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風次郎のColumn『東京楽歩』
(No255T−55)
一橋大ラグビー場のアジサイ 押し花アートはなの作品
2012年6月10日
東京楽歩 (55) 花に親しむ
あじさいの花が咲きはじめた。
6月の雨はしとしとと降る、という言葉通りに雨音が響くような気がする。
朝、窓を開けて、木の葉に当たる雨音に耳を澄ますと、晴れた日なら聞こえる遠く
から微かに寄せてくるような都会の音(高速道路や鉄道や、夜中絶え間ないグーンと
いったような音)が消されてとても静かな感じがする。
そろそろ梅雨入りでしょうか?
梅雨入りで始まるこの季節、初夏の訪れで次から次と咲ている花々はこの雨をさか
いに真夏の花へと彩を変えていくのでしょう。「あじさい」はその露払いのように七
変化して盛夏までドラマチックな色合いを見せ、花姿を残したまま立ち枯れて秋を終
えます。
土曜日の昼、傘を差して街を歩きました。
妻はなが押し花アートで師事しているKさんのグループが学園通りのギャラリーで
発表展示会を催しているので見に行ったのです。「花あそび」と称して、野の花、街
の花を集めて押し花にし、はがき大からB4程度までの額に自分のイメージした創作
画として作り上げるのです。
総勢20名、70点に及ぶ今年の作品が見事に並べられ、それぞれに個性豊かな美
しい表現でした。街中の道端や公園にある小さな草花がかくも可愛らしい美を持ち合
わせているのかと驚き、再認識もさせられました。
余韻に引かれて、帰りの道に季節の花の咲いている通りを選び、一ツ橋大学のラグ
ビー場脇の日本あじさいを眺め、足を伸ばして鎌倉街道の掘割の新道へ廻りました。
その歩道に沿って植えられた「ヒベリカム・ヒドコート」の雨に滴る満開の黄が鮮
やかでした。延々と続く黄色も美しいものです。
昨年はこの花を「美容柳」と思っていたのですが、調べてみると同じオトギリソウ
科ではあるがキンシバイの一種で美容柳より葉も花も小さく、乾燥に強く強健なので
街路に植えられるようになったとのことでした。
この花の群生も、これから1ヶ月は見事な花モールとして存在することでしょう。
これまで、サツキのどこか大人しく可憐な赤、紫からオオムラサキがこの道路の土
手を彩っていたのですが、夏の色、黄色も悪くない印象です。
○
梅雨は鬱陶しいが、花々は自分たちのための季節感を精一杯に受け止めて、華やか
に共生の時を楽しんでいるのかもしれない。
鬱陶しさは、晴れ間の清々しさを増幅する。
私は、信州富士見にあるアトリエ南天寮への誘うとき、余裕のある3日間のスケジ
ュールで、今のこの時期を選ぶことを、友人知人に随分と勧めてきた。
3日あれば晴れ間に遭遇して過ごすことはほぼ確実だ。その晴れ間こそ山の新緑と
清い空気と光に輝く花々に接することのできる最高のチャンスだ、と説くのである。
「―――明日から出かけて見ようか!」と、
心持を揺るがせて、家路を辿ると、大きなお屋敷の庭にこの辺りではめずらしい高
木に花をつけた「ヤマボウシ」を見ることができた。
ヤマボウシは町場ではあまり見ない。かたまりになった大きな木の葉を抜けて4枚
花弁(これは実際には花序)の花が散らばるように咲き、花の白がとても素朴に感じ
られる。
ハナミズキ(東京都花)と同属とのことであるが、ハナミズキは季節が春で、艶や
かのようにも思う。
そんな思いを巡らせながら、我が家に着くと、ブロック塀の立つ道路脇に一株の「
ツユクサ」が青を主張しているのだった。
風次郎
鎌倉街道のヒベリカム
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