春告げる梅の花が咲き始めた
 
  

                                                                  Music by Music Cafe-Megumi Ichihara
                                                                    (挿入曲 モーツアルト ソナタK331)

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風次郎の『善言・愛語』
――日々心の修養の為に――
Tokyo Joylife No520(A018)
 

                               「より良く人生を生きたい」
                              これは誰もが望むことだと思う。
                               しかし、これを実現することはなかなか難しい。そう思いつつ日々を過ごすことが人生そのも
                              ののようにも思う。
                               だから心の修養を心掛けるということなのだろう――。
                             
                               風次郎も凡人として、生き方を事につけ思い巡らしている。
                               そんな日々の中で留めたい珠玉の言葉を見つけたり、注目して記してみたいと思う。
                               どうか読者の方々も賛同いただけたなら、生き方の中へ加味していただきたい。

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                                                     2018年2月4日
  19. 五知
                                                    風次郎
                                                  yahfuujiro3@yahoo.co.jp
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                         宋史同伝によると宋の初めの頃の賢人に李繹(りえき)という人がおり、「五知を養い得て、
                        始めて能く難局に当ることができる。」と言ったそうである。
                         「五知」、すなわち
                                    時を知ること。
                                    難を知ること。
                                    命を知ること。
                                    退を知ること。
                                    足るを知ること。の由、

                         歴代総理大臣のご意見番役として陽明学を説いた安岡正篤はその著「活学」の中でこれを
                        引いて説いている。
                         一つ目は「時を知る」ということ。“Timing is everything.”
                         これは、タイミングが非常に良いということ、あるいは時流に乗るということ。時宜に従
                        い、その時々において臨機応変に対応する等々、様々な意味が含まれる。
                         二つ目は「難を知る」ということ。
                         これは「こういうことをすれば、こういうふうに問題になる」という意味において、難を
                        知るということ。       
                         三つ目は「命を知る」ということ。
                         『論語』に「命を知らざれば以て君子たること無きなり」とあるように、自分にどういう
                        素質があり、能力があり、これをどういうふうに開拓して自分をつくっていくのか。それを
                        学ぶのが「命を知る」ことなのだ。と、
                         四つ目は「退を知る」ということ。
                         特に企業家の場合などは、行け行けドンドンを知っている人は結構多いが、退くべき時に
                        退くということを知らねば自滅してしまうものだ。と、
                         五つ目は「足るを知る」ということ。
                         『老子』第三十三章にも「足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り」とあ
                        るように、あるいは「知足安分の戒め」ともいう言葉もあるが、こういうことを常に頭に入
                        れておくことが重要ではないか。と―――、

                         そして「五知を養い得て、始めて能く難局に当ることができる」ということで、上述した
                        五つは何れも此れも中々難しいことなのであるが、そういうふうに心掛けるということが非
                        常に大事なことなのだと思う。と結んでいる。

                         世に知者は多いが、五知先生の言葉を見据えて取り組んでおられる方は少なかろうと思う。

                                *   *  *

                         古い昔、ある街道筋の小さな広場に 吾(れ)、唯、足(る)、を知(る)『口という字
                        の上に五で吾、横に隹で唯、下につくりをつけて足、左に矢を置いて知』と大きな石貨のよ
                        うな置き飾りを見たことがあった。後からこの五知の警句の一つであることを知って感慨深
                        かった。道端に転がった大きな貨幣!か?

                         人生航路は難局の積み重ねである。
                         修行の為の心がけとして、「五知」を懐に忍ばせておきたいと思う。

                                                                         風次郎

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