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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No355T−78)

                                             ANA HolidayInn青島                                                                                                    

                                                                                   2014年6月
          東京楽歩(No78)

          南九州を巡る旅(3)青島 

                                 青島ではANAホリデイインリゾートへ泊った。
                                 白いアーチ型の外観がリゾートの雰囲気を醸し、全室が海辺に面した客室は、大きな
                                窓から目の前に青島が見えていた。
                                 丁度宮崎の象徴と言われる巨大リゾート施設シーガイアに接した位置にあり、私たち
                                の部屋からもサンマリンスタジアムが望めた。後で聞いたらシーズン開幕時には、巨人
                                軍がキャンプに訪れ、このホテルが宿泊所になっている由であった。
                                 広いホテルの庭の先には子供たちの為の遊園施設もあり、リッチな家族での滞在も楽
                                しめるのだろう。開放的な感じの良いホテルだった。
                                 夕食の時間が調整できるということなので、少し遅らせてもらい、サウナも使って温
                                泉気分を味わうことにした。
                                 大浴場は海に面した3階で、ゆったりと、殊に露天風呂からは松とフェニックスの林
                                越しに、砂浜と煙った青島が見えた。
                                 最早夕闇の押し寄せる時間なのに、そしてまだ季節としても早い時期なのに、やや荒
                                れて白波の立つ浜辺には、元気の良いサーファーたちが器用にボードを操って波乗りを
                                楽しむ風景が眺められた。
                                 食事は広い会場で大勢の宿泊客に紛れて旅行気分が楽しめた。
                                 私はこのところ少し進むようになった日本酒を戴き、海鮮と地元の宮崎牛の鍋をはな
                                と二人で舌鼓して食べた。

 
                                 翌朝の観光は青島からだった。小雨の中のスタートだったが、幸いにして、全く思い
                                の外、青島へ渡っている間だけのように雨風が止み、神の御利益のようだと一行は喜ん
                                だ。

                                 バスを降りて海水浴場になっている手前から、私たちは「弥生橋」を渡って行った。
                                 青島は有名な奇岩「鬼の洗濯板」で囲まれた周囲1.5kmほどの亜熱帯性植物が多
                                く茂る小さな島である。
                                 島内にはビロウジュをはじめ、自生および栽培の種子植物、それにシダ植物が生殖し
                                ている。これらは大正10年「青島熱帯性植物産地」として天然記念物に指定され、昭
                                和27年(1952)には「青島亜熱帯性植物群落」と、名称変更して特別天然記念物
                                に指定されている。中でもビロウの大群落が特に貴重なものとのことである。

                                 このような熱帯性及び亜熱帯性植物の植物は、本来ならばここ辺りの高経度の場所で
                                は寒さにより枯死するのであるが、学者により理由が解明されている。一つは海着帰化
                                植物説といい、島の沖を流れる黒潮によりフィリピンや沖縄方面から南方系の植物の種
                                子や生木が漂着し繁栄したというもの、もう一つは、第三紀前に日本で繁栄した高温に
                                適する植物が気候、風土、環境に恵まれたこの場所に取り残されて今日まで繁栄したと
                                いう遺存説で、現在では後者の遺存説が有力視されているとの説明を受けた。

                                 一方、青島には青島神社が祀られ、昨日の高千穂神話に続く神の国の物語が由来して
                                いる。
                                 天孫として高千穂に降臨したニニギノミコトは、薩摩半島の笠沙岬で出会ったアタツ
                                ヒメ(コノハナサクヤヒメ)と恋に落ち、その結果生まれたのが海幸彦(ホスソリノミ
                                コト=火蘭降命)後の子孫は隼人であり、弟の山幸彦(ヒコホホデミノミコト=彦火火
                                出見命)後の子孫は天皇であった。
                                 兄弟仲良く、を唱える神話伝説「海彦山彦」のお話は良く聞かされたが、概ね次のと
                                おりである。

                                                           ○

                                弟の山幸彦が兄の海幸彦から借りた釣り針をなくしてしまい、海辺で困っているとこ
                               ろに塩筒大神が現れ、わけを聞くと船を造り海の中に探しに行くように言われた。山幸
                               彦がその船で海の中になくした釣り針を探しに行き、塩筒大神の言われた通り井戸のそ
                               ばの木の上にいたところ、海神の侍女が井戸に水を汲みに来て山幸彦に気付き、海神の
                               娘豊玉姫に知らせたのであった。
                                豊玉姫が父の海神に報告したところ、山幸彦は海神の宮でおもてなしを受けることと
                               なる。そしてあっという間に三年が経ち、ある日ため息をついて、そこで海の中に来た
                               訳を話すことに――。
                                話を聞いた海神は、魚たちを集めて鯛の喉から釣り針を見つけたのであった。山幸彦
                               はその釣り針を持って陸に帰るにあたり、海神から「塩満瓊(しおみつたま)と塩涸瓊(
                               しおひるたま)」の二つの瓊を贈られ、山幸彦は海神から言われた通り意地悪をしてきた
                               兄の海幸彦を塩満瓊を取り出して溺らせ、謝ってきたとき塩涸瓊を取り出して許すので
                               ある。
                                それから兄弟は末永く仲良く暮らしたのであった。
                                神話は海幸彦は山幸彦に従うことになっている。でなければ天皇が成り立たなくなる
                               からであろうか。

                                                            ○

                                青島の神社は山幸彦(彦火火出見命)が海神の宮から還幸した宮居の跡として「彦火
                               火出見命・豊玉姫命(妃となった)・塩筒大神」の三神をお祭りしているのだ。
                                神話の由来から、縁結・安産・航海・交通安全の神として、ご神威は益々輝き今日に
                               至っている由であった。
                                我妻はなも霊験あらたかなるご朱印を戴いてご満悦であった。
                                私は、境内から少し入った鬱蒼と茂る亜熱帯植物林の中にある旧本宮を拝して、海辺
                               の鬼の洗濯板を愛でつつ引き上げてきた。
                                                                              風次郎 

      
    青島への橋、と海から参詣する青島神社

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