風次郎の世界旅
   南フランスからパリ2007秋
   
   

                                                    BGM by ASSO 「虹の音色」

    
   朝のドゴール空港 

          16静かに帰国

              帰国の遅延について、日本時間を見計らって、早朝に東京の保険会社に念のた
             めのTELを入れた。おおよその手続きは問題ないと思っていたのだが、海外旅
             行で保険を使うのは初めてなので大事をとった。旅行者の田川さんと必要書類の
             取り付けを打ち合わせた分で心配なく収まった。

              いつもの通り散歩のつもりで外に出てみたものの、空港の周辺は車両用道路ば
             かりで殺風景だ。まだ活動開始前のバスやタクシーが動かずにいるのを見るばか
             りであった。
              それでも、ドゴール空港は以前来たときよりターミナルをひとつ増やしており、
             シャトルシステムもVALと愛称がつけられ新しく変わっていたので、一通り歩
             いてみることにした。
              世界有数の巨大空港であり、ヨーロッパ各地を繋ぐ基地である。他の用途に使
             っていた施設を改装して新設された第3ターミナル行ってみたが、閑散としてい
             て興味をそそるものも無く、またVALに乗って移動する。第1ターミナルはド
             ーナツのような円形ターミナルの外側に、2階から7つのサテライトが突き出し
             た機能的でユニークな形をしたターミナルである。円の中心部分に設けられたエ
             スカレーターで3階の乗客税関、荷物扱スペースと1階のチェックインスペース
             を結んでいる。VALは2階に着くが、第2ターミナルとの間は長いテラスでも
             継がっており、昨日はそのテラスを歩いてホテルへ行ったのだった。
              早朝勤務に出る制服の航空関係スタッフの姿が彼方此方に見えた。日中は人種
             の坩堝と化すショッパーズもまだ眠りから覚めてはいない。仕方なくターミナル
             2に戻り、昨日来見慣れた駅ホームに近いショップのカフェで椅子にもたれてコ
             ーヒーを飲んだ。時間とともに空港は賑わっていった。それにつられて「いよい
             よ今日はかえるか!」と心に呟き、部屋へ戻った。
 
              ibsホテルの食事は空港のホテルらしくいたってビジネスライク。しかし、仲間
             は1日余計に過ごしたフランスの余韻をどこと無く楽しむ感じで、もう旅慣れた
             風情に見受けられた。私もはなと食後のコーヒーをゆっくり飲んだ。
              集合といっても空港隣接であるから10時、実にゆっくりと荷物整理、メモ整
             理を行い備えることが出来た。田川さんはさすがに、「今日は何も無くてくれな
             いと」と嘯いて、BAの発着案内を眼で追っている様子だった。勿論私たちの中
             にも、もう一度搭乗機無しを希望するものはいない。搭乗券が渡されロンドンへ
             向かうゲートへの決定を見たときはホッとしたのであった。

                 ○

              ヒースローで14:35のBA−0007が間違いなく定時出発だと確認でき
             たときも同じ思いだった。
              待ち時間には高いポンドと睨めっこしながらコーヒーショップで昼食をとり、
             はなや友人のMさん、Hさんはロビー周囲のショップで最後の買い物を楽しんだ。
             皆、結局は子供や孫のものだと笑っていた。
              周囲には日本人が多く集まるようになり私も次第に緊張の和らぎを覚えるのだ
             った。
 
              パリからヒースローへの便もまた、それから成田へのフライトもスムーズに行
             って良かった。
              体調も良かったし、満足に終わる旅の機中は食事と眠ることが楽しみなばかり
             になる。最近はパソコンで気に入った映画を見たり、音楽を聴いたりしていると、
             機中も殆ど退屈しないで過ごせるようになった。DVDを3枚持っていったが、
             今回はノーベル賞で話題になったゴアの「不都合な真実」を見ただけで終わって
             しまったくらいだ。

              ロンドン・ヒースローを午後1時に飛発てば殆ど明るい空を飛び続けて成田に
             午前中に着陸する。
              つらつらとこの旅を振り返りつつ、思い出を辿って過ごした。もうそんなに飛
             んだのか、と思ううちに成田に着いてしまったという感じだった。というのもフ
             ランスの秋は本当に美しかった思いが持続していて思いにふけっていたからだろ
             うか。 
              私たちにはアクシデントで1日旅が長引いたことも、今回はむしろ幸いした旅
             であった。
              パリの美しさに魅せられることは万人変わらない。あらためて大戦末期、パリ
             開放のときドイツ軍に在りながら、美しい街の破壊を抑えたディートリッヒ・フ
             ォン・コンティッツ将軍(名誉パリ市民)の心境を理解することが出来る。
              南フランスの自然美に憬れた画家たちの存在したことを充分納得できる旅でも
             あったし、プロバンスからノルマンディーにかけての農業地帯の拡がりをバスで
             走って充分確かめられた。
              この国がファッションのパリに代表される華やかさの後ろ盾を、農業という地
             に着いた産業がしっかり支えていることを眼で確かめたことも意義深いことと思
             う。
              であれば、パリよりも北のフランスはどんなであろうか。との興味がまた次へ
             と沸き跳ねる。
              旅はとてもいいものだと思う。

              午前の成田到着はとても静かな感じがした。東京の日中も旅から帰った私たち
             にはとても静かで、落ち着いているように思えた。         (完)

                                                                風次郎


ヒースロー空港のトランジット待合

       『風次郎の世界旅』 トップページへ
       南フランスからパリ2007秋topへ
       風次郎の『八ヶ岳山麓通信』へ
       風次郎の『TOKYO JOY LIFE』へ