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 風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No308
                                                                                                 

                                  
                                              八ヶ岳春(22・05)   

           山麓にも春(2)                                               2022.5

                      5日間の滞在であったが、予報された雨は思ったより少なく、殆ど日中は晴れ間が
                     あり、夕方に曇って、時に夜雨が降る程度だった。毎日屋外に出て、何かと作業をす
                     るには好都合だった。
                      畑は苗の植え込みなどを初日に終えたので、畝の草取りをしたり、列を治したり程
                     度の手直しや見届けを続けた。
                      夜はまだ冷え込んだので、炬燵をかけて過ごしたり、居間にはストーブも炊いたが、
                     霜が来なくて良かった。畑に植えた苗が根付くまで何とか、霜を避けたいところだ。

                      3日目の4月30日には、早朝から快晴になった。夜半に里で降った雨は山では雪
                     だったようで、姿を現した八ヶ岳は上半分が新雪を冠り朝日に輝いて見えた。
                      寒かったから手袋と厚手のジャンバーをつけて、起き抜けに家を出た。
                      八ヶ岳の裾から登る太陽の光が、立ち上るように照らし出すまだ静まった高原の朝
                     の街並みを、部落の西側にある我が家の墓まで歩いて行った。
 
                      東向きの斜面にある墓地からの眺めは、久しぶりに青空の下に広がる八ヶ岳の峰々
                     が北に続く蓼科山や霧ヶ峰まで白くなった稜線を連ねている。太陽の上る八ヶ岳の南側
                     には、遠く甲武信岳、金峰山、そして富士が連なって、さらには南アルプス鳳凰三山から
                     甲斐駒ヶ岳まで見渡せるのであった。
                      眺めつつそこに立ち、いずれ我が身もここに在所を委ねる時が来るだろうことを思
                     うに、不足はないと思った。それにはまだ少し早いか、とは思いつつも―――。

                      快晴の陽は一日中とても暖かく射した。
                      その日の昼頃、入笠山の麓に住む旧友の K君が来た。彼とは小学校の同級生である。
                      昨秋に枝払いした寮の庭や白樺林の廃材を処分してもらうことを頼んだので、様子を
                     見に来てくれたのだ。彼の家では居間に薪ストーブを炊いているので、薪として使って
                     くれるとのことで助かった。
                      まだ緑に変わらない枯芝の上でコーヒーを飲みながら、しばし昔話や世間話をした。

                      芝はまだだが、雑草は逞しく、土手の道際の草も、林の下草も草刈り機を入れて第
                     1回目の草刈りをした。近所から聞こえてきた草刈り機のエンジン音に誘われて、と
                     言うのが本音だが。
                      一通りやり遂げると如何にもさっぱりと綺麗になった感じが漂う。清々しい空気を
                     吸ってひと汗搔くのは、勤労の恵みと言えようか――。

                      次の日は妻はなと一緒に、町営の健康センターにある温泉に浸かりに行った。また、
                     古家南天寮の押し入れから始末しなければならなくなった古い布団類を山ほど引っ張
                     り出して、車に詰め込み町の処分場に運んで始末を依頼するなどした。

                      次第に南天寮滞在も、コロナ禍前に戻って行けそうだ。夏には古い友達が少しづつ
                     集まってくるだろうか――?
                      季節の営みを有難いと思う。
                                   
                                                                 風次郎               

  


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