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風次郎のColumn『東京楽歩』 (No594T−145)
東急ハーベストクラブ熱海伊豆山
2019年6月
東京楽歩(No145)熱海紀行
熱海伊豆山の地にある東急ハーベストクラブのメンバーである友人に誘われて、初夏の
熱海へ行ってきた。 ホテルは緑豊かな高台に位置し、 目の前に大きく広がる青い海を眺
める露天風呂で汗を流せる格好なロケーションで快適であった。
翌日、近くの高台にあるMOA美術館を訪ねた。
特別展示は歌川広重の東海道シリーズの中から、観光イベント「ディスティネーション
キャンペーン」が静岡で開かれているに因み、静岡県内の22宿を取り上げた展示と、大
澤光民の仏像3体、そして独特な器の作品群であった。
広重展は、版元保永堂から刊行されて大人気を博し、広重を浮世絵風景画家の第一人者
に押し上げた「東海道五十三次」からのものである。彼のこの目覚ましい成功によって、
その後も「行書版」や「隷書版」など、広重の下絵による様々な東海道シリーズが出版さ
れている。
江戸時代、徳川幕府によって整備が進められた街道のうち、江戸と京都を結ぶ東海道は、
参勤交代の大名行列や寺社巡礼の庶民などが往来し賑わったのであるが、特に江戸時代後
期には、旅が庶民にとっても身近になり、「東海道名所図会」などの地誌や紀行文の盛行、
滑稽本『東海道中膝栗毛』の大ヒットなどを背景にさらに旅への関心が高まったのだとい
う。
作品には、各地の名所・名物、気候の特徴や伝承などが描かれ、当時の人々のその地に
対するイメージを覗え、何度観ても楽しい。
大澤光民は、江戸時代から鋳物業の栄えた高岡に生まれ、伝統的な鋳金技法の習得と、
焼型鋳造を中心とした技の練磨と技法表現の研究に努めた人である。一昨年高岡で街中の
記念館に歩を止めた時を懐かしく思いつつ鑑賞した。
大澤は、長年の研鑽により、銅やステンレス等の金属棒を鋳型に固定してから鋳込み、
研ぎ出すことによって器の表面に文様を表す「鋳ぐるみ」を創出し、鋳金の世界に多彩な
装飾的表現を駆使した独自の作風を確立したのである。その高度な焼型鋳造の伝統技法に
基づく、光や水のイメージによる現代的な意匠をそなえた作品は、日本伝統工芸展等で高
く評価され、2005年には重要無形文化財「鋳金」の保持者に認定されている。
展示は、大澤氏の多年にわたる制作のなかから精選された独特の表面処理と造形が美し
かった。金工の真髄と魅力と謳っていた。
MOA 美術館には兼ねがね、有名な尾形光琳の「紅梅白梅の図屏風」、と野々村仁清の国
宝「色絵藤花文茶壷」を見に訪ねたいと思っていたのであったが、光琳の屏風は梅の時節
に展示が行われるので、今回は観ることが出来なかった。
明治時代から多くの文豪たちが居を構え、名作を執筆した熱海である。その中でもひと
きわ有名なのが、「読売新聞」「新小説」に掲載された尾崎紅葉の小説「金色夜叉」であ
る。この小説にちなむ「お宮の松」のある海岸散策路が、「ジャカランタの遊歩道」と命
名されて丁度紫の花が見頃を迎えていた。
ジャカランタは世界三大花木の一つ、原産はブラジルであるが、オーストラリアや、南
アフリカのプレトリアまでも見に行った妻はなは大喜びで眺めていた。確かに日本で咲く
ジャカランタは緑の葉が開いてからその中央に花が咲くので(南半球では、春先の日本の
桜のように花が咲いてから葉が出るのが普通のようである)紫がとても濃い印象であった。
日本での花期は6月であるが、気候の関係で、本土で(露地植え)花が咲くのは大変珍
しく、熱海でも全く開花しない年もあったという。開花した際も全ての木が花をつけるわ
けではなく、開花は数本のみだった年もあるとのこと。今年は6月の暑さに誘われたか、
とても美しく咲いている。この分だと新名所になるかもしれない。
風次郎
思いのほか見事な熱海のジャカランタ
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