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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』 No307
八ヶ岳春(22・05)
山麓にも春(1) 2022.5
コロナ禍が少し下火になってゴールデンウィークは制限が解かれ、お出かけ気分が
許されるようになった。
諏訪地方は7年に一度という諏訪大社の「御柱祀り」の年で、一年通して祭り行事
が行われるのであるが、「山出し」という御神柱を御柱山から里まで引き下ろして来
る4月の行事は、人出を警戒して中止され、トラックで里の御柱屋敷(5月の里引き
行事までの間安置する処)に運ばれた。「里引き」という街道筋を諏訪大社まで曳い
て行き、社の四隅に立てるまでの行事は、氏子参加で行われるとのことで、3日から
5日正にGW真っ只中は東京からの道路も大混雑が予想された。
それを案じて、我が家は「里引き」見物は割愛して、4月の28日から南天寮に出
かけ、5月2日までの間に冬の間散らかった庭を整理したり、小さな畑の手入れをし
たりした。
久しぶりに愛犬スピカも同乗して妻はなと3者揃って下る28日の中央道は、新緑
の芽吹きの時で、車の流れも順調に快適であった。山梨に入って眺める南アルプスは
少し雲がかかった中に例年よりやや雪の残る量が多い山稜が見えた。
南天寮からの八ヶ岳はすっかり雲に覆われていたが、里は薄陽が射していて作業に
差し支えない、時期を失っしないように心がけようと農作業に取り掛かった。
前回来た時、ひとまず畑を耕し、早生えの草を除いたところへ庭の焚火の跡から
灰を撒いて畝を立ち上げた。まだ少し早いかなと思いつつ、前回先に植えた葱の苗は、
薄霜もあったにかかわらず無難に根着いており、安心した。
早速農協の販売所に出向き、カボチャとユウガオの苗を買ってきて、弦を這わせる
土手に近い所へ植えた。海抜1000mに近いこの辺りでは、5月いっぱいは遅霜の
来ることがあるので、根付くまで若干の不安があるのだが、時期を失っする訳にはい
かない。
畑の中央の畝には、昨年採ったジャガイモの中から適宜なものを選び、包丁で半分
にして丁寧に木灰を塗り、浅埋めにして並べた。
前回蒔いたトウモロコシの種の芽は出たが、まだ植え替えるには小さすぎるようだ。
あれやこれや、次第に畑が整っていく。
黒土にまみれて畑で過ごす時間は穏やかで清々しい。大地の鋭気が、身体に刺激を
もたらすようでもある。
連れてきた愛犬も、庭先のまだ枯れたままの芝生の上でのんびり寛いでいる。時々
ヒヨドリが数羽でピ――と鳴きながら立ち木に寄って来たり、離れたところの道路を
行く車の音がするくらいで、とても静かだ。
*
夕方になってもその日は雲が無くならず、むしろ少し気温が下がってきた。雨の予
報が出て、明日は降るらしい。
芽吹きの山は淡い緑の展開であるが、青空の下でその広がりを眺められるのは、そ
の後になるだろう。
風次郎