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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No97
天狗岳冬
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2004年12月11日
朝の星座
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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星空が本当に美しい。
一年で一番日の短い時だから、夕方は早く暗くなるし、朝は明るくなるの
が遅い。それだけ星の光を楽しめる時間が豊富の時期である。それに今年は
天気が良い。弟の葬式以来、四十九日まで朝の散歩を墓参りと決めて四時過
ぎに外に出ているが、降った日が一日、曇りが三日ばかりしかなかった。
早朝、山影の上に広がる澄み切った空には散りばめたようにいつも
星座が輝いている。
星座は巡るのであるが、今は通常春の星座といわれる図だろうか。
先週までは月が大きく、それも空の真ん中に照っていた。今週は東側に
低くそれもすっかり細くなって、星の数はとても多く見える。
来週は新月、夜空に月は無い。そうなれば眺めれれる星はさらに増して
夜空を賑わすであろう。
明け方の空に強く光る金星の近くに、昨年の夏大接近で話題をまいた火星
が寄り添うようにしているが、今朝(10日)の月は、金星と共にその赤く
光る火星を挟んで空の旅を楽しんでいるようだった。
一月前金星とのランデブーを終えた木星はその上方に離れて、
この月も含めた三つの親族星を眺めているよう。
さらに、近くにある1等星スピカに目を移す。
おとめ座のα星である。おとめ座はこの大きな星スピカを中心に大きく横たわり、
星空は北に牛飼い座、大熊座、中天にしし座と広がる。
この秋は巡る星座を随分楽しんだ。
10月の朝方は西空にオリオン座、ふたご座、その北に牡牛座、ペルセウス、
カシオペアがすっきりと姿を見せた。一生懸命星座を見つめていると、
次第に星座盤に引かれている星と星をつなぐ線が見えてくるようになり、
星座図鑑の絵が浮かべられるようになるのである。
星座神話の物語を思いながら、今期はペルセウスや牡牛、ぎょしゃなども
見えるようになった。
今、東南の空には、おとめ座のα星スピカが大きく白く光る。
この光は正義の女神アストレーアの象徴である。
おとめ座には神話もいくつかあるが、私が好きな神話によれば、
大神ゼウスとテーミスとに生まれた正義の女神アストレーアの話である。
この世が黄金時代だったころは、野は耕さずとも実り、川には乳や酒が流
れ、人は争いを知らず、世界の隅々まで平和だったという。
神々も喜んで下界に住み、中にもアストレーアは、人間の良き友として、
正義を教えるのにつとめていた。
やがて銀の時代に入ると、四季には寒暑の別を生じて、人間は家を建て、
自ら耕し、種をまかねばならなくなったので、強者がしだいに弱者をいたげ
はじめた。それで神々は人間に愛想をつかし、ぞくぞく天井へ引き上げて行
ったが、アストレーアのみは、まだ望みをすてず人間界に踏み留まって、熱
心に正義の道を説いていた。
しかし、次の銅の時代が来て、人間がうそと計略と暴力を用いはじめ、地
中から鉄と金を掘り出して剣を打ち、友と友、親子兄弟がせめぎ戦うように
なると、さすがの女神もついにたえられなくなって、白い翼を羽ばたき、天
上高く翔り去って黄道に座をかまえたのがおとめ座だと言い伝えられている。
スピカはアストレーアが手にもつ『麦の穂』の意、何となく天に昇っても
『自然への労を厭わぬことこそ正義』と諭す女神の心を思う。
細くなった月からスピカに目をやり、南から東につづく星たちを集めてお
とめ座を描く試みは昔から重ねているのだが、なかなか上手く描けない。
女性を描くことは昔から苦手だが、ことに空に横たわる大きな女神となれば
なおさらのこと。
仕方ないというものか――。
(風次郎)
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