風次郎の世界旅
   南フランスからパリ2007秋
   
   

                                                    BGM by ASSO 「虹の音色」

    
   レンヌ駅進行方向 

          11 パリ・ベルシーにて

              PGAの特急は快適に走った。パリまでは約350キロ。
              しばらくの間は外の夕暮れの風景が眺められたが、沿線の灯かりが飛ぶだけの
             車窓になると仲間との談笑に花を咲かせることになった。
              旅は道連れ。人はたった数日の一緒の生活で楽しい思い出を共有しただけで、
             とても親しくなれるものなのだ。2時間の列車の旅も添乗員の田上さんに「もう
              降りますよ」と声をかけられるまで瞬く間だったように思う。列車はモンパルナ
            ス駅のホームに入った。いよいよパリである。

             初めてパリを訪れた時、滞在したのはモンパルナスとイタリア広場の中間サン
            ジャックのホテルだった。そこから毎日モンパルナス駅に来て、帰りはモンパル
            ナス墓地の著名人の墓を眺めたり、モンパルナスやサン・ミシェル通りのカフェ
            を羨望の眼で見て歩いた思い出がある。そんな意味では懐かしいパリ着であった。
             まだ街路樹が紅葉の真っ盛りで、淡く漏れる店の灯かりに滲むその色がセンチ
            メンタルを呼び起こすのであった。
             今回のホテルは新開発地区ベルシーにある。
             バスがモンパルナス墓地の壁に沿った通りを東に向かい、アゴラからサン・ミ
            シェルを通っているのが良く分かった。
             やはりパリに来ればそのネオンに心浮かれる。都会の華やかさに触れてホッと
            したという本音も混じる。都会の現代っ子に馴染んでしまった証拠なのかも知れ
            ない。
            やがてセーヌ川を見、オステルリッツの駅から橋を渡ってベルシーへ着いた。
 
             ホテル「ソフィテルベルシー」に到着すると、そろそろ「日本食も恋しい頃で
            しょう」と口上があって、田上さんから十字屋のおにぎり弁当が配られた。はな
            と友人たちが一緒になってお茶を入れてくれた部屋で、皆でおにぎりの夕食を楽
            しんだ。「成る程日本もの!」と言う味がした。そして食後は、グループになっ
            てホテルの隣のショッピングアーケードを散歩した。
             アーケードはもとワイン工場の倉庫を改造したレンガ造り、カフェ街は「ベル
            シー・ヴィラージュ」というパリの新しいチャームポイントになっているらしい。
             週末を楽しもうとに繰り出した若者で溢れていた。
             ベルシーには地下鉄の新駅もでき、シネマコンプレックスも併設されており、
            ホテルの隣は国際商品博覧会場に使われた巨大なビルディング。また周囲には古
            くから自然が残された広大な緑地公園もある。パリの新発展地域である。

                     ○

             朝ホテルの近くを歩いた。ベルシー・ヴィラージュと巨大な博覧会ビルの間に
            は、私たちの泊まっているソフィテルのほかにイビス、レジダンス・パリと2つ
            のホテルが並んでいた。
             セーヌ川の土手に登り右岸の川沿いに下った。
             良く観ると対岸に数年前泊まったのホテルが見えた。その頃はまだ毎朝のジョ
            ギングを欠かさず旅行に出ても必ず走っていたので、橋を渡ってきてリヨンの駅
            を見、バスチューユからシテ島までに行った思い出がある。その時の帰り際、丁
            度ベルシーのスポーツセンターを通ったので良く覚えている。
             スポーツセンターは、ベルシーの大きな緑地公園の一番下流側、対岸のケ・ド
            ・ラ・ガール駅へ向かうベルシー橋の袂である。地下鉄が橋を2重にし、道路を
            跨いだユニークな形の大蔵省の建物と重なって見える奇妙な風景の場所だ。
             懐かしかったのでリヨンの駅まで行ってみた。あの時の旅ではジュネーブから
            やはりTGVに乗って夜のリヨンに到着したのであった。
             私は駅のコンコースからブリッジになった通路を越えて、早朝で人気のないシ
            ョッピングセンターを通り、再び河岸へ出た。道路からさらに川の流れの脇には、
            市長の肝いりだと言われるサイクリング道路ができていた。
             スポーツセンターを廻って緑地公園を抜けきり、昨晩そぞろ歩いたベルシー・
            ヴィラージュからホテルへ戻る頃は、もう地下鉄の出口から博覧会ビルのオフィ
            スへ向かう人たちのラッシュが始まっているのだった。
         


ベルシー公園

                                                                風次郎

       『風次郎の世界旅』 トップページへ
       南フランスからパリ2007秋No12へ
       風次郎の『八ヶ岳山麓通信』へ
       風次郎の『TOKYO JOY LIFE』へ