☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
風次郎のColumn『東京楽歩』
(No519H−035)
メドーセージ
東京楽歩(H-519) 私的花語り(No35) 菊 2017.秋
寒さがやって来て菊の美しい季節になってきた。
菊の花の盛りは11月であろう。開花時期は、10/20 〜 12/20頃である。しかし、本格的冬
がやって来てもこの花は「残菊、晩菊」というサブネームで咲き続ける。
残菊、晩菊はだいたい小菊のことだが、小菊は野性味が濃く寒さに強い。だから冬になっても
咲きつづけ「冬菊」とも、寒気の中で咲いているので「寒菊」とも呼ばれる。そして大半は年を
越える頃には「枯れ菊」となる。
東洋で最も古くからある鑑賞植物のようだ。平安時代あたりに中国から渡来した品種には改良
が重ねられ、今や多大な園芸品種が存在する。園芸品種としては「スプレーマム」や「ポットマ
ム」などがよく知られるが、この「マム」=「菊」のことである。
栽培菊は日本にはなかったのだ。
いわゆる「菊」と呼ばれる日本の菊花のなかには、 350種ほどの自生する野菊があると言われ、
『万葉集』には 157種の植物が登場するが、菊を詠んだ歌は一首もなく、飛鳥時代・奈良時代の
日本に菊がなかったことを暗示しているとか。
野菊に対する呼称、イエギク(家菊)は、キク科キク属の植物である。
大輪の菊を菊花展でよく見かけるが、菊花展で見られるのは「厚物(あつもの)→
大輪もの」
と「管物(くだもの)→ 細い花びら」とに分けて品評されるとのことだ。
春のサクラに対して日本の秋を象徴する花である(日本の国花は、この菊と桜の2つ)が、そ
れが決定的になったのは、鎌倉時代の初め後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み、身の回りのものに
施したことから天皇および皇室の紋となったことからといわれる。
鎌倉時代には蒔絵や衣装の文様として流行した。また、南北朝時代以降には天皇より下賜され
ることにより、公家や武家の間で家紋としても使用されるようになったこともあった。
現代でも物品への意匠として用いられることは多い。
秋の花、菊は短日性植物で、電照などを用いた作型の分化により、観賞園芸的には和菊、生産
園芸的には洋菊が中心に栽培され、また切花としては、温室での電照栽培で今は周年出荷されて
いる。バラ、カーネーションとともに生産高の多い花卉である。
中国では菊は不老長寿の薬効があるとされ、陰暦の9月9日(重陽の節句)には 菊酒を飲み
長寿の祈願をした。これがしだいに日本にも伝わり、菊の花を酒に浮かべて飲み 花を鑑賞する
「重陽の宴」が催されるようになったのである。
日本では、薬草や観賞用植物として、平安時代より用いられてきたが、宮中で菊の節句と呼ば
れる重陽の節句(旧暦9月9日)は明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会(観菊御宴)として
行われている。
菊の栽培が日本で盛んになったのは、冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ秋に観賞すると
いった栽培のプロセスが、イネの栽培と類似していることが影響しているとの説もある。
また、もっぱら食用にする「もってのほか」などの品種もあるという。
「きく」は 漢名の「菊」を音読みしたものである。また、「菊」の漢字は、散らばった米を
1ヶ所に集める、の意で、菊の花弁を米に見立てたものと言われ、漢名の「菊」は ”究極、最
終”を意味し、一年の一番終わりに咲くことから名づけられたとの説がある。
ことわざに、「春蘭秋菊倶に廃す可からず」、(しゅんらんしゅうぎく ともにはいすべから
ず)=[両者ともに優れており捨てがたい、の意]がある。
花言葉は「高貴」である。さらに、「思慮深い」(菊)「真実、元気」(小菊)「いつも愉快」
(蛇の目菊)「私はあなたを愛する」(スプレー菊)「困難に耐える」(東雲菊)など。
格調高く、古くから詩歌に詠まれた。
・「父母が 殿の後方(しりへ)の 百代草(ももよぐさ)百代いでませ わが来たるまで」
(百代草=菊) 万葉集 生玉部足国(いくたまべのたりくに)
・「心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花」
古今集 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)百人一首(29)
・「濡れて折る 袖の月影 ふけにけり 籬(まがき)の菊の 花のうへの露」
金槐和歌集 源実朝
・「秋のきく おのずからなる 華は見で うるさく人の 作りなすかな」
橘曙覧(たちばなのあけみ、江戸末期の国学者)
・「冬菊の まとふはおのが ひかりのみ」
水原秋櫻子(みずはらしゅうおうし)
この季節、野を歩いても、街を歩いても赤や黄色の菊が咲きこぼれている。
通り沿いの家の庭には丹精込められた大輪の鉢が品評会での成果を誇らしげ見せているかの情
景もある。
秋の終わりに向かう頃を思わせる。
風次郎
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」「私的花語り」No36へ
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」トップへ
風次郎の「東京ジョイライフ」ホームページのトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ