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風次郎のColumn『東京JOYLIFE』
No261(C-18)
JR勝沼ぶどう卿駅
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2013年1月
中央線各駅停車 18.勝沼ぶどう卿
列車は甲斐大和駅を出ると又すぐに長いトンネルに入る。トンネルは新大日
影トンネルである。トンネルを出たすぐのところが「勝沼ぶどう卿駅」だ。だから
笹子から勝沼ぶどう卿までは甲斐大和駅を経るとはいうもののほぼトンネルの
中ということになる。
トンネルの出口が見えるところにホームがある「勝沼ぶどう卿駅」は、山の斜
面にあって甲府盆地を見渡すことができる。島式ホーム1面2線を持つ地上駅。
この地域に中央本線が開通した後に開設された駅であり、ここもやはり開業当
初はホームなどを急勾配にしないためスイッチバック駅であった。
スイッチバック駅といっても笹子駅などと同じ設計で、本線は通過が可能な構
造であり、当駅に停車する列車のみ駅の甲府寄りで本線から分岐した線路を進
み当駅に入っていた。
スイッチバックは1968年(昭和43年)8月30日廃止された。このときからこ
の駅のホームは25‰の勾配がある本線上に設けられているが、ここではスイ
ッチバック時代の遺構が現在公園としてのこされている。国鉄形式の駅名標「
勝沼」が復刻され、隣駅も「甲斐大和」ではなく「初鹿野」表示になっているのが
何とも懐かしい。旧ホームなども整備されている。
今のホームは駅舎より高い位置にあり、駅前には約1000本のサクラが植
えられていて毎年4月ごろに見頃をむかえるが、線路が駅舎や駅前広場より高
い位置を通っ4いるため通過する列車の内部からもこの様子を見ることが出来
る。見事だ。
この駅は勝沼を名乗ってはいるが、勝沼の中心部からみて東側の笹子峠を下
り甲府盆地に入らんとする位置にある。これは路線設計上笹子峠と甲府盆地と
の標高差を距離で稼ぐため、盆地の縁に沿って路線を迂回させざるを得ないこ
とへの配慮であった由。駅を出ると駅前広場をはさんですぐのところが崖のよう
になっているあたりが、勝沼の町、甲府盆地を一望できる格好の場所だろう。
私が富士見へ通うために東京を発つのはほとんど早朝であり、この駅から朝
日に照らされ盆地を遠望することが多い。トンネルを出て、パッと広がる、まさに
光景だけに、その風景はいつも爽やかで気持ちが良い。殊に春秋の、雪のある
頃の南アルプス連峰と重なる眺めは素晴らしい。
やまなみの中段に雲が棚びいたりして見事なパノラマの下に、甲府市街地を中
心に広がる里の家々が朝日に輝いている様子、又春の花の季節は、桜、桃と続
きこたえられない。
夏の間、緑に埋もれる傾斜地はすべてぶどう園で、駅から右手に町営のぶどう
の丘がみえるあたりまで豊かな緑の海。この駅の最大の恵はこの景色だろう。
降り立って散策するまでもなく、車窓であっても充分楽しめると思う。
このあたりは山梨県の主産業、甲州葡萄の栽培が最初に始まった地と言われ、
今日ではぶどうとワインの大産地として知られている。江戸時代には甲州葡萄の
栽培が盛んになり、「和漢三才図絵」「裏見寒話」などにおいて梨や柿と共に果樹
の特産地として挙げられているが、もとは甲州道中沿いの勝沼宿として栄えた処
であった。
明治36年に中央本線が開通したのだが、駅設置が1913年(大正2年)まで遅
れたため、地域の中核は駅のできた塩山市へと移っていった。
しかし地域の葡萄栽培は明治初期以来、殖産興業政策で奨励され、明治10年
には日本葡萄酒会社が設立され、フランスからの技術導入も取り入れてワイン醸
造も中核産業として発展している。
2階建ての駅舎が立派だ。
ここはいま甲州市となった。駅舎に市の観光案内所をかねたコーヒー店と市営の
ワインショップが併設されている。
この駅の所在地は勝沼のうちの菱山というところで、この駅のできた当初当時の
菱山村がこの駅を菱山駅とするよう求めたというエピソードもあるとのことだが、こ
の駅は勝沼のぶどうを多く出荷することとなっていたので駅名は結局勝沼となった
そうである。
駅の周りから駅の南4キロメートルほどのところまでが当駅の駅名ともなった勝沼
ぶどう郷である。勝沼の中心部までは直線距離でも1.5キロメートルほどの距離が
ある。
ホームから見えるトンネルは正式には「新大日影トンネル」、旧大日影トンネルは、
現在遊歩道として整備されており、散策することができる。全長1376mのトンネル内
にはレンガの壁や線路、鉄道標識等が当時のまま残されているのでファンにはおす
すめだ。
風次郎
勝沼駅のホームから見える新大日影トンネル入口
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