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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No365T−86)
     
                                                   ボケの実                                                                                                 

                                                                                   2014年9月
          東東京楽歩(No86)

                       秋の訪れ
              
                                    空が高く見えるようになったと思う。
                                   地上からモクモク盛り上がる雲に代わって、青空にたなびくやや横長の雲が秋のし
                                  るしだ。すじ雲が引かれる日はまだ少ない。
                                   日中はまだ強い日差しを感じる程であるが、東京でも暑さは苦にならなくなった。

                                   1日中家に居ることが多くなった。職業人を捨てた具象とでも言うべきか。
                                   このところ在宅で家内や愛犬Supikaと一緒に過ごすにも何となくリズム感が
                                  あると思えてきた。慣れるにも時間がかかったのかと思う。ゆったり気分も味わえる
                                  ようになった。
                                   朝晩のSupikaとの散歩は日課になったが、時々ははな(家内)も共に総勢連
                                  れ立って家族??で夕方の買物兼散歩を楽しむ。
                                   生活の中に季節感を味わう寛ぎのひと時である。
                                   はなが押し花アートに親しんでいることもあって、ご近所の庭を覗きこんだり、公
                                  園の木々を眺めて過ごす。覚えた花木の名前も随分増えた。

                                   天気の移り変わりが季節感を狂わせた今年の場合ではあっても、夏から秋へ、自然
                                  の移りは割合にはっきりしていることを知った。日毎に変化している時間の経過、季
                                  節の進行の着々とした様を観たように思った。
                                   花や実の時期に多少のズレはあっても、その順番を違えることは無く、予期したよ
                                  うに進んでいるのだと。
                                   冬が寒かった。そして夏の始まりも暑かった。だが、その為か、新緑の頃のアブラ
                                  ムシも家の近くでは殆ど見なかったし、新緑を荒らすアメリカシロヒトリなどの害虫
                                  も少なかったように思う。
                                   だから花は美しく、暑くも緑濃き夏だったと思う。収穫は思いの外順調と聞く。

                                   夏の花が終わって秋の花に代わり、実をつけるべき木にはそれらしい実が見られる。
                                   実にも小ぶりで丈が低く垣に並ぶものから、柿や蜜柑のように立木に比較的大きな
                                   実をつけるものまで様々である。
                                    垣に並ぶものたちは、スグリやグミのように春の花の後に小さな赤い実をつけて終
                                   わるものが多い。また高木で春に花を楽しませてくれたあと実をつけるものには桜が
                                   ある。花の魅力はあまり語られないが、エゴなどもそうだ。サクランボを例にとれば、
                                    早い季節に実る果実はいずれも小さいように思う。

                                    それを家々の庭先に見るとしても、秋こそが果実の季節であろう。
                                    身近では、柿は涼しさと共に大きさが目立ってきて、蜜柑は少しずつ玉の黄色が増
                                   してきている。
                                    ただ、これらの花は夏場に咲いてもそう見栄えのするものではなかった。蜜柑の花
                                   はこじんまりとしているし、柿などどうにか花と言えるほどの形のものである。
                                    恐らくこれらはその実の在処によって自己主張をするといった使命を担っているの
                                   であろうか。花が美しすぎると、花を愛でそれを手折ってしまい立派な果実を達成で
                                   きないから果実種の花はすぐれないと聞いたことがあるが、本当かも知れない。

                                    そんなことを考え巡らしながら歩いていると、垣の中に立派なボケ(木瓜)の黄色
                                   い実を見つけた。これは一概の判断はつかない証か。
                                    ボケは春に深紅のとても綺麗な花をつけるのだから。
                                    そうか、こちらには強烈な棘があってのこと、邪魔を除けているのであろう。
                                    野のボケでは、駆け巡った少年の頃随分怪我をさせられたっけ。

                                    季節が楽しめる散歩も日課の味わいのあるリズムのひとつになった。ささやかな楽
                                   しみである。

                                                                                  風次郎      

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