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風次郎のColumn『東京楽歩』
(No463T−114)
平和祈念展示資料館パンフレッド
2016年9月
東京楽歩(No114)平和祈念展示資料館
お盆の夏を実家であった南天寮で過ごして東京に戻ると、毎年訪ねるのが表題にした
「平和祈念展示資料館」である。
私は軍属であった父の勤務先満州ハルピンで生まれ、3歳の時終戦を迎えて、母と兄
姉に連れられて帰国した引揚者である。物心も付かない頃だったから、満州の記憶は殆
ど薄れてしまっているが、お盆と重なる終戦記念日には、着の身着のままで父の実家に
辿り着いた家族の思い出話を偲ばずにはおれないのである。満州で家を出る時、家族が
泣き別れたあとの父は、帰らぬ筈であったのだが、幸いにして終戦後間もなく帰って来
る事が出来た。その時の家族の喜びは、暮らしの貧しさを忘れさせる倖せの訪れだった
のである。若しつきなみに時が流れていたのなら、私の父は従軍していた在満の兵士た
ちと同様に、或いはシベリアでの抑留生活を強いられることになったのかも知れなかっ
たのだ。
私たち家族にとっては、戦時の思いに曳かれる8月であり、平和の尊さ幸せに過ごせ
ることの有難さを忘れないための8月でもある。
「平和祈念展示資料館」は総務省の委託施設で、西新宿の住友ビル48階に常設され
ている。さきの大戦における兵士や、戦後強制抑留者および海外からの引揚者の労苦に
ついて、次の世代へ語り継いでいくことを目的として、様々な実物資料、グラフィック、
映像、ジオラマなどが展示されている。
私は、毎年8月を過ごしてからここを訪れることにしている。
関係者以外訪れる人が少ないのか、いつも静かで、その分かえってしんみりと戦時を
偲ぶ空気が漂うと言うべきか、今回も展示をゆっくりと眺めて過ごしてきた。
展示は最も強烈、過酷を強いられた抑留者たちの状況を示すものが多いが、今回はシ
ベリアへの強制抑留者でもあった有名な歌手、故三波春夫氏が生前ハバロフスクを訪問
した時の映画が企画上映され、氏の思い出を解説されていた。
海外からの引揚者の労苦は、引揚げ船での子供たちの様子の再現などが中心であった
から、私にも痛く身に迫る場面があった。
悲しい思いは忘れ去られてしかるべきなのであろうに、いつまでも自分の思いとして
懐かしむのは、人の習性としてやむを得ないのであろうか。
せめて、こういった機会に、戦後の貧しさ以外、戦争を体験しないでここまでこれた
半生の倖せを、感謝しつつ過ごしていきたいと思う。
*ご参考 「平和祈念展示資料館」(総務省委託)
163-0248 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル48階
Tel 03-5323-8709 http://www.heiwakinen.jp
風次郎
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