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風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No81
2004夏・お盆の気球(八ヶ岳農場)
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2004年8月14日
盆
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
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盆の13日は暑い日だった。暑さはきびしかったが、私は日中事務所にいて
一本の電話もなく世間は盆休みに入ったことをありありと感じさせられた。
一斉に休みになるというのは静かで良い。
南天寮にははなも来ているし、娘が3歳になったばかりの孫娘を連れてやっ
て来ている。
事務所から帰宅して、まだ陽の残る芝生の庭でテーブルを囲み、オシャマな
孫娘とのやりとりを楽しむ。
他愛のない“どうして?”“なんで?”とせがまれる返事のしように閉口す
ることしきりだが、ときには――なるほど――と納得させられる答えを先方から
聞かされたりして、愛嬌だけではすまされないこともあって楽しい。
山麓は夕焼けこそなかったが、白樺林の向こうに西山がシルエットになって
浮かび上がり、そして暮れた。
迎え火を焚くと孫娘が、
“どうして?”と問う。
“火を燃やすと明るくなるでしょう。明るくなった道を見つけて、じいのまた
じいたちがお墓の中から帰って来るんだよ”
“ふうん、もうきたかなあ----”
“どこにいるのかなあ――”
“お墓から来た人は見えないんだよ。仏壇の中に入っていくんだから――”
この町の人たちは、ほとんどがどこの家でも迎え火を焚いてお盆を迎える。
遠く故郷を離れていた家族や、時には親類縁者を涼しい高原に招いてともに
盆を過ごす家もある。
今宵は懐かしい昔話に思い出を語っているだろうか。或いは新しく加わった
新世代の若い親族を迎えて、老いゆく人々が新しい感慨にひたっているだろうか?
山麓の夜はすでに虫の音の響きに満ちた涼しい初秋を思わせる盆の宵であった。
風次郎
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