☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
風次郎のColumn『東京楽歩』
(No300H−005)
おおむらさきつつじ
東京楽歩(H-005) 私的花語り(5) 「おおむらさき」 ―2013初夏―
「おおむらさき」の花盛りである。この花が咲くと初夏だ。
オオムラサキツツジ(大紫躑躅)というのがきちんとした呼び名で、ツツジ科の代表花
と言えようか。
5月も半ば、やっと春嵐の時期も終わったようで、今、端然とした見頃な紫で街を埋め
尽くしている。
ツツジ系の花は、春早い時期、園芸種の中には北国でも雪が解け始めるころから花をつ
けるものさえある。種類も300をこえるといわれているが、小さな花が春を告げ、「オ
オムラサキ」は春が終わるまで咲き続けて春を彩り、夏を迎える。
ツツジは今年も街並みや公園をきれいに飾ってくれた。
「三葉つつじ」(枝先に3枚葉を出すのが特徴。開花は2月中旬から3月下旬。葉をた
くさん出す前に鮮やかなピンク色の花をたくさん咲かせる。)や、「蓮華躑躅」(レンゲ
つつじ=開花時期が4月中旬から5月。レンゲ畑のように赤い花が野原に広がることから
の命名されたらしい。赤とオレンジの物があり、葉にしわが多く、反り返っているのが特
徴)、そして今、おおむらさきと一緒に「さつきつつじ」(5月中旬から6月中旬が開花
時期。旧暦の皐月(5月)に咲く事からの命名。江戸時代から人気があり、園芸化が進み、
現在1500種類もあるとのこと)を見る。
「さつき」は、おおむらさきなどとよく似ているが、開花時期が違う。それに葉は小さ
くてかたい。「さつき」が「さつき」と呼ばれているのは、実は「さつきつつじ」を省略
した名前とのことである。
つつじ(躑躅)は、万葉集の時代から親しまれており、花が連なって咲くことから「つ
づき」、また花が筒状であることから「つつ」などと呼ばれていて、次第に「つつじ」に
なったとの説も聞いた。
ふつう「つつじ」といえば赤紫色の大輪の花を咲かせる「大紫つつじ」をさすことが多
いことも事実だ。花が大輪で赤紫であることからの命名の様である。
この「オオムラサキツツジ」は学問的には「平戸つつじ」に由来するらしい。ツツジ科
ツツジ属の半常緑広葉樹・低木(1〜2m)で、英語名「azalea」である。
原産地はわからないと言う。園芸品種であるからだろうか。
葉は互生し、大形で両端の尖った楕円形ので光沢のない革質で明るい緑色の葉は、両面
に柔らかい毛がある。ほぼ常緑性で紅葉(黄葉)した葉は落葉するが冬を越した緑色の葉
が枝先に集まって春を迎える。
そして、枝先に大きな花が2〜4個咲く。花冠は紅紫色で先端は5裂し、上弁に紫色の
斑点を見せる。萼片には褐色の毛と腺毛があり、6〜8cmある花はツツジの中で一番大き
いのが特徴である。だから「おおむらさき」なのだ。ヤマヒメ(山姫)と呼ばれることも
あるという。私は、その呼び名も悪くはないと思う。
今年は新緑も、どの花もとても美しいように思う。
特に花たちはどれも色が鮮やかで、風のある日など揺れてちぎれそうに靡くのを見ると
愛おしく可哀そうなくらいだった。
このごろの強風の日々が去って、やっと近頃はゆったりとした紫の大輪「おおむらさき
」を、道々眺めて歩くことができるようになった。暖かい初夏の爽やかな季節が来た。
この端正な紫の花の花言葉は「美しい人」である。
道々美しい人に出会える楽しみも重なる季節と言えようか。
ツツジの「歌」を紐解けば、
水伝ふ磯の浦回(うらみ)の岩つつじ もく咲く道を また見なむかも (万葉集)
つつじいけて 其陰(そのかげ)に 干鱈(ひだら)さく女 (松尾芭蕉)
百両の 石にもまけぬ つつじ哉 (小林一茶)
近道へ 出てうれし野の 躑躅かな (与謝蕪村)
などだろうか、いろもの、と言うより絵画的にはやはり蕪村をとりあげたい気分だ。
○
わが故郷信州諏訪にも、岡谷市の鶴峯公園という約2万平方メートルの丘に30種以上
3万株のつつじを誇るツツジの名所がある。鶴嶺公園は諏訪湖を見渡す高台の元片倉製
糸の庭園を、今岡谷市が管理して解放している。
友人は今、最盛で恒例の「つつじ祭り」が開催されていると知らせてきた。懐かしく何
回か訪ねた時のことを思い出した。
そしてまた、遠い昔、高さ5mもの巨木が花を咲かせる圧巻の館林「つつじが岡公園」
の見事な花を観たことをも思い出した。こちらは樹齢800年を超えるヤマツツジ、深紅
の花だった。今はどんなだろう。
ツツジは色も種類も多く、多くの人に慕われる花であろう。
風次郎
ツツジの名所 岡谷市鶴嶺公園
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」「私的花語り」No6へ
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」トップへ
風次郎の「東京ジョイライフ」ホームページのトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ