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風次郎の世界旅
 2011冬のドイツの旅
(11)

music by TAM Music Factory

               
                           マリエン広場から新市役所を見上げる           

      11)ミュンヘン                            

                            ミュンヘン中央駅のすぐ前にあるWINTERS CITY HOTELLでのチェックインが終わって、部屋で
                           一休みしてから、夕食前にバスでクリスマスマーケットを見に出かけることになった。
                            目指す先は新市庁舎の建つマリエン広場である。

                            ミュンヘンはドイツ最南部バイエルン州の州都であり、ヨーロッパ有数の世界都市と言われ
                           る。各種インフラも整備されており、海外駐在員から世界で最も住みやすい都市と評されるこ
                           とも多いとのことだ。歴史的にも交通の要衝で、12世紀以来ヴィッテルスバッハ家の宮廷都
                           市として栄えた街である。私とはなが宿泊するのは2度目であるが、私には前回の記憶はビア
                           ホール「ホーフブロイハウス」以外大したものがない。
                            マリエン広場に降り立つと、バスの外は風も伴って寒かった。
                            広場には所狭しとクリスマスマーケットの屋台店が軒を並べ、周囲には買い物と観光の客が
                           溢れていた。人々は冷たい風をものともせず店の明かりにそれぞれ陽気な顔を輝かせているよ
                           うに見えた。何処の市場でも同じようにきらきらとしたクリスマス飾りの道具、星のオーナメ
                           ント、人形クリッペ、キャンドルが並ぶが、ホットドック、ホットワイン、レーブクーヘンと
                           呼ばれる菓子(スパイスの入った大型のクッキー)、などの口に入るものが客の手にとられて
                           いた。
                            先ず眼を奪われたのは、そんな群集の上に照らし出され、広場を見下ろす新市役所の建物で
                           ある。ルートヴィッヒ1世により1909年に完成したもので、中央に85mの尖塔を構えた
                           ネオ・ゴシック様式。全面に王、バイエルン公侯爵、伝説の英雄、聖人の彫刻が見事に施され
                           ている。また、11時と12時には人間の大きさの人形32体と鐘で結婚式を再現する観光客
                           には人気の的と言われる大きな2階建ての仕掛け時計もあった。
                            私たちは人ごみに紛れてマーケット巡りを楽しんだが、このあたりはブランドショップも多
                           いところである。寒風を逃れて近くのデパートも見聞してみた。はなは地元風の刺繍の付いた
                           帽子を買った。
                            近くには最初にヴィッテルバッハ家が居城としたアルター・ホフがあり、そのあたりには1
                           0年ほど前の旅で寄った世界的に有名なビアホール「ホーフブロイハウス」があるだろうと訪
                           ねることを思ったが割愛した。
                            ビールの街である。 世界最大のビールの収穫祭であるオクトーバーフェストには世界中か
                           ら毎年600万人以上の観光客が訪れる人気だそうである。その日はホテルの夕食でもドイツ
                           ビールを飲んだが、旅先で飲んだことも手伝ってか、のど越しの感触は良かった。
                            ドイツのビールは種類が多く通常「ビールください!」というと出されるのは黄金色のピル
                           スナーという種類であるとの事、それだったらしい。他に、苦味が少なく女性に好まれるヴァ
                           イスビア、中部でよく飲まれ、ゲーテも好んだといわれるシュバルツビア、燻製ビールと言わ
                           れるラオホビアなども人気があるとの事である。
                            ドイツの食事はあまりこれはと言うものにあたらない。私には、名物料理といえばせいぜい
                           ザウアークラフト(イメージとしては茹でキャベツを細かく刻んだ感じのもの)を添えた焼き
                           ソーセージとか、紐でしばって煮込まれたロールキャベツがどうにかいただけるといったとこ
                           ろだ。
 
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                            翌朝、早起きして街へ出てみた。駅の前にあるホテルだったから例によって駅を観る。
                            ヨーロッパの駅は大概ホームへの出入りが自由だからホームへも入っていろいろな形の車両
                           を確かめたが、その朝の時間帯はドイツ以外の国から着いた車両は見あたらなかった。ミュン
                           ヘン発着はICEだけが行き来しているのかもしれない。
                            パリ、ウイーン、ミラノなど国際列車も発着する駅であるからいろいろな人が居るようで、
                           早朝から賑わっていた。人々の風貌、持ち物、何処から来たのだろう、何をしに来たのだろう、
                           と想像するだけで国際駅の人ごみは楽しい。国際駅こそ国際色豊かである。鉄道の駅のほうが
                           空港よりも素朴さ民族色を見出して親しめる気がする。時には積極的にならなくても偶然言葉
                           を交わすこともあって駅を探索するのは好きだ。
                            構内には銀行、郵便局、レンタカー会社をはじめ、すでにレソトラン、本、花、パン、など
                            を扱う売店が煌々と明かりを灯し人を集めていた。
                             大きな駅だ。チケット売り場がホームから正面玄関まで続く長い中央通路の脇にあった。正
                            面玄関は東側、宮殿に向いて建てられていた。
                             駅の正面から外に出た。少し左手に回って、2ブロックほどの広さの円形道路に囲まれた中
                            の古い植物園に入ってみた。多種類の大木が植物園の頃のまま残されて、今は公園になってお
                            り、広い通りに向いた側に水神ネプチューンの立つ噴水があった。冬支度はまだのようで水が
                            出ていた。
                             噴水と道路を挟んだところには大きな裁判所の建物が建っていた。その先は中央に緑地を設
                            けたバイエルン通りで、丁度裁判所の反対側が広い交差点、カールスプラッツであった。ここ
                            にも道路の中央に大きな噴水があった。フランクの王カール大帝の名声はヨーロッパ各地に残
                            され、ウィーンの中心部にもカールスプラッツがあったことを思い出した。
                             カールスプラッツの向こう側、ノイハウザー通りの入り口には白い城門カール門があった。
                             その通りを真っ直ぐ進めば昨夜過ごしたマリエンプラッツである。カールスプラッツを眺める
                            駅よりのバイエルン通りに面して、ホテル「ケーニヒスホフ」がまだ明けぬ薄闇に光を放って
                            いるのだった。1862年から伝統的にクラシックな雰囲気を守る高級ホテルと仰がれている
                            ホテルである。

                             この街は王宮時代からの遺産、そして南西部ライン流域に至る森林地帯に連なる自然の風景
                            を垣間見ることの出来る潤いのある町だと思う。南北に流れるイザール川流域にはそのものを
                            生かした緑地を維持して公園が解放されているし、国際会議が開かれるばかりでなく、大学、
                            博物館、美術館も多く、音楽の都でもある。大戦で半分は失われ復活した街並みと言われるが、
                            道筋などはドイツの他の町と同様、昔のままであるとの事、思えば、前回の旅もゆっくりと市
                            内巡りをすることが出来なかった。次にはゆっくり訪れたいところである。
                            朝食後、次の予定地ノイシュバイシュタイン城へ向かうために街を出るとき、緑地の多い街角
                            風景や、宮廷跡に沿って走るバスの車窓に気を引き付けられ、そんな風に思った。
                            


                        
                             マリエン広場のクリスマスマーケット        

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