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風次郎のColumn『東京ジョイライフ』  
   No26(T-009)
 
幼稚園のかけっこ

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                                                     2007年10月14日
 幼稚園の運動会
                                                    風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp
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                 町田に住む孫娘が通う幼稚園の運動会があった。
                 お盆の頃から練習が始まると、電話の都度「必ず見に来て!」と約束を続けてきた
                から外す訳にはいかなかったが、よく晴れた秋の陽のなかで可愛い子供たちの元気な
                姿に触れて楽しかった。
                 孫娘は3年保育の年長組。幼稚園では今年最後の運動会となるから、各園児がそれ
                なりにグループの代表となる出番が当てがわれており、子供心に大いに張り合いな晴
                れ舞台そのもの。パレードの前の方に並んでシンバルを音高らかに鳴らすのが孫娘の
                役割、無事任務を果たして思い出を胸に収めたであろう。
                 たくさんの子供達にそれぞれプライドを持てる役割を工夫される保育士の先生方に
                は感心させられる。
                 運動会といえばどうしても「かけっこ」が基本メニューでその勝ち負け順位は関心
                の的である。人の運動神経のバロメーターのように注目される番組だ。
                 しかし、このやり方は明らかに変わってきた。
                 かけっこで晴れがましいのはリレーであるが、伝統的に対抗戦があり、いろいろな
                チーム編成が行われ、その選手になることも運動会での夢のひとつではあろう。
                 そのリレーも工夫され、全員参加型のクラス対抗リレーなどが多くなった。リレー
                は大きなグループになれば成る程結果は平準化され、飛び抜けた優劣は時の運のよう
                にファジーである。見ていても順位による悲壮感はなくなった。
                 ただ、勝負追求意欲がなくなると全く面白くなくなる。勝つ為の生活の知恵は必ず
                必要なのだからその訓練は大いに必要な運動会だった、と私は思う。が、昨今の運動
                会は「運動をして愉しむ」というふうに「第一義」が少し変わったということだろう。
                 年少児のかけっこは15mの直線であった。まだ最も幼い園児たちは笛の合図でま
                すぐ走り、ゴールの線で待ち受ける担任の保育士の胸に飛び込み、そして抱しめられる、
                というかけっこだ。何という微笑ましいレースだろうか。
                 いたいけな子供たちが我先に担任保育士に抱きこまれる風景があんなに胸を熱くす
                るものとは予想もせず、素晴らしい番組の印象を受けた。
                 この保育園の基本の姿勢を見せ付けた一コマのようで、この世界の確かな教育の存
                在を見つけたように思った。

                 家庭にあっては、幼い子供たちの無垢な心は親の胸に飛び込むことだと思う。
                 丁度9月の終わりに聴いたマークス寿子氏の「英国事情」の話のでは「英国には3
                才までの保育所は認めない法律がある」とのことである。
                 わが国では0歳児からの保育が育児の充実のように吹聴されるきらいがあるが、
                自分を育て、身を委ねる人に身を投げて抱かれる子供たちの素直な姿は家庭に最も
                多く映し出されるべき場面でなければならないことを思ったのである。

                                                                  風次郎

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