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3.ニルゲンフラワーパークとセティー湖
NILGEN FLOWER PARK(ニルゲンフラワーパーク)
海の近くの小さい、と言っても荒涼とした砂地の原野であれば地平線まで続く平地の中であ
り、区切りは分かりにくいのだが、そこで焦げた「グラスツリー」の沢山立っている姿を見た。
どの平原でも毎年火事が有り、グラスツリーはブッシュと共に焼けてしまうが、その芯は再
び生命を吹き返すのだという。
当然のことながら公園に指定されていることであれば火の扱いは厳しく規制され、来場者の
花火も禁止されている。火事の原因は殆どが自然発火だとのことである。
この公園には重要な文化財があった。
LAKE THETIS(セティー湖)の「ストロマトライト」
ここで私たちは「STROMATOLITES=ストロマトライト」という世界最古の生物と言われるもの
を観た。私にはこの知識も無かったからとても興味深かった。
オーストラリア以外にも化石となったストロマトライトは、世界各地で発見されるが、現生
のものはオーストラリアのシャーク湾(ハメリンプール)やここ「セティス湖」など、ごくわ
ずかな水域でしか発見されていないとのことであるから貴重なものである。
藍藻類は原始的な細菌で、過酷な環境でも生息でき、光合成により酸素を放出した生命体と
いうことで地球の生成上も二酸化炭素により氷結した時代を終了させた貴重な存在である。ス
トロマトライトは、海水域・淡水域の両方、地球上のあらゆるところにあったそうだ。確かな
ストロマトライトでもっとも古いものは約35億年~27億年前のものと判明している。
したがって、先カンブリア時代には世界各地に存在し、地球に大量の酸素を提供したとされ
る。しかし、先カンブリア時代末期(6億‐8億年前)になって、ストロマトライトを餌にす
る生物が出現したためその数は大きく減少したのだという。
だが、砂漠に囲まれた閉鎖的な海域で、水の蒸発が激しく、潮流が緩いこのオーストラリア
の地域や、メキシコのクアトロシエネガスは、外海の海水よりも塩分濃度が高い海岸部である
ためにストロマトライトは生存しつづけているのだ。
塩分濃度が高く、藍藻類の捕食者となる貝類や甲殻類のみならず、ストロマトライトの生存
を阻む他の生物はほとんど生息できないのである。
このことを解説した看板があった。私はそれを丸ごと写真に撮った。文明の利器は実にあり
がたい。
☆ ☆ ☆
『ストロマトライト(英: stromatolite)』は、藍藻(シアノバクテリア)類の死骸と泥粒
などによって作られる層状の構造をもつ岩石のことで、特に、内部の断面が層状になっている
ものを指す。
1.藍藻類が砂や泥の表面に定着し、日中に光合成を行う。
2.夜間の休止期には、泥などの堆積物を粘液で固定する。
3.藍藻類は呼吸するために上部へ分裂し、翌日には再び光合成を始める。
この繰り返しで、ストロマトライトは徐々にドーム型に成長するのだが、成長速度は非常に
遅く、1年に数mm程度である。なお、ストロマトライトの断面にある縞模様から、当時の一日
の長さが推測できると言われる。
古くからこの岩石の存在は知られていたが、1883年にJ. ホールがそれを「クリプトゾ
ーン(Cryptozoon)」と名付けた。しかし当時は、これらが生物によりつくられたものかどう
かは不明だった。その後、似たような構造は「エオゾーン」や「コレニア」と呼ばれた。
1908年には、E. カルコウスキー (Kalkowsky) が縞状炭酸塩岩を、ギリシア語の
stroma
(bed cover)と lith (rock) から「ストロマトライト」と名付けた。19世紀後半から20世
紀初頭にかけて、このような縞状の岩石が様々な呼び方で呼ばれたが、カルコウスキーはそれ
らをまとめてストロマトライトと呼ぶようにした。この頃、これらの岩石は藍藻類によって形
成された化石だと言う学者も現れたが、ストロマトライトは淡水域・海水域の両方で形成され
たとは考えられていなかった。
1960年ごろになると、オーストラリア西海岸のシャーク・ベイ(今回訪れた「LAKE
THE
TIS」より北方500km )の内湾ハメリーンプール海岸で、現生のストロマトライトが発見
された。その場所は砂地の浅瀬で、その表面は真っ黒色であるが、頂部だけがオレンジ色に変
色し岩石質である。この黒い着色物の詳しい検査によりシアノバクテリアであることが明確に
なった。
☆ ☆ ☆
だがこの発見は、現生ストロマトライトと化石ストロマトライトを区分するかどうかという
ことで、ストロマトライトについての定義をあいまいなものにすることになってしまった。
その後、ストロマトライトについての研究は大きく前進し、多くの研究成果が出たが、スト
ロマトライトについては未解明な部分もあり、今後それについての解釈が変わる可能性も否定
できないとされている。
いずれにせよ、地球に酸素をもたらした最初の生物であり、私たちが利用している鉄はその
酸化活動による太古の遺産であるということである。
ストロマトライト 塩に侵された砂丘地帯
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