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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No345H−016)
           
              タンポポの花    

                                                         
       東京楽歩(H-017)  私的花語り(No17) たんぽぽ                                 
                              
                                                

                                  たんぽぽ 

                                                                   【作詞】カドクラ サトシ【作曲】堀越浄
                                    雪の下の 故郷の夜
                                    冷たい風と 土の中で
                                    青い空を 夢に見ながら
                                    野原に咲いた 花だから
                                    どんな花より たんぽぽの
                                    花をあなたに おくりましょう
                                    どんな花より たんぽぽの
                                    花をあなたに おくりましょう

                                    毎年、春になってこの花が咲くと、うれしい気持ちになった。雑草のようではあるがパッと明
                                   るく咲いて、野原でも、道端でも、何処にでも咲いていた。
                                    強い草花で、咲いてからも踏みつけられても、根を深く地中に伸ばし、絶えることなく、花数
                                   はどんどん増えていくのであった。
                                    子供の頃、学校帰りの道端で花を摘み取っては、茎から漏れる白い乳の様な液を悪戯でこしら
                                   えた傷口につけて“薬になる”と信じていた。
                                    傷にはどうか分からないが、確かに薬草ではあって、葉に含まれる成分には、C型肺炎ウイル
                                   スを抑制する効果があり、根には健胃・利尿・催乳などの効果があるという。
                                    また、セイヨウタンポポの葉は、多少の苦味があるが古くからヨーロッパや中東でサラダなど
                                   食用に供されているし、また、根を乾燥させて炒ったものがコーヒーの代用品(たんぽぽコーヒ
                                   ー)や葉を乾燥させ、ハトムギ茶などと配合したものを(タンポポ茶)として好まれていること
                                   も知られている。昨今、アメリカでは、花弁を自家製醸造酒(タンポポワイン)の原料として用
                                   いる処さえあるようだ。果て又、私たちが子供の頃遊んだ茎に含まれる乳液からはゴムの採集が
                                   可能で、ブリヂストンがタイヤの主原料となる天然ゴムを取り出し実用化を目指しているという。
                                    そうあれば、道端の逞しいばかりではない。雑草どころか、有用な驚きの草花である。

                                    私には丈夫で美しい「健気な花」で充分であった。が、
                                    幼いころの思い出にはもう一つ劇団「たんぽぽ」の思い出がある。
                                    戦後の貧しい頃、学校廻りをして逞しく生きることをアピールしてきた印象深い劇団である。

                                    終戦の1945年長野県篠ノ井町で、小百合葉子氏が信濃芸術座を改組、児童劇団たんぽぽを結
                                   成。2年後の1947年4月20日、篠ノ井劇場でS・ウオーカー作『そら豆の煮えるまで』、山本有三
                                   作『海彦山彦』、小百合葉子作人形劇『かくれんぼ』を旗揚げ公演した。
                                    そしてこの日からリュックサックに衣装、幕等を詰め、公共交通機関(バスや電車)を利用
                                   して巡回公演を続けた劇団である。
                                    私たちの小学校にも毎年やってきた。
                                    学校の体育館で、見入ったこれらの演劇から受けた感動は、忘れられない。
                                    40年間、劇団を率いた主宰者小百合葉子氏は、1986年に心不全で急逝し、84歳の生涯を閉じた
                                   が、この劇団は2012年には公益目的事業・演劇公演事業として公益認定が受理され、公益社団「
                                   法人教育演劇研究協会」として新たな一歩を踏みしている。
                                    たんぽぽの精神は生き続けているのだろう。

                                    タンポポは朝花が開き、夕方花が閉じる。田園風景に囲まれて育つ子供たちの道しるべとして
                                   は恰好と思う。
                                    タンポポの名前はもと「鼓」を意味する小児語であったとのこと、江戸時代には「ツヅミグサ
                                    」(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説で
                                    あるそうだ。
                                     古典園芸植物の1つで、江戸時代幕末には園芸化され、数十の品種があったとのこと。
 
                                     英語名はダンディライオン(dandelion)。これはフランス語で「ライオンの歯」を意味する
                                    ダン=ド=リオン(dent-de-lion)に由来し、これはギザギザした葉がライオンの牙を連想させ
                                    ることによる由である。ライオンの歯との見立ても微笑ましい。
                                     多くの種では黄色い花を咲かせ、綿毛(冠毛)のついた種子を作る。生命力が強く、アスファ
                                    ルトの裂目から生えたりしている。
                                     成長点が地面近くに位置するロゼット型の生育型で、茎が非常に短く葉が水平に広がっている。
                                     このため、表面の花や茎を刈っても容易に再び生え始める。撹乱の頻発する、他の植物が生き
                                    ていけないような厳しい環境下で生えていることが多い。
                                     「セイヨウタンポポが日本古来のタンポポを駆逐してしまった」というような説もあるが、こ
                                    れは誤りらしい。セイヨウタンポポは在来種よりも生育可能場所が多く、かつ繁殖力が高いが、
                                    その反面で多くの在来種よりも低温に弱く、初春から初夏にかけての寒暖差が激しい条件下では
                                    生育できないので日本には馴染みにくい。セイヨウタンポポの個体数が多いために相対的に在来
                                    種の割合が減っただけのことのようだ。また、日本種でも関東と関西で特徴が違うようだ。在来
                                    種は茎を大きく伸ばさないため、かえってかえって都市部で在来種が見られるとも言われる。

                                     何処に行っても、安易に見られる「たんぽぽ」。
                                     私には日本の花として誇り高くあって欲しい気がする。   
                                                                                  風次郎            
                                     


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