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この「世界旅」シリーズを書き始めたのは初めて東南アジアを知りたいと思い、マレーシアの
クアルランプールへ行って来た頃だった。
それ以前に中国を旅したことがあったが、その頃はまだ旅行記を書く余裕も無く、少しばかり
の写真をアルバムに貼り付けていたのであった。思えば中国は、先ず北京を知ろうと出掛け、「
万里の長城」や「故宮」を見、西安、上海を廻って帰ってきたのが最初だった。香港にも2泊程
度の度を経験したことがある。そして中国南部を巡ろうと思い立ったのは丁度20世紀に突入し、
中国が新しい世紀の注目国として発展を期待されて勢いづいた頃であった。当時新中国の顔役特
区として日本の経済界にも数々の話題を齎していた深センを訪れるオプションにも期待したので
あった。
平成13年6月の旅であった。私とはなが選んだのは近畿日本ツーリストが企画していた「昆
明・桂林・広州5日の旅」である。
今思い出しながら、懐かしくその旅をたどる。今再び訪れる思いをいだきつつ、現地の今を資
料で確かめながら――。
1.出発―昆明へ―
当時昆明へ飛ぶラインは関西空港からに限られており、羽田から国内線で出発する私達は関西
空港で出国手続きをする為一旦乗り換えなければならなかった。
そのため私達はJR中央線の始発電車に乗らねばならず、ガラガラとミニスーツケースを引っ張
って家を出たのは早朝4時20分であった。まだ眠ったままの街は静まり返っていたので、「ガ
ラガラ」と響くその音はいかにも気になり、二人とも「持って歩こう」と手に提げて西国分寺駅
までの道を歩いた。
旅立ちの空は梅雨そっちのけの青空で、初夏の陽射しが車窓に写る高いビルを照らしはじめて
いた。川崎から京急に乗り、羽田発7時30分の日本エアシステムJD−513便に乗った。
関空では近畿日本ツーリストの職員が待ち受けて案内してくれたが、参加者は日本各地から
集まって来るのでグループ編成は昆明の空港に到着してからとのことである。
関西空港は現役の頃の出張で使ったことがあったが、2年振りであった。しかし不安だった出国
手続きもスムーズに終わり、当時の施設使用料\2,650を払って国際線搭乗口に向かい、9時40分
発日本エアシステムJD−233に乗り込む事が出来た。
機が日本列島を離れ、洋上を飛んで大陸に掛かる頃、昼食が配られた。美人ぞろいの
JASアテ
ンダンス達が優しく声を掛けてサービスしてくれることに、見知らぬ周囲の人々の中でポツンと
していた気分が解れやっとホットした気分になったように思う。
どのあたりだろうか、と、食事の後に窓に顔を付けるようにして上空からの中国大陸を眺めて
見たが、生憎雲の切れ目が長く続かず、次第に厚くなっていくようで残念だった。案の定、機長
のアナウンスで気候の状態が悪いことが告げられ、機は暫く大きく揺れを繰り返した。隣に座っ
ていたはなは何気なく機内誌を見たりして過ごしているようだったが、私は少々頭痛を感じて暫
く眠ることにした。
5時間の飛行である。時差は日本より1時間遅い。
ひと眠りして気が付くと機はもう高度を下げ始めたのか、彼方に白い雲は見えるのだが晴れた
空が窓の外に広がっていた。最早昆明の空港に近づいて眼下には緑の山々が、そして茶色の大地
が眩しく光って見えるのだった。次第に川や沼地も見え、日本からかなり南下したことを象徴す
るように南国らしくヤシの森がはっきり眼に映った。
私達の飛行機は滑るように昆明空港に着陸した。旧い昆明国際空港は、2012年 6月に閉鎖(廃
港)され、この「昆明長水国際空港」が2012年 6月28日に開港したのである。中国でも有数の国
際空港の一つである。現在では昆明は既に東南アジアのハブ空港としても機能しており、関西、
ソウル、バンコク、チェンマイ、シンガポール、ハノイ、ビエンチャン、ヤンゴン、マンダレー、
マニラ、遠くはデリーなど多くの便が発着している。
晴れていて良かった。デッキを歩きながら見る昆明空港は近代化を終えたばかり、大きな国際
空港そのものの感があった。通路から見える白いコンクリートの構内施設のあちこちにも、沢山
のヤシの木が植えられ、それだけでも南国に来た感があった。
昆明はサバンナ気候地帯の緯度にある。
2000m近い高原に位置するため温帯夏雨気候に属し、年間平均気温は摂氏15度で、冬温暖、
夏涼しく、中国で最も快適な気候にある都市とされ、古来より「春城」の異称を持つ都だ。年間
平均気温は14.5℃、年降水量は920mmである。
高原と言えさすがに南国の6月、陽射しの中は暑さを遮りたいほどだった。
入国手続きの後、ここで現地の添乗員が参加者グループの皆を集め点呼が行われた。大阪、名古
屋、福岡からの参加者も混じってバラエティーに富んでいたが、全員無事到着しており、早速バス
に乗って観光が始まった。
堪能な日本語が使える現地のガイド嬢が、昆明は雲南省の省都であり、雲南省の中部に位置して
いる。「昆明」の名はこの地に住んだ遊牧民族の名に漢字をあてて呼ばれるようになったものであ
ること、また、四季を通じて春のようなの気候から「春城」と、そして一年中花が絶えないので「
花都」と呼ばれることなど、説明が始まった。
私達のスケジュールは先ず、市の西側に広がる昆明湖に向かい、西山(せいざん)の観光を行う
ことであった。
市街地は広大な平地であるが、周囲は山に囲まれ西山は仏の寝姿を思わせる稜線なのだとの解説
に頷きつつ眺める車窓は、豊かな田畑が続いているのであった。
* 2.昆明湖から西山へ
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