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風次郎のColumn『東京楽歩』
(No367H−019)
ネムノキの花
東京楽歩(H-019) 私的花語り(No19) ネムノキ
ふわーとしていて風で飛んで行ってしまいそうなはけ状の花糸が、何とも優しく愛しい感じの
夏の花である。
それは淡紅色で、スーと長く美しい。そして香りは桃のように甘い。
花言葉は「歓喜」だと言う。文学的には夏の季語であり、万葉集や松尾芭蕉、与謝蕪村の句に
登場するが、形には清々しい清涼感があると思う。
もう初秋だけれど、近所の家の庭にはまだ咲いている。
河原など水のある場所に自生しているのを見かけるが、移植の難しさや開花まで年数がかかる
など多少扱いにくい点があり、庭木としてはさほど広くは利用されていないようだが、この家で
は丹精を込めたのだろうか?
種子から 育てて10年経たないと花は咲かないといわれている。
細長いほわほわの刷毛のような形をしたこの淡紅色の花は、梅雨頃に咲きはじめる。ひとつの
花に見えるものは、実は小さな花が10〜20個集まったもので、淡紅色の糸のような部分は花
びらではなく、長く伸びた雄しべなのだそうだ。
小さな花からたくさんの雄しべが出て、それが集まってひとつの形になっているのだ。
花は頭状花序的に枝先に集まってつぎつぎと盛夏までも咲き続ける。いかにも繊細の花だ。
育てて10年と言われるが、非常に花付きがよく、木が若いうちから花を咲かせる一才(いっ
さい)ネム、白花のシロバナネム、初夏に葉が深い赤紫色(春のはじめは緑色)になるサマーチ
ョコレートなどの品種も楽しめる花である。
果実は細長く扁平な豆果。マメ科に属するが、マメ亜科に特徴的な蝶形花とは大きく異なり、
花弁が目立たない。その独特の花弁を持つところがマメの花と違う印象があって、独立の科に分
類する意見もあるとのこと。
花弁が発達せず、雄しべが花を構成している点は、フサアカシアやオジギソウなどと似ている。
葉は2回羽状の複葉であり、たくさんの小葉が付いている。これが毎日夕方になると合わさっ
て閉じてしまう。そして‐‐‐、夜になると左右の小葉がぴたりと閉じたまま垂れ下がり、その
様子があたかも木が眠っているように見えるのでネムノキの名前がついたと言われている。
日本では合歓木と書き、(Albizia julibrissin)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。別名、ネ
ム、ネブとも呼ばれる。属名のアルビジアは18世紀イタリアの科学者アルビッツィの名前にち
なんだものである。
葉はなぜ閉じてしまうのだろうか?
葉を開閉する植物の典型であるオジギソウは葉に刺激を与えると小葉を閉じ、さらに葉全体を
折り下げてしまうのだというが、オジギソウの葉の開閉運動は、動物に捕食される際に葉を閉じ
て食べられる事を防ぐのだそうだ。ネムノキも葉を閉じて害虫などの産卵を防いでいるのかもし
れない。
落葉樹の中でも春の芽吹きが遅い。
関西平地でも4月下旬以降、関東では5月上旬くらいが芽吹の頃となる。他の木々の新緑が目
にまぶしい春半ばを過ぎても、葉のない枯れ木のような状態で過ごして、じれったい。“歓びは
後回し”と言うことであろうか?
葉の長さは20cm〜30cm、葉の軸をはさんで左右に細長い楕円形の小葉が15〜30対つい
ている。この葉の形を正式には二回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)と言い、何となく鳥の
羽のように軟らかでふわりと軽い雰囲気がある。
ネムノキ属は主として熱帯に150種ほど分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性
が強く高緯度まで分布した。温帯でも広く栽培され、一部で野生化している。イラン、アフガニ
スタン、中国南部、朝鮮半島に自生する。
日本でも九州・四国から本州東北まで観られる。
陽樹であり、荒れ地に最初に侵入するパイオニア的樹木であるとも言われ、河原や雑木林に生
え、高さは10mにもなる。芽吹くのは遅いが、成長は他の木と比較すると速い。
マメ科の植物でありネムノキの果実はマメの鞘にはいっている。小さな種子が入っている鞘は
冬になっても開かず、果実全体が風に吹き飛ばされる仕組みのようだ。
ネムノキは二次林といわれる斜面下部などのような、土壌のたまる場所に生育し、乾燥地には
生育しない。根はゴボウ根であり、太い直根が地中深く伸びており、地表面近くには吸収根はほ
とんどない。
しかし、観賞用の他に、街路樹としても使われることがあるそうだ。
用途としてはは害虫駆除、鎮痛、家畜の飼料などにも利用され、中国医学ではネムの花を生薬
として用いれれている。性は平、味は甘であり、精神安定や不眠解消の効果があるとされる。樹
皮にはタンニンが含有され、打撲傷に効能があるとのこと。
又、漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付
けられたものとのことであるから、こちらの効能の方も評価が高いのだろう。
風次郎
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