☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
風次郎の『八ヶ岳山麓通信』No 72
卯の花
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2004年6月19日
百合
風次郎
fuujiro@jcom.home.ne.jp
фффффффффффффффффффффффффффффффф
夏の陽射しが強烈になってくると作物がぐんぐん大きく育つ。
毎朝それを見て楽しむのは悪くはないが、同じように雑草も育てば、
芝や土手、林の草が伸びて日に日に手当てに終われ、大変だ。
そんな中、今年は「ゆり」の木が育っていないことに気がついた。
南天寮の庭には、父や母が暮らしている頃から
たくさんの「おにゆり」が夏の庭を賑わしていた。
最盛期の夏の庭に、ゆりの花の深紅は貴重なのだが、
今年はトンと見えない。
春先、こむらさきの芝桜、白いすずらん、薄紫のライラック、
そして土手に咲くやまぶきの黄色とつづいたあと、
あやめ(花菖蒲)が白、黄色、紫の大きな花をつけて豪華に咲く。
その頃からマーガレットの白が芝生や白樺の林を取り巻いて
夏への衣替えのシーズンを迎えると、
マツバボタン、つゆくさといった紫の花が目立つようになる。
今年は立ち木になって色とりどりに咲く皐月やつつじの花が
いつもより大きいと思っていた。
庭の花暦はとてもカラフルに移り変わる。
“花のあたり年かな”などと思っていたのだが。
草を刈っていて「ゆり」の生えていないのに気がついた。
土手の道を越えた隣は、元の町長さん老御夫妻が暮らしていて、
奥様は早起き。
風次郎が庭に出ていると時々声をかけてくれる。
「そお言えば、今年はうちのゆりも芽を出さないわ!」
草刈の途中での立ち話である。
「去年はジャガイモが皆地中で腐ったように駄目になってしまったから、
関係あるのかな?」
「それとも、もぐらが食べてしまったのかな!」
――ゆりも根がイモだ。
ゆりは外国からもたくさんの種類が入ってきて、艶やかな色の花を
つけるものがふえた。日本につたわる古くからのゆりは、
白い大きな花を岩場の崖などに揺らす「やまゆり」と
野辺や庭先に赤い花をつける「オニユリ」である。
やまゆりはすらっと背が高く幹が細いが、
私の家のオニユリは太い幹が毛に覆われて逞しくも思っていた。
ゆりが消えてしまったのは “天変かな?”とも思う。
草刈の手を休めて、小一時間も雑草の伸びた庭のあちこちを
掻き分けてみたら、ついに1本だけ探し出すことが出来た。
弱々しく葉のところどころが虫に食われながら、ヨモギの間で育っていた。
一本でもあって良かった。
コスモスの前八月のお盆のころに咲くに青紫の桔梗
と並ぶ必要な庭の「赤」である。
たった一本の弱々しいゆりの木をこの夏は大切に育ててみよう。
山は卯の花が終わりに近づき、庭にはこれも赤いバラの花が咲き始めた。
風次郎
фффффффффффффффффффффффффффффффф
メルマガ「八ヶ岳山麓通信」のNo73へ
メルマガ「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「八ヶ岳山麓通信」のトップへ
風次郎の「世界旅」へ