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風次郎のColumn『東京JOYLIFE』  
   No252(C-12)

 11.12.12開駅100年祭を催した四方津駅
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                                                     2012年05月13日
中央線各駅停車12.四方津
                                                  

                      列車は上野原駅を出ると相模川を渡る。再び山中――。
                      山襞を縫うをように小さなトンネルを幾つか過ごして進行を続ける。トンネルとトンネ
                     ルの間に現れる周囲の林は竹林が目立つ。
                      やがて谷あいが少し広がって、右手に独特のオブジェが現れるのは、集落へ続くた
                     めに作られたエスカレーターつきのシェルター「コモア・ブリッジ」である。その下に四方
                     津駅があり列車はゆっくりと滑り込んだ。
                      国道20号線(甲州街道)が桂川に沿って谷あいを走っており四方津駅のあたりは
                     並行している。駅は山間を行く国道への接点を考慮してつくられたのであった。
                      駅から北西に2km程の所にある大野貯水池の建設工事にあたり、資材輸送を行うた
                     めに開業された駅である。明治43年(1910)12月15日 国鉄の駅として開業。旅客
                     及び貨物の取り扱いを開始した。
                      大野貯水池は駅開業4年後の大正3年(1914)に完成している。
                      駅は役割を終え、その後昭和35年には貨物の取り扱いを廃止。昭和62年には国
                     鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となった。
                      幼い頃、叔父がこの駅の駅長を務めていたので立ち寄った思い出がある。
                      寂しい山間の駅だった。弧線橋もなく、枕木を並べて敷いた渡線路を歩いてホーム
                     から駅舎へ行ったことを、記憶している。

                      ところが、1980年代バブル景気のさなか、東京圏の拡大で一戸建てを求める
                     ニーズに応えるべく、1987年に積水ハウスが四方津駅北側の高台を造成に着手し
                     たのである。
                      80万平方メートルの敷地内には住宅地や公園のほか、小学校やスーパーマーケッ
                     トや医院などを誘致、「コモアしおつ」として1991年より戸建販売、宅地販売を
                     開始し、今は落ち着いた郊外住宅地となっている。
                      山間の駅は新文化人の街の玄関と化した。
                      その象徴が車窓からも見える「コモア・ブリッジ」というガラスのドームに包まれ
                     たエレベーターと斜行エスカレーターである。駅直結だから駅からも良く見える。
                      駅の2010年度の1日平均乗車人員は1918人であるが、2001にはICカードの
                     開札機も設置されている。単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線
                     のホームを持つ木造駅舎の地上駅である。
                      駅舎とホーム及びホーム間の移動は跨線橋を利用するが、各駅停車を愛用する者
                     には「駅らしさ」を思わせる駅とでも言おうか。

                      降りて「コモアしおつ」を訪ねて見ると、展望台のようなブリッジの到着ロビーか
                     ら桂川を越えた山並の景色が広く見渡せて気持ちがよかった。
                      寂しい駅の駅長だった私の叔父は、昨暮この駅の開駅100周年際が行われた直後、
                     申し合わせたように逝ってしまった。
                      それを聞いたとき、まるで叔父が何かを語っているように思った。

                                                            風次郎           


駅から住宅地直行の「コモア・ブリッジ」

  

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