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風次郎のColumn『東京楽歩』 (No578T−138)
    
                                      稲取岬と漁港                                                                                                                                      

                                                                                2019年2月
          東京楽歩(No138)早春伊豆旅(1)


                              同郷で道楽仲間のKとFとは3人で毎年伊豆の旅に出かける。新宿で一献傾ける出費で
                             温泉に泊れる旅を楽しもうと、伊東園グループのバス旅を始めてもう5〜6年になるが、
                             今年は半島の東側、稲取温泉に行った。
                              私は伊東、下田は泊ったことがあるものの、稲取温泉は知らなかったので未知も加わ
                             って楽しみだった。
                              今週も寒さが身にしみる毎日だったが、幸い青空の見える八王子から伊東園の手配し
                             たバスに乗って12日の朝スタートした。
                              バスは橋本で乗り込んだ大勢の客も加わり、50人ほぼ満席の状態で圏央道を走り、
                             厚木から西湘バイパスに出て、海辺を大磯、熱海と走って行く。
                              移り行く海が車窓に広がり、終始見渡せ、春近しと感じさせるほど午前の陽光が穏や
                             かに煌めいていた。
                              熱海近辺では、ここも最近再び観光客が着目し始めたと聞いていたので、外観のホテ
                             や町並みに目を向けていたが、10年以上もこちらへ来たことが無かったので変わりよ
                             うには驚いた。建物は近代化され、新しい大きなものも多く見られたし、道路も整備さ
                             れたようだ。目指すオリンピックを掲げて、ここも活気を呼び起こす狙いが当たれば良
                             いのだが――。
                              バスは網代から宇佐美のトンネルを抜けて、伊東に入り「伊東園ホテル本家」に客を
                             下した。私たちはさらに川奈、城ケ崎の山沿いを走り、再び海岸線に下りて熱川から東
                             伊豆町の温泉郷に入った。
                              稲取は伊豆半島東海岸の河津、下田と続く手前の、岬に隠れた良港に由来する街であ
                             る。
                              海岸道路で車窓から岬を一望できるところがあった。入り江に突き出した岬が、いか
                             にも絵に描いたように形よく、静かな穏やかな美しい街を想像させる風景であった。
                              もともと漁港を中心とした街で、そこに1956年(昭和31年)温泉か開かれ、東伊豆の
                             温暖な気候と潮風、自然につつまれて癒しを求める観光が加わったのであった。温泉は
                             アルカリ金属・アルカリ土類金属の硫酸塩を主成分としていることから効能はリウマチ
                             や動脈硬化、高血圧の予防にも効果的な硫酸温泉である。
                              稲取漁港があるからこそ、海の幸を中心とした郷土料理が食べれるということで人気
                             がある。太平洋プレートは伊豆半島の下に潜り込むため、近海は水深が深く、名物の「
                             金目鯛」が多く水揚げされ、それが売り物。

                              伊豆急行と並んで東伊豆道路は山沿いを走るので、バスは伊豆稲取の駅から港寄りの
                             街並みに下りてゆき、港を左手にして岬へ登る道路で私たちを下した。私たちは伊東園
                             ホテルズの小型バスの迎えを得て岬の高台にある稲取ホテルにチェックインした。
                              丁度3時であった。4時から風呂場がオープンされるとのこと、お茶を飲みながら寛
                             ぎ部屋の窓を開けると、入り江の港が広がっている。
                              岬の高台であるから、さすがに見晴らしが良い。対岸から先は午後の陽に照らされた
                             半島が少し霞んで続く、右手の海は濃い青から薄青、やや白みがかって雲に交わるよう
                             に広がっていた。風のない高台からの素晴らしい眺めである。
                              元々稲取温泉は、この岬の南西側の海辺に数軒の老舗が営まれて始まったようである。
                             しかし漁港を望んで高台から入り江を眺められるこの岬北側の斜面も捨てたものでは
                             ない。
                              漁港と人々のいとなみの空気の流れは、日本人の心の古里であろうか。

                                                      〇

                              3人で語ることはいつも変わらぬ故郷の信州で育った少年時代のことが多い。戦後の
                             社会全体が満たされない時代の不自由だった思い出ばかりだが、それが今の自分たちを
                             支えてくれているといった語り草でまとまる。昨今は、お互いにサラリーマンを務めあ
                             げて、どうにか余生に行き着いた感慨も加わる。
                              何とも幸せなことだと思う。
                              風呂に漬かり、バイキングの夕食に臨む。いつものこと「○○食べ放題」とか広告に
                             は誘い文句が出るが、謳い文句の品は常連はほとんど手を付けない代物(人気が無い)
                             が山になって余っており、暖かい地元の魚の汁物などが胃袋に優しい。それに地元の酒
                             が飲めるので有難く、十分と言ったところ。
                              他にもおいしいものが色々有るし、何せもともと経済的価格でこの良い環境の宿泊施
                             設が利用出来ることに文句は無い。ゆっくり3人で語り、飲んで過ごして温泉に入って
                             大満足である。

                              年寄りになったので、飲みつかれるほども飲めず、夜なかにもならないうちに語りづ
                             かれて程よく就寝した。
 
                                                                           風次郎 


中央が伊藤園稲取ホテル・右は稲取岬灯台
                      

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