☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
       
風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No508H−033)
           
              いたどりの花     

                                                         
       東京楽歩(H-508)  私的花語り(No33)   いたどり(スカンポ)                                          2017.晩夏    
                                                                

                                  私の家から駅へ向かう線路沿いの道から見る土手に、夏になると白いイタドリの花が咲き、
                                 秋まで咲き続ける。
                                  イタドリは、タデ科の多年生植物。別名は、スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチ、
                                 エッタンなど。ただし、スイバをスカンポ(酸模)と呼称する地方もあるとのことである。
                                  歩きながら眺めつつ、子供の頃を思い出す。
                                  小学校へ通学する野山でよく見た。そして白秋の詩、山田耕作作曲の童謡「すかんぽの咲く
                                 頃」を唄った。

                                  土手のすかんぽ ジャワ更紗。

                                  昼は蛍が ねんねする。

                                  ぼくら 小学六年生(原文は、僕ら小学 尋常科)

                                  今朝も通って またもどる。

                                  すかんぽ、すかんぽ、川のふち。

                                  夏が来た来た、ド、レ、ミ、ファ、ソ。

                                  「ジャワ更紗」と謳われるのは、スカンポの花序が、ジャワ更紗(ジャワ=インドネシア)
                                 特産の更紗模様(ろうけつ染め)、その色を連想したからということのようだ。サラサラとし
                                 た白い風景である。
                                  白秋は夏の川の土手に広がって咲くスカンポを見た印象を書いたのであろう。
                                  私達は「――ぼくら、小学六年生――」と唄った。

                                  牧歌的な雰囲気の花である。4〜5月に採取できる柔らかい新芽は、山菜として古くから煮物
                                 や炒めものにして食べられてきた。茎を折るとポコッと音が鳴り、食べると酸味がある。食糧
                                 難だった当時の田舎では「イタドリ」と呼ばれ、子供たちは花よりも地面からまっすぐ伸び出
                                 した中空の茎を多数ある節のところで手折って道端で食べる方に関心が高かったようにも思う。
                                 道草ならぬ――道端のおやつであり、遊びながら下校するには恰好な楽しみであった。

                                  イタドリの秋に熟す種子には3枚の翼があり、風によって散布される。そして春に芽吹いた
                                 種子は地下茎を伸ばし、群落を形成して一気に生長する。路傍や荒地までさまざまな場所に生
                                 育でき、肥沃な土地では高さ2メートルほどまでになる。
                                  北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種といわれる。世界
                                 の侵略的外来種ワースト 100 (IUCN, 2000) 選定種の一つで、19世紀に観賞用としてイギリス
                                 に輸出されたものの、旺盛な繁殖力から在来種の植生を脅かし、コンクリートやアスファルトを
                                 突き破るなどの被害が出てしまったので、英政府はイタドリの駆除のために、天敵の「イタドリマ
                                 ダラキジラミ」を輸入することを決めたほどだという。

                                  乾燥させた根は虎杖(コジョウ)または虎杖根(コジョウコン)という名前で、生薬に利用
                                 され、利尿効果があることから膀胱炎、膀胱結石、月経不順、閉経などの治療に効果があると
                                 される。

                                  10月の誕生花、花言葉は「回復」、見かけによらない実の美しさ、であるという。薬草
                                 らしい呼称と思う。――白く淡いいたどりの花が、あせはじめた緑の野に一面に広がると、
                                 夏も終わりを感ずる。健康な秋を迎えたい。                   
                                                                                   風次郎
         


芽吹いた頃のイタドリ

    

メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」「私的花語り」No34へ 
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」トップへ
風次郎の「東京ジョイライフ」ホームページのトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ