BGM TAM Music Factory
New York Botanical Garden にて
ウェストチェスターあたりの地盤は芝の育ちが良いように思う。岩盤から上の土の厚みが少ないからだろうか、
刈ってさえいれば雑草も少ないようだ。
環境に恵まれた住宅地になっているハリソン、ライあたりは中流、ボストンポストロード沿いは上流の家並みで庭
木も多い。庭の落葉は機械で吹き飛ばして集めておくと、市が回収に廻っている。貸家では落ち葉をかたづけるこ
とは家主の義務であるそうだ。
景気が悪いと言われているが、この地域でも不動産(住宅)の売り物が増えているように見えた。それらは中下
流のものがほとんどで上流の高級住宅は少ない。USAの裕福な階層と言えども厚みがある。ボストンポスト周辺
に住んでいる人たちなどは切り詰めることで10年ぐらいを乗り切ることはできるのだろう。
経済の裾野は広く、国民的資産は豊かである。私もアメリカに来ると消費力の可能性を時々思い知らされる。
1年ほど間を空けていたので、ニューヨークも多少変わっているかなと思って注意していた。
空港でのセキュリティチェックは昨年と激変した。ESUTAシステムが徹底したのか、入国審査も手指の確認のみ。
荷物検査もノーパスだった。
インフルエンザは騒がれている割には、空港でマスクをしているのは、我々日本人ぐらいのものだった。
ただ、息子家族に聞くと、団体への指導は徹底しているようで、職場では、感染気味の職員が発生すると即座に、
周辺のグループは順次強制的出勤停止になるようである。孫が地元のエレメンタリースクールに通っているが、や
はり同じように登校停止や、学級閉鎖の処置が行われるらしい。
日曜日に長男家族とブロンクスにあるナショナル植物園に行った。
晴天の日曜日とあって、家族連れで賑わい、アットホームな雰囲気。ここではピークを過ぎたばかりの紅葉が散り
始めて、行く秋を美しく飾っている。
植物園は古い時代から続いてきた岩盤上に繁った木々の森の中である。松林などもあった。
折り良く三菱商事が今年で最後といって開催している「日本の菊祭り」という展示をやっていた。春の桜、秋の菊
は日本を象徴する名花である。いろいろな国の人々がしきりにその方へ足を向けるのを見ると、自分の国が親しま
れているのだ、と気分の良いものである。
懸崖や、一本立ての見事な展示に群がる現地の人達に交じって鑑賞した。
西洋式ドームを模った背の高いガラス張りの建物が目立っていた。それは温室であり、珍しい熱帯の植物が沢山
集められてあった。
園内には森林もあって、1日歩いても歩ききれない広さとのことだが遊歩道が巡らされていたので、ひとつのコー
ナーを歩いて森林にも入ってみた。落ち葉の上を歩くと、カサカサと音が響きそうな道を行き、渓谷に架けられた橋
を渡って進む。まだ残され秋を見るに十分であった。
ひと歩きしてゲートの近くのレストルームでお弁当を拡げ、穏やかな秋の休日を心地よく楽しめる安堵に感謝しつ
つ過したひとときだった。
周囲を見れば、米国人たち、いわゆるヤンキーのイメージを代表する若者よりも、我々の年代に並ぶ老齢の家族
連れと子供連れの中年ファミリーが多く、中にはムスリム衣装に身を包んだ母親に連れられた子供たちも混じって
いる。
このようなくつろぎの場所は、膚の色も、言葉も多種多様。国際色が豊かなアメリカならではの休憩風景である。
その風景こそ世界が平和に寛ぐ状態といって良いのではないだろうかと思うのだった。
夕食にマンハッタンへ立ち寄った。日曜日ではあったが、クライスラービルの天辺が特徴ある形のネオンを輝かせ
ている時間帯になっていた。
休日の夕方だから、当然と言えば当然、家族連れで混雑していたが、グランドセントラルの近くの日本料理の店で、
早い時間帯だからと席をつくってもらい、入れてよかった。
焼き鳥とそばの店ということであれば日本人が多いのは当たり前であろうが、店員も日本人或いは、日本語を学
ぶ学生アルバイトかなと思われる若者たちが、丁寧な応対で過しやすい雰囲気であった。
そこで、看板通りのメニュウ、焼き鳥、おでん、そばを注文する。値段が高いが、いたし方なしとすれば、出来栄え
は上々。日本でも通用する、特にそばは上出来だった。日本人が打っているらしい。
日本料理でテーブルを囲む店内の客達半分以上から漏れくる日本語会話にこちらも大いにリラックスして、これは
アメリカ産だという日本酒につい酩酊してしまった。米はカリフォルニア米であると聞いた。
思えば、私が初めてマンハッタンを訪れたのは16年前であった。
当時、五番街の通りを入り込んだところに日本人の経営する料理店があった。日本料理の店は、全てをリストアッ
プできる程の数しか無かったのだが、その店は今も続いていると聞いてとても嬉しかった。しかし、タイムズスクエア
の近くにあった「サムライ」という飲み屋はなくなってしまった、と聞いた。
今や、日本食は普及して、店も数え切れなくなってしまったようである。
食べることに関しての話題としては、「スティウ・レオナルド」という牧場主が経営する食材の大型スーパーが、ウェ
ストチェスター西域にある。乳製品や食肉の直販に端を発して、あらゆる食材を並べて、10年このかたヒットした店で
ある。日本でもマーケッティング関係者には知られているが、産直で大型販売と言うことで有名である。
私は、消費財の値動きにも関心があったので、NYを訪れると家族の買い物に必ず連れて行ってもらい、眺めてく
ることにしている。
さすがに、乳製品、肉製品は安いのだが、食材は2〜3年前から2〜3割値上げ傾向にあるようだ。
「そう言われてみると」、と思う値段のようである。昨今は私も東京のスーパーあたりで食材の値段を気にするよう
になったが(リタイアしてから買い物について廻るようになった為)、東京よりも高い。しかも$1=¥90で換算しても、
である。米国では消費財が値上りし、住宅地はもとより、家具などの耐久財が値下がりしている。
米国でも経済の波が微妙に変化していることは確かなようである。
(風次郎)
Central Park の名残の秋