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風次郎のColumn『東京楽歩』  
  (No296H−004)
       
          国立大学通りの桜   

                                                         
       東京楽歩(H-003) 私的花語り(4) 「さくら」      ―2013春―

 
                               4月に入って冷たい雨の日が2〜3日続いた。
                               国立のさくらは花びらを地面に敷き詰めるように落としてその華やかな時を終えて
                              いく。
                               今年は3月の後半に急激な暖かさがやってきて、思いがけずに一気に咲いてしまい、
                              お花見に向けての心の準備をせかされた気分の桜シーズンであった。幸いと言おうか、
                              その暖かさの訪れる前にあった春嵐が、先に風の力を放失させてくれたのか、桜を見る
                              間は風は穏やかな日が続き、しっかりとした花が長く眺められたように思う。
                               一斉に咲いたせいもあってか、公園や街路はかってないほど見事な光景と思えた。

                               国立の桜は、駅から谷保に向けて南に約1km延びる大学通りが中心である。
                               この通りは昭和初期、西武鉄道が関与する箱根土地株式会社(現プリンスホテル)
                              によって、東京商科大学(現一橋大学)を中心に据えた学園都市構想に基づいて造ら
                              れたもので、1927年神田から一橋大学が移転してきて以来、「大学通り」として
                              国立の象徴となっている通りである。
                               幅約50mの大通りは、当初広いばかりで車の通行も少なく殺風景なものだったそ
                              うだ。昭和8年、皇太子(現明仁天皇)のご誕生を記念して植樹された桜並木は、当
                              時の谷保村青年団の若者たちが、根元の草むしりや鶏糞などの肥料を施して、世話を
                              してきたものであるという。
                               また、谷保まで続くこの通りの中ほどには、大学通りと交差する「桜通り」が東西
                              に延びていて、ここは公募によって「さくら通り」と命名されている。こちらにも見頃に樹
                              齢を重ねた大きな木が並び、桜枝のトンネルになって花を咲かせている。道幅が丁度
                              好都合な具合なのだ。
                               こちらは昭和42年(1967年)に富士見台団地の完成に合わせて建設された新し
                              い道路の両側に植えられた200本以上のソメイヨシノであるとのことだ。
                               今や都内の観桜名所となった国立の桜はこの2筋が中心である。
                               樹齢70年を超える大木に、愛好家や保存団体が加えた若木、山桜、しだれ桜が混じっ
                              て爛漫の時が華やぐ。 桜の開花は今年も見事だった。

                               3月18日頃からの暖かさに急に咲き始めた桜は、はたして4月まで持つのかと疑
                              うほどの暖かさに、もう23日には8分咲きになっていた。
                               私は、妻はなにを誘われて愛犬スピカを伴い、大学通りの喫茶店に席を求め、暫し
                              風格ある桜を楽しむことになった。
                               スターバックスのテラスは盛況でなかなか席が空かない状況だったが、店員が犬が
                              一緒だからと気を利かしてくれ、道路脇のスペースに椅子を貸してくれた。犬得と言
                              うか、かえって暑苦しくもなく、花もよく眺められる場所でありがたかった。
                               また通りすがりの人が愛犬スピカに声を掛けてくれたりして、思いがけない対話も
                              生まれ、楽しい花見になった。
                               その後も2〜3回出かけたが、気温が急上昇したのは5日間で元に戻り、4月に入
                              っては雨もあって花は持ちこたえたというところだ。
                               私の仲間たちとの例年の花見は小金井公園の4月6日の予定であったが、急遽3月
                              30日に繰り上げられ、これもちらほらと花びらの舞い始める時に当たって恰好だった
                              と思う。
                               こちらも毎年欠かさない千鳥ヶ淵への”ついで花見(会合の後友人と立ち回ってく
                              る)”の桜も、提灯の設営が間に合わない頃であったが見頃だった。

                               いずれにせよ、今年の桜は時が早まってびっくりした分、意外性で充実感ある花模
                              様だったということか。これから八ヶ岳山麓の山桜を楽しみにしているところである。

                               「桜」は何と言っても日本の国花。清楚な花の形に、節度や郷愁までも織り込んだ
                              独特の国民花ではなかろうか。美しく良い花だと思う。
                               朝日新聞の記事(4月1日)にさくらに関する爽やかな写真を見た。
                               東日本大震災で被災した宮城県雄勝町の海水浴場に昨年12月に造られた縦4m横
                              40mの「雄勝希望のキャンパス」に、地元や全国から集まった約200人がピンク
                              の手形を押して満開にした桜の壁の写真である。
                               事務局のコメントに「――この桜を見て前向きに――」とあった。
                               東北の冬は今年は長引いているようだ。早く本物の桜の花が咲くことを皆さんどん
                              なに願っていることだろう。 

                               花を愛でてばかりもいられない。
                               暖かくなったら、また私も動かなければ――。
                               花を終えた桜も順調に葉を輝かせ、初夏を待つこととなって欲しい。 

                                                                                風次郎
            

                 
                     国立の桜                  雄勝希望のキャンパス

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