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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No527H−036)
           
              スイセン     

                                                         
       東京楽歩(No527)  私的花語り(No36)   スイセン                                        2018.冬   
                                                                

                     東京の我が家の雪融けの庭先にスイセンが地中から芽を出して咲き始めた。信州の南天寮
                    ではまだまだ先になる。雪のない地方では1月には咲き始めているかもしれない。
                     スイセンは緑の葉の間からつぼみをつけた花茎が伸び、伸びきったあたりにできたつぼみが
                    横向きになって、覆っていた包を破って花が開くのだ。雪の中でも春の訪れを告げるように咲く
                    ことから、別名「雪中花」とも言われる。
                     我が家のスイセンはいわゆる日本スイセンである。
                     艶やかな花ではないが、春が来ていることを告げている花のように思う。
                     今年は東京にも雪が積もり、そのあと寒い日が続いているから、庭のスイセンもやっと咲いた
                    という感じだ。 
                     スイセンの花を見ると、地中深く眠っていた球根からムクムクと伸びて地上に現れた芽を思う。
                     球根のどこかにあるセンサーが、やってきた春の時と、太陽が照らす地表の方向を感知して
                    生きる主張を精一杯実行しているようでいじらしい。

                     典型的なスイセンの花の場合、雌蕊(しずい)は1本、雄蕊(ゆうずい)は6本である。6枚
                    に分かれた花びらと、中心に筒状の花びらがある。
                     多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。草丈は、品種・環境によるが、
                    15ー50cm程度である。6枚に分かれている花びらのうち、外側3枚は萼(がく)であり、内
                    側3枚のみが花弁である。二つをあわせて花被片(かひへん)と呼ばれる。
                     茎は、黒い外皮に包まれた鱗茎の内部にあるので、切断しないと見えない。また、葉身は、若
                    干厚みがあり扁平で細長く、つや消しのような表面をしている。
                     原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種
                    は30種類もあるとのこと、園芸用に品種改良されたものが世界中で栽培されている。
                     日本においては、ニホンズイセンが古くに中国を経由して渡来したといわれている。分布は、
                    本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られる。越前海岸越前町の群落が有名で
                     あり、福井県では県花ともなっている。
 
                     スイセンは日本の気候と相性が良いので、植え放しでも勝手に増え、育てやすい。他の植物を
                    地表に近く植え、夏場は地表面を別の植物で覆うようにすると、温度が上がり過ぎず、地中の球
                    根に適した環境を維持できることから、我が家では、パンジー、松葉ボタンなどを続けて同じ花
                    壇で楽しむことにしている。

                     狭義には、学名 Narcissus tazetta や、その変種であるニホンズイセン(Narcissus tazetta
                    var. chinensis)をスイセンということも多い。が、正規にはスイセン属(学名: Narcissus)
                    は、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)属のひとつ。この属にはニホンズイセンやラ
                    ッパスイセンなど色や形の異なる種や品種が多くあるが、この属に含まれるものを総称してスイ
                    センと呼んでいるとのことである。
                     *学名でもある英名Narcissus (ナルキッサス、ナルシサス)は、ギリシャ神話の美少年の名
                    前で、泉に映った自分の姿に恋をして毎日見つめ続けたらいつのまにか1本の花になってしまっ
                    た。”ナルシスト”の名はここからきている。

                                        △ ▽ △ ▽ △ ▽ △ ▽ △

                     「スイセン」という名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたものと伝わる。「仙人は、天に
                    あるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来するとのことだ。
                     水辺で咲く姿を仙人にたとえたのであろう。別名に雪中花、雅客。方言ではチチロ、キンデバ
                    ナ、キンデ、シイセン、ハルダマなどの呼び名があるという。

                     欧米では水仙は「希望」の象徴であり、ガン患者をサポートする団体の多くで、春の訪れと共
                    に咲くこの水仙が「希望」のシンボルとして募金活動のキャンペーンに用いられている。

                     花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」 ――水鏡に映った自分の姿に恋をしてスイセンになってしまっ
                    た美少年ナルキッソスの伝説に由来するのだという。

                      「其(そ)のにほひ 桃より白し 水仙花」 ――― 松尾芭蕉

                      「初雪や 水仙の葉の たはむまで」―――  松尾芭蕉

                      「水仙や 白き障子の とも映り」―――  松尾芭蕉

                      「水仙や 寒き都の ここかしこ」―――  与謝蕪村

                                                                 風次郎
         


    

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