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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No449H−027)
           
              ライラック(リラ)     

                                                         
       東京楽歩(H-449)  私的花語り(No27)   ライラックとすみれ                                          2016.初夏    
                                                                

                                 南天寮の庭にあるライラックの花がすこし咲いた。
                                 どこからか運ばれた種が芽生えたものだが、数年前からただでさえ細い幹にカビ状の病気がつ
                                いて、あわや枯れてしまうのかと心配していた。昨年、オルトランを配したら今年は葉が繁って
                                復活したので喜んでいる。
                                 薄紫色の房になった花が初夏の陽に光って優しく揺れている。

                                 ライラック(Lilac、学名: Syringa vulgaris)日本名は紫丁香花(むらさきはしどい)でモ
                                クセイ科ハシドイ属の落葉樹である。日本のハシドイ (Syringa reticulata )は近縁種で野性。
                                 ハシドイの名は、木曽方言に由来するようだ。属の学名 Syringa は笛の意、この木の材
                                で笛を作ったことによるという。
                                 原産のヨーロッパでは、香りが良いので香水の原料ともされる。

                                 ライラックの呼称は英語であるが、他にフランス語(lilas)由来のリラとも呼ばれている。 
                                英語とフランス語で同じ花を表した言葉が、両方とも日本で定着していて、人によって呼び方
                                が違うのである。私もその時々の好みで使い分ける。ただ、和名の「ムラサキハシドイ(紫丁香
                                花)」はあまり使ったことがない。
                                 英語の「lilac」、フランス語の「lilas」をさかのぼっていくと、スペイン語の「 lilac」・
                                アラビア語の「lilak」になり、ペルシャ語の「likak」にたどり着くようである。ペルシャ語の
                                「 lilak」には「青色」という意味があるので、薄紫の花を咲かせるライラックの語源になって
                                いるのであろう。
                                 花言葉は友情・青春の思い出・純潔・初恋・大切な友達、西洋では「pride(誇り)」や「bea
                                uty (美)」とも。ハート型の花びらをしていることや、白いライラックもあることから、フラ
                                ンスでは青春のシンボルとしていると聞く。

                                 岡本敦夫が唄った青春歌謡が懐かしい。

                                 リラの花が 胸に咲く今宵
                                 ほにかな 夢の香に
                                 ああ 想い出のあのささやき
                                 遠くはるかに 聞こえくるよ

                                 リラの花が 胸に散る今宵
                                 やさしく 手を組みし
                                 ああ 過ぎし日のあのメロディ
                                 霧のかなたに 流れ行くよ‐‐‐(寺尾智沙詞)

                                 札幌には「ライラックまつり」があって白30本・紫系370本の合計約400本ものライラックを大
                                通り会場で見ることができる。今年も大通公園では5月18日(水曜日)から5月29日(日曜日)に
                                開催されている。
  
                                                  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

                                 さて、この稿の本題を「ライラックとすみれ」としたのには訳がある。
                                 当初「スミレ」を取り上げようと思って庭の「すみれ」を眺めていると、となりに咲いている
                                「ライラック」と同じような色をしているし、スミレには艶やかな印象は無いが、優しい雰囲気
                                は同じである。ライラックには「リラの花咲く頃」の歌があるに対し、スミレにも「すみれの花
                                咲く頃」の歌がある。御存知宝塚歌劇団の持ち歌である。
                                 ところが、その「すみれの花咲く頃」の歌は宝塚歌劇団の演出家、レビューの王様とも呼ばれ
                                た白井鉄造がフランスを巡っているときにこの歌と出会い、日本へ持ち帰り、「パリゼット」の
                                主題歌として取り入れ、舞台と共に大ヒットとなったのだと言うことが解った。
                                 ロマンティックな愛の歌である。

                                 春すみれ咲き 春を告げる
                                 春 何ゆえ人は何時を待つ‐‐‐   
 
                                 この歌の中の「すみれ」は、原曲ではライラック、リラの花となっているとのことだ。しかし
                                日本人にとってリラの花は当時馴染みが薄かったので、白井鉄造はあえて日本の春に美しく強く
                                咲く「すみれ」の花を選んだということが真相である。

                                 すみれの花咲く頃、はじめて君を知りぬ
                                 君を想い日ごと夜ごと
                                 悩みしあの日の頃    
                                 すみれの花咲く頃、今も心ふるう
                                 忘れな君われらの恋
                                 すみれの花咲く頃、‐‐‐‐‐と「名作」になった。

                                 ―――ちなみに、スミレについて、
                                 北海道から屋久島までの日本列島に広く見られ、国外では朝鮮、中国からウスリーにも分布す
                                るようです。

                                 ・菫(すみれ)科。・学名 Viola mandshurica(すみれ)Viola grypoceras(立壷すみれ)
                                  Viola : スミレ属 (mandshurica : 満州地方産の grypoceras : 曲がった角(つの)の
                                   Viola (ビオラ)は「紫色の」という意味。
                                 ・開花時期は、 3/10 〜 5/10頃。・花の形が、大工道具の”墨入れ(墨壷)”に似ている
                                 ことによる(牧野富太郎)。「すみいれ」の呼びがしだいに「すみれ」になったといわれる。

                                 スミレのもいろいろな種類があり、国産、外国種とも合わせると数百種類になるとのこと。
                                 園芸品種にパンジー(三色すみれ)は花とは別に、 目立たない「閉鎖花」をつけ、そこでタ
                                ネをつくる。
                                 花言葉は「思慮、思慮深い、思い」(菫)「奥ゆかしい、控えた美しさ」(匂菫)、日本の花
                                との感がある。

                                 「春の野に  菫つみにと  来(こ)し我そ  野をなつかしみ  一夜寝にける」
                                                                     ―――万葉集   山部赤人

                                 「山路(やまじ)きて  なにやらゆかし  菫草(すみれぐさ)」
                                                                ――― 野ざらし紀行   松尾芭蕉

                                 スミレ(Viola mandshurica )は、道ばたで春に花を咲かせる野草ですが、しみじみとした紫
                                (菫色)の花を咲かせます。地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出し、葉は根際から出て、
                                少し長めの葉柄があって、少しやじり形っぽい先の丸い葉をつけています。
                                 ラッパのような独特の形の花を横向きかやや斜め下向きにつけ、その五枚の花びらは、大きさ
                                が同じでなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になるのだそうです。
                                 花茎は根際から出て、やや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側か
                                ら着いています。
                                 平地に普通で、山間部の道ばたから都会まで、都会ではコンクリートのひび割れ等からも顔を
                                出す逞しい花でもあります。

                                ** 山菜としても利用されている。葉は天ぷらにしたり、茹でておひたしや和え物になり、
                                花の部分は酢の物や吸い物の椀ダネにする。ただし他のスミレ科植物、例えばパンジーやニオイ
                                スミレなど有毒なものがあるため注意が必要である。

                                                                                      風次郎                               



                  すみれ                      

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