風次郎の世界旅
   アメリカの思い出(4)
   ニューヨーク2006冬

                                                    BGM by ASSO 「虹の音色」

          (3)―ROCKETTS―

 
ロックフェラーのクリスマス飾り

  今年の異動で私が元勤務していた会社の北米CEOを任されたというKと昼食を共にすること
になったことを息子に話すと、その日に合わせて、私たちがかねがね期待していたラジオセ
ンターの『ROCKETTES』を、気を利かせて手配してくれた。
 グランドセントラルからレキシントン通りを50まで歩く。そこには私がはじめてNYに出
張したときに滞在した「ロジャースミス」というホテルがある。美術品収集家の経営する、
それなりの歴史を持つホテルで、画や彫刻がたくさん置かれていた。今はフロントのイメー
ジも変わってしまったがとても懐かしい通りだ。近くには日本の総領事館もある。
 Kのオフィスはレキシントン50の角にあり、そこも他と変わらず厳しい入館チェックが
施されていた。NYではビルへ入るのにも、いちいちパスポートを確認されるばかりかその
都度写真撮影することが当たり前のようになって世の中は変わってしまった気がする。
 彼のオフィスからガラス越しに見える向かいの、古くてそういかめしくもないホテルがブッ
シュ大統領のNYで使うホテルだとKが教えてくれた。全く私の覚えにはないホテルだった
のでちょっと驚いた。あの程度のほうがセキュリティーに行き届くのだろうか。
 オフィスを出て近くの「すし田」という、日本料理では草分けの店で昼食を取った。
 Kとは彼がデトロイトにいる頃からの付き合いだが、彼はその後3年ばかり東京勤務があ
ったのみで米英勤務が続いている。海外勤務の苦労話はどこでもつきないが、昨今はセキュ
リティーのみならずセクハラ問題も職場の関心事としてウェイトが高いようである。ちょう
ど年齢的にも家庭のこと(妻子・親子)に変化が起きる頃が、サラリーマンは仕事に油が乗
る時期と一致してしまうので、悩みはいろいろと重なってしまう。自分の過去を振り返るような
思いをしながら、せめて聞くだけでもと、耳を傾けていた。Kはなかなかしっかりした考え方
を持っている人だから、切り抜けていくだろう。大変なことは分かりきっている。

 Kと別れてからラジオセンターへ向かった。今回のニューヨークでは何と言っても
『ROCKETTES』を見るのが楽しみだった。以前から1度あの華麗なるラインダンスを
見たいものだと狙っていたので、クリスマスの特別ヴァージョンに拘った訳ではないが、
『CHRISTMAS SPECTACLAR』にうまく当たってラッキーだった。
 入場待ちの列はアメリカンAv.から5thAv.近くまで続いていて、黒人の整理係が声高に
「最後尾はここだよ!」と叫び続けている。私たちも長い列の尻尾についた。そしてやはり
荷物検査。(どこの催し物も入場の際のセキュリティーチェックは厳しい)席に着いたのは
開幕寸前になってしまった。前に大きな男の頭があって少し邪魔だったものの、中央左寄り
のまずまず良い席であった。
 ご存知『ROCKETTES』は70人の美女ダンサーのラインダンスが最大の売り物。
 今回の出し物は、開幕にサンタクロースが出てきて観客を歓迎、空からクリスマスの
マンハッタンを訪ねるといったい嗜好である。先ずは入場の際観客に渡された立体めがねで、
サンタとそりに乗ったまま夜景の世界を散歩する。そしてダイナミックなラインダンスの数々。
いろいろと衣装を変えて登場するダンサーは、背の高さだけでなく、胸や腰の厚さまで揃えた
と言いたいくらいの粒ぞろいで、上げる足の高さ手の高さまでが揃う見事さである。縦一列
になってもはみだしも無い。
 NYの人々がいろいろな形でクリスマスを楽しむ街へサンタクロースと一緒に入っていく
のだが、その随所にROCKETTES の踊りが織り交ぜられ、また年に一度の専属オーケス
トラの紹介出番もあって華やかだった。もともとレビューは大好きだ。次から次、間髪を入れ
ない音楽に乗った舞台展開の見事さとボリューム溢れる『ROCKETTES』のダイナミックな
ショウを満喫できた。
 
 ラジオセンターを出てから、マンハッタンのクリスマス飾りを見ていこうと、はなととも
にロックフェラーのビルに沿って歩いた。その正面には世界中に有名になったツリーが飾ら
れている。ビル前の池は冬中スケートリンクで賑わっている。
 ツリーはビルを背景に立てられているのだが、ロックフェラーのビルがあまり高いので離
れた場所からは思ったほど大きく感じなかった。しかし近寄ると12〜3mの樅の木でイル
ミネーションが施されてキラキラ輝いているさまはやはり巨大だ。金の星や銀の星、光るボ
ールやブーツ、リボンを架けられたプレゼントなどさまざまなデコレーションも巨大で、無
数にちりばめられた電飾と共に揺れていた。
 人、人、人ばかり。セント・パトリック大聖堂までの広場は動物などをあしらった飾り物
や木々の立ち並ぶ電飾広場になって訪れた人たちの渦である。
 5番街を歩き、グランドセントラルのホールに繰り広げられている壁飾りと天井への星座
投影を楽しんで帰りの列車に乗った。


ミュージックセンターのROCKETSの舞台
―幕開け後は撮影禁止―

     

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