いたのだが、高速道路の大渋滞はな
かなか止まないので、運転手は一般道路をつかって峠を越したとのことであった。
最後の山合いを下りにかかった道路から遠く幾つかの光の海が見えてきた。新家さんが「トスカーナに入っておりフィレンツエの灯
かりが見えている」と、教えてくれた。
何処への旅でも目的地に「たどり着く」といったときの感慨は満たされる心のうちを感ずるものである。渋滞のあとであったことも手
伝いホッと安堵の空気が車内に広がった。皆遠い灯かりを懐かしそうに眺めた。すでに9時を過ぎていた。
やがて峠を降りきったバスは市街地を走り始め、西部に位置するホテル「エアポート」に向かったが、夜も遅くなったので先に夕食
を済ませることになった。ホテルに近いレストラン「ポエタ」は従業員を待機させていてくれた。
上品なローストビーフではあった。長い渋滞で空腹だったので、私には少し物足りなかった。サラダと最後に出されたアイスクリー
ムがとても美味しく感じられた。
ホテルエアポートは市の北西にあたるモンテグラッファストリート沿いにあり、ビジネスホテルのような感じのホテルだった。近所は
マンション街で、これといった目立つ施設や建物は無かった。ホテル前の道を歩くと、鉄道を走る列車の音が聞かれる郊外であった。
通りを少し入ると民家や、小学校もあり、朝の散策で朝食を提供している洒落たBAR「LIZZI EXPRESS」 を覗くと、出勤前の客達
が愉しそうに言葉を掛け合っている様子が見られる居住区であった。
ホテルの数軒隣には、いわゆる町中のスーパーストアがあり、地元民の日常生活用品、食料品を扱っていた。それを眺めたり、
また、変わった現地用品を物色するツアーメンバーの主婦達にとっては、お互いが品定めしあって物色することがかなり愉しいこと
のようである。偶然ツアー仲間となって、そろそろ互いの人柄が知れるようになると友人気分で連れ立った旅先のスーパーでの買い
物を楽しむなど、全く好もしい風景のように思えた。
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