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風次郎のColumn『東京楽歩』
No182(T−035)
平林寺の「もみじ」
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2010年12月5
東京秋色(3)
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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今年の紅葉は予想通り見応えのあるものとなった。天気も11月に入ってからとい
うもの大した雨の日は無く、秋らしい穏やかな晴天が続いている。
紅葉に肖って、外出することが心地よい楽しみであると言える程、何処へ行っても
色づいた木々に眼をやりたくなること、事欠かない。
しかし、街路樹や公園には橙から黄色のものが多い。
その点「平林寺」は総体的に紅葉そのもの「もみじ」の森で有名である。殊に山門
を入ってすぐに見参する本堂、僧院といった建物の並ぶ佇まいはほとんど「もみじ」
で囲まれていて見事な真紅に覆われる。今年はそこを訪れることも予定していたので
とても楽しみにしていた。
国立界隈に居を構える元の会社の同僚たちとは、11月23日の祭日「勤労感謝の
日」に「観楓会」と称して宴を持つのが恒例である。
大体が多摩川流域の料理屋でのことが多いのだが、今年は幹事の発想転換があって
埼玉野火止の平林寺南門前「むさし野」で、とのことになっていた。「むさし野」の
精進料理も「乙」であることは勿論だが、丁度色づい平林寺のもみじを楽しみの目当
てにするに難くない。
仲間は三々五々、昼さがりに集まるのである。
私も自ずから紅葉を愛で、散策をして時を「平林寺」に親しむことにした。
前夜、豪雨と言っても良いほどに降った雨は朝には上がり、空に厚い雲は残ってい
たが、上り坂の天気に安堵して、1時間の道のりと、1時間の紅葉鑑賞を目論んで家
を発つ。
朝霞台駅から東久留米行きのバスに乗る人は、ほぼ客席を埋めるほどの人数あった
が、大半が「平林寺前」で降りた。11時頃になって、朝方止んだ雨のあとぐずつい
ていた曇り空も青空を覗かせる程に回復していた。
バス停は平林寺門前に置かれていたので好都合ではあったが、寺の入口は観光客の
混雑で身動きが取れぬほどであった。
狭く、またぬかるみの生じている歩道を辿ってから、寺の案内人の掛け声に導かれ
て境内に入って行くと、案の定仲間のうちの二人と一緒になり、揃って境内を巡るこ
ととなった。
道路からの入口拝観の受付をしているところが「総門」、入った正面に二重の如く
高い屋根をかぶった門が「山門」であると言う。左手に半僧坊、山門の奥に仏殿が見
え、さらに中門、本堂と禅寺の伽藍が粛然と並んでいた。臨済宗妙心寺派、江戸幕府
老中で川越藩主松平信綱公遺言にまつわり、同家墓所とされ霊廟がある。
さればこその風格が漂い、それを包む「もみじ」真紅の紅葉は正に圧巻であった。
山門右手の順路からほぼ行列のように連なる人の列に従って小径を進み、松平家の
墓石の苔に眼をやって過ごし、さらに奥のもみじ山に向かう。
伽藍近くの池に引き込まれて導かれた野火止用水支流の穏やかな流れを見るのも良
かった。境内は国の天然記念物にも指定されているとの事である。
何処も真紅のもみじ、次第に陽射しにも恵まれ、見上げる頭上はその赤が輝いて広が
り、続いていた。時を堪能した。
「むさし野」の宴席が、風情の格調にやや引かれつつ、しみじみと人生観を語る時の
流れに至ったこともこの秋の印象となった次第である。
平林寺には、数年前、妻はなを誘って散策に出かけたことがあった。夏の始まる五
月、何故かそのときも雨上がりだったかと思う。
新緑の濡れた緑のそれも良かった。そのときは人の混雑は無く、喧騒から逃れた山
中の小経路をのんびりと歩くことが出来た。
が、秋の「もみじ」がかくも見事だとは思わなかったから、家に帰って「一緒に行
かなくで残念だった。惜しいことをした。」と言うと、はなは早速友人を誘って、2
〜3日後に出かけて行き、納得して帰ってきた。伽藍より奥の山中は4〜5日のうち
に紅をさらに深めて、私の時より優れて風情が増していたかのように聞いた。
そろそろ、美しい彩の秋は峠を越えたようだ。
平林寺では、また春は山門前の枝垂桜や僧坊から望まれる小さな梅林の花で訪れる
善男善女を楽しませると聞く――。
風次郎
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