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風次郎のColumn『東京楽歩』  
   No145(T−028)
 
一ツ橋大学講堂前の梅
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                                                     2010年3月14日
 梅とさくら
                                                    風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp
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                梅の花は香りとともに季節感に優雅さを備えた春を告げる花といえよう。
                私の家からも歩いていけるところに谷保の天満宮があり、梅と菅原道真の逸話よろしく
               併設されたほど良い梅園が、毎年見事な花を咲かせ訪れる客を喜ばせている。
                そればかりか、この近くには立川から青梅線という梅にちなんだ名前のついた路線沿
               いには里山と渓谷の合間に格好な梅林も多い。さらに多摩川を辿る先の秩父地方にかけ
               て久慈、谷地、吉野、越生など観梅には事欠かない。

                梅は、季節感のある日本では馴染みの花であるが、中国の四川省、湖北省あたりが原
               産であるらしい。
                日本には万葉の時代に記録に現れたにはじまり、その果実が文献に載るのは鎌倉時代
               のことである。
                見る人に観て楽しめ、美しさを提供してくれるばかりではない。梅干、梅酒など健康
               のためにも重宝な加工食品となる。一方、生の梅には中毒するというから気をつけねば
               ならないが。

                梅の収穫を当てにして、私の田舎では梅ノ木を植えていた。
                「さくら切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という格言?みたいなものを覚えている。
                梅は生育が活発で枝を切らないと瞬く間に伸ばしてしまい、気づかぬまま、手入れや
               収穫の困難な大木になってしまいがちだから、毎年の剪定を心がけたものである。
                ここで引き合いに出されているさくらには観賞用にすぎないとの感がある。しかし、
               さくらには方や国花であり、嘯いてそう言い捨てておけぬ存在感がある。当時、剪定仕
               事をしながら、梅ノ木から引き続いてさくらにかかるにあたり不公平感を抱いたことが
               あった。
                いまでもさくらにいささかの貫禄を感じてしまうのは日本人として致し方ないことな
               のだろうか。

                                         ☆

                谷保天満宮には1月のまだ梅の花もちらほらの頃から受験生のお参りも多い。 
                「東風吹かば匂いよこせよ梅の花 あるじ無しとて春な忘れそ」と道真が詠んだのは
               都から筑紫に流されるときだそうだから、学問の神様である天満宮に、そのごっそりお
               参りに来る受験生も、梅の花の見事な開花を願い事に添えてはいないように思う。彼ら
               に梅の花を愛でてる余裕は無かろう。みな「サクラサク」を願っているようだから。
                そのあたりにもどこかサクラがはびこっている。

                道真は梅の花の美しさを愛しみ歌を詠んだのだが、私はこの花の季節を一種の憂鬱さ
               を構えて迎えるのである。
                梅の花の美しさも香りも賞賛するが、この花が咲き始め、散ってしまうまでの間が私
               の花粉症に悩まされる期間に合致する。もっとも、最近は病状が重くなって、さくらが
               咲き終えるまでにもなりそうだ。やはり私にはサクラの花まで気になる。

                このところ、家々の紅白の梅の花を眺めつつ医師の元に足を運んでいる、その点では
               誠にいただけない花の季節ではあるとも言える。
                梅干を毎日舐めたらこの辛さが解消するといった具合にでもならないだろうか。

                                                            風次郎          


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