☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
       
風次郎のColumn『東京楽歩』  
   No47(T−020)
 
世界遺産「相倉」の合掌造り集落
中央左が宿泊した民宿「庄七」
★★★★★★★★★★★★★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

                                                     2009年6月20日
 立山への夏の旅(2)
                                                    風次郎
                                                  fuujiro@jcom.home.ne.jp
ффффффффффффффффффффффффффффффф

                 天候に恵まれ自然を巡る立山行で、もうひとつ印象深かったのは、飛騨高地、
                相倉(あいのくら)の合掌造りの家に宿泊したことである。
                 立山連峰をいただく飛騨山脈から、富山湾へそそぐ神通川、中に高山の町を
                はさんで飛騨川の谷を西に越えると砺波平野を望む飛騨高地である。
                 一帯は世界的にも有数の豪雪地帯といわれるが、その雪を屋根に残さぬ為に
                急傾斜の大屋根で造られた「合掌造り」の集落が、国の史跡に指定され、又世
                界遺産に登録されて古くからの山村のまま静かなたたずまいを見せてくれてい
                る。今まさに若葉を謳歌する真っ只中であった。
                 そこは五箇山(ごかやま)地域と呼ばれ、合掌造りは相倉と菅沼の集落であ
                る。
                 平家の落人たちが世俗を逃れて住み、吉野武士を受け継ぎ、養蚕や和紙製造
                などを営みつつ、また戦国の世には煙硝製造を行った歴史があるということだ。

                 以前、隣り合わせた岐阜県側の白川郷を訪ねたのは紅葉の秋だった。
                「白川郷、五箇山の合掌造り」として世界遺産に登録されているから、今回
                新緑のときに五箇山地域を訪れたのは、季節を違えての紀行というにちょうど辻
                褄が合うというものか。
                 本当は雪深い、いや雪に埋もれた様相の集落の方がしみじみと美しいものな
                のかもしれない。
                 宿をいただいた「庄七」という民宿では、娘のころからここに住むという、
                70歳は越えていように、今だしっかりした体つきの婦人が、岩魚を炉辺で串
                焼きにして夕食を整えてくれた。ふんだんに食膳に並べられた山菜が、山の里
                で、また山の空気とともに素直に胃の腑に落ちていくのがわかった。
                 「米もうちの田で作り、自分で精米したんだで」の言葉に、体に浸み込む生活
                の精気を感じさえした。人の営みの確かさは食を整えるにある。
                 それを堪能という言葉に置き換えようか。
                 生活の歴史というものは地に宿れば、どんなアルバム(過去)をも凌駕する
                気を映し出すものなのであろう。それを美しく感ずる囲炉裏端なのである。
                 この豪雪地帯に、この山奥に秘そんで暮らすべき時を過した人々のことが空
                想の世界に美しく展開する。寂しかったろう時は必然にあったとしてもそれを
                見てはならない世界のようにも思う。今は昔、美だけが漂えば良い。
                 残った合掌造りの建築は、只ならぬ大事業の遺産にほかならない。
                 だからこそ今日残っている。
                 現実にはその維持が大変であるらしいが――。

                 いろいろな話を聞き、感慨深かった。四季を通じて、国内外から大勢が訪れ
                るとのことだ。
                 時には、時代をはなれた気持で静かな場所を求める良さを感ずる現代人とし
                ての贅沢?も良いものである。

                                                  風次郎

メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」「東京楽歩」No21へ 
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」トップへ
風次郎の「東京ジョイライフ」ホームページのトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ