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風次郎のColumn『東京楽歩』 (No515T−124)
    
                                      「肝っ玉おっ母‐‐‐」の舞台シーン(パンフから)                                                                                                                                        

                                                                                   2017年11月
          東京楽歩(No125) 能登演劇堂


                           仲代達矢84歳の集大成を銘打って、ロングラン公演が千秋楽を終えた。
                           仲代の妻隆巴(宮崎恭子)が30年前に残した綿密な演出プランに従って、仲代が最後の舞台
                         と思って55歳の時以来の再演を行うとの触れ込みであった。
                          演劇に打ち込んだ仲代夫妻は七尾市中島の人々と呼応して演劇道場「無名塾」を育てると同時
                         に、特異かつ秀美な演劇専門の劇場「能登演劇堂」を設立、ファンを集めている。
                          私も仲代のファンの一人として以前訪ねたことがあったのだが出し物を観たことが無かった。
                          今回は金沢の友人たちが切符を手配してくれて妻はなと2人で念願の舞台を観る事が出来た。

                          出し物は、ヨーロッパの30年戦争の頃の時代背景。長く果てしなく続く戦争の中に、ベルト
                         ルト・ブレヒトの描き出す反戦劇「肝っ玉おっ母と子供たち」である。
                          幌車を曳いて軍隊に付き従い、戦況を睨みつつも、家族の生活を支えて町から町へ行商して稼
                         ぐ女商人・アンナの姿を描く。
                          女手一つ、三人の子どもの「肝っ玉おっ母」として戦火を渡り歩き、がむしゃらに生きる。が
                         しかし、戦争はやがて彼女たちを飲み込む――救いのない運命―なのであった。
                          仲代は1988年以来約30年を経て、今こそこの作品を、この母親役を、どうしても再演しな
                         ければならないと思って取り組んだと語る。
                          その母親役の逞しさの中に戦争の本質を描き出すベルトルト・ブレヒトの異色の反戦劇である
                         が、ややミュージカル的演出といった軽妙な展開を加えつつも、すぐに主題に引き戻してしまう
                         演出は、見事に観客をとらえて離さない。
                          また、劇場独特のホリゾントを大きく開いて見せる自然風景の中の役者の立居や、奥域のある
                         戦火の情景を見せる場面など、この劇場でなければ味わえない野外劇場的な効果も素晴らしかっ
                         た。反面的に心が襲われる、戦争の悲惨を思わずにおれない。

                          新幹線が開通して、東京からも2時間余りで訪ねられる金沢から能登半島は、四季の風景の美
                         しさと海幸山幸有りの温泉場も多く、日本の寛ぎの場とも言えるであろうか。
                          この地域、温泉宿が優れているばかりか、いわゆるオモテナシが国民宿舎にも行き届き好評の
                         ようだ。私達も当日は小牧台の国民宿舎に一泊し能登牛やのどぐろなど山幸海幸をいただき、紅
                         葉の温泉を愉しむ事が出来た。
                       
                                                                             風次郎


能登演劇堂

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