☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
風次郎のColumn『東京JOYLIFE』
No291(C-24)
酒折駅
★★★★★★★★★★★★★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2013年1月
中央線各駅停車 24.酒折
山梨を走る中央線が笹子峠を越えて東から西へ山裾を下り、平らかな甲府へ辿ってい
るのは、古い時代のこの地の中央部が笛吹川と釜無川の合流点になっていて、なかなか
人々が安住できない平地であったからであろう。
北側の車窓に眼をやれば、日当たりの良い山の斜面がぶどう園よろしく迫っているが、
南、西側は遠く富士に連なる山々と南アルプス連邦に挟まれた深い谷が、富士川をとも
なって、身延線とともに流域へと続いているのが伺える。
今、平らかな地は穏やかに、新しげな文化住宅が並び日本ももはや貧しさを語るに及
ばず、豊かな安定と繁栄の時代を歩んでいる証のようだ。――ここ山梨に限らず何処の
街に行っても、見渡せば整った生活様式が行き届いている――。
石和温泉駅を出た列車は冬の陽を浴びた山裾を走っているのだった。
左車窓には照明付きの野球もできるほどのグランドが見える。列車はぶどう畑の中を
走り、やがておおきな跨線橋を潜って民家が増え始めると、山裾からのびた左車窓に山
梨学院大学の校舎が見えてくる。目をまた反対側の車窓に転ずれば、そちらには付属の
高校が見える。
酒折の駅は山裾の住宅街にある。と言うより今は山梨学院の学生町と言った方がいい
かもしれない。列車は旧青梅街道と旧甲州街道が寄り集まった間にある酒折駅に入って
いった。私はここでもリュックを背負って降りた。
ホームの北には3つの丸い形をした雑木山が見え、一番右の中腹に山肌が削られて3
段の顕になった岩肌が見えるのが不釣合だった。住宅街はこの雑木山の南面を背にして、
冬の陽を溜め暖かそうである。
酒折駅からはもはや甲府市、所在は酒折一丁目である。東日本旅客鉄道の駅であるが、
東日本環境アクセスへの業務委託駅、無人になる時間帯もあるとのことだ。単式ホーム
1面1線と島式ホーム1面2線、乗り場は3番線まである。
駅のホームには名所案内板が立っていた。日本武尊を祀った酒折宮、駅から見える北
側の3つの山の左端に当たる不老園は梅の名所、そして甲府よりの山裾には善光寺が記
されていた。
駅舎も洒落ているし駅前も整備されていて気持ちよい。
駅前を少し散策してみたが、山梨学院の施設、が沢山あってまさに学生街。学生向けの
食堂を探すのが精一杯だった。
ここの善光寺は武田信玄が信州攻めに際し善光寺に戦火が及んだとき、本尊阿弥陀如
来(現重要文化財)を移設、後当地に開山して安置したのである。
また本堂は、当初永禄8年(1565年)に完成したものが信濃善光寺のものとほぼ
同じくらいの大きさであったが、宝暦4年(1754年)2月の火災によって失われた。
現在の本堂は寛政8年(1796年)に再建されたものである。最初のものに比べると
規模は小さくなっているが、それでも東日本においては最大級とも言われる木造建築物
であり、これも重要文化財に指定されている。
各地からこの地に学ぶ学生たちは、小学校から大学まで多数だろう。善光寺の鐘の音を
聞きながら何をか思わん日々は如何。と、我が身の青春時代を思い返しつつ歩いた。
しばしの散策を終えて再び車中の人となる。
列車は平坦な街中を走って行った。
風次郎
酒折駅北口
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」「中央線各駅停車」(25)甲府へ
メルマガ・風次郎の「東京ジョイライフ」トップへ
風次郎の「東京ジョイライフ」ホームページのトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ