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入線するワイントレイン 出発駅の駅長さん
サンフランシスコ湾北部地域一帯はカリフォルニアワインで世界的に有名である。
このあたりに居住していたインデアンの部族の名前をとったナパ&ソノマを中心に
広大なブドウ畑が広がっている。
ナパバレーと呼ばれる48kmに及ぶ細長い盆地の葡萄園には、随所にお洒落なワ
イナリーやホテルがあって、訪れる人々にそれぞれ自慢の香りを提供し喜ばせている
のだ。
私たちも長男宅を訪れる時は、ワイナリーの何れかをみんなで訪ねることが楽しみ
の一つだ。
今回は私の妻はなが9月に古希(70歳)を迎えたお祝いということで、長男夫妻
がナパとセントヘレナの間で運転されている「ナパバレー・ワイントレイン」を予約
してくれ、一日を楽しむことにした。
毎日眩しい日差しの日が続いて、オリンダの丘から林の中を抜ける道路は過ぎ行く
風が心地よかった。バークレーからハイウェイに乗り、ベイブリッジの手前で北に向
かう80号線をサクラメント方向に向かう。
約30分走ってナパの町に着いた。
この街には繁華街といった場所はなく、沿道の処々にモールや、ホテル、ワイナリ
ーなどが客を集めているといった状態で、観光客も多いが、ゆったりしている。
ワイン・トレインのステーションは町のほぼ入口にあった。
私たちの予約は11時30分発のランチ・スケジュールである。10時35分から
ウェルカムセミナーを受けて乗車となっていたので、駅舎のロビーで待っているとス
タッフが要領を説明し、一緒にトレインの伝統と合わせてナパバレーの特殊な気候・
地理などを解説してくれた。イベントらしく組みこまれている。
列車は1915年〜1917年製のアンティーク車両を完全に復元したものに19
52年製の展望車両を繋いで構成されているとのこと、私たちはブルマン社製のグル
メ車両に案内された。
席が決まると車内は自由に行き来できるので、オープンエアー型(窓の開閉もでき
る空調無しの車両)や、2階建てのドーム型展望車両も体験できて興味深かった。グ
ルメ車両にはオープンの観覧デッキもついていて食後のリラックスを楽しめた。
列車は時速30kmの速さでゆっくりと往復3時間の旅である。
車窓は殆んどが葡萄畑であるが、列車は平地を走るので、街道沿いの民家やワイナ
リーの風景もすぐ眼の先に見られた。
広大な葡萄園の葡萄の木は大体が背が低く作業のし易いこじんまりした形に仕上げ
られ、日本で一般化している種類とはイメージは異なる。数年前丘の上にあるシャト
ーで秋の日の一時を過ごしたことがあったが、その時に行った丘と同じような緩やか
な傾斜の丘が遠く延々と続いていた。
列車は、カリフォルニアのワイン醸造の発祥地といわれるセントヘレナまでの往復
約59キロの通常なら1時間もかからない距離を、のんびり3時間かけてゴトゴトと
進んでいく。
往路でスープとメイン料理(ステーキ)をいただき、復路はデザートタイムを楽し
むのである。ウェルカムドリンクとして注がれたスパークリングワインを先ず手にと
りテイスティングを重ねて美味を味わった。
日本人客は私たちだけのようだったが、和やかに過ごしているうち、父親が広島出
身の日系二世で日本にも行ったことがあると言う、若いウェイターがテーブルを担当
して親しく話しかけてくれ楽しかった。
展望デッキに出て眺めると、陽のあたるカリフォルニアの大地に広がる葡萄畑の中
に、二本の鉄路が真っ直ぐうしろに線を付けていくゆったりとした光景に見とれて過
ごせた。
トレインは予定通り往復3時間をかけて走り、14時30分にはステーションに帰
ってきた。
車で10分ほどのところに、種類を沢山そろえたワインセラーがあったので、何本
かを日本へ持ち帰るお土産に買い込んだ。
カリフォルニアワインに浸った1日だった。
風次郎
グルメ車両で食事前の記念撮影