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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No250T−53)
     
      木島桜谷「柳桜図」(泉屋博古館東京分室)

                                                          2012年4月29日
       東京楽歩 (53) 桜 ―泉屋博古館分室を観る― 

                           最早初夏と言うべきではあるが、不順な天候の春であった。突然真夏のような日が
                         来たり、雨交じりで寒かったり、降り方さえも気ままな春であった。
                          長年、元勤務していた会社の仲間と小金井公園で催していた恒例の「お花見」も、
                         楽しみにしていたのだが、遅い桜に負けて今年は取り止めになってしまった。
                          その後暖かくなって、一斉に開花した東京の桜は約10日の見事な花を見せてくれ
                         たので、「やっと季節の展開も普通に戻るのかな」と思わせられたが、どうして――、
                          今年の季節展開は、まだ落ち着かない感じである。
 
                          小金井の桜は楽しみを逃した。がしかし、国立の桜は昼夜とも楽しむことが出来た。
                          幸い春嵐が過ぎ去った直後にパッと咲いたので、その花は例年に増して美しかったと
                         思う。週末の賑わいは国立駅から谷保駅に至る1.1kmの大通りや交差する桜通り、
                          学園通りが文字通り見物の人で埋め尽くされる盛況だった。

                          これも、前に勤務していた会社の関係で、例年住友家の東京在所跡に開館されてい
                         る泉屋博古館分室を訪ねた。六本木1丁目の森の中にあって、そこも桜が見事だ。
                          今年は散り始める桜であった。花咲く木々の下を潜ってたどり着く、奥のスペース
                         にある博古館では、花の都京都に因んだコレクションを展示していた。
                          京都の本館は銅吹き屋であった住友家に因んで外来の青銅器などが多く壮大に展示
                         されているのであるが、こちらはこじんまりと絵画調の物が置かれて、やや気持ちが
                         軽く入場できるように思う。
                          暫しの時を過ごし眺めてきた。
                          今回の、圧巻は屏風の「桜」であった。展示室最奥の壁に立てられた屏風絵=木島
                         桜谷「柳桜図」は大正6年(1917)の作、年功の桜幹に満開の桜が広がり、その
                         下に淡い新芽の柳が波揺れる、いとも艶やかな風情の図であった。 

                          桜は日本の国花、一つ一つの花は丹精でありながら、若木、成木、老木それぞれに
                         応じた樹姿の趣を整えて咲く。また野山全体がつくる広景は、四季の装開を奏でる心
                         の鼓動を促すようでもある。
                          それぞれに美しい。

                          屏風絵は背景の朝陽のような輝きの中に、暖かい春を感じさせられる愛惜しい雰囲
                          気であった。
                           今年の春、新しく私に芽生えた日本画への興を誘われた機会、と思っている。

                           4月も去ろうとしている今日、私の住む近くの公園では都の花「はなみずき」が満
                          開である。
                           晴れて清々しい日曜の朝になった。
                                                     

                                                                           風次郎
            

         
           六本木1丁目の桜

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